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人命よりお金儲けの運営

2013年02月11日 | 災害防止

グループホーム火災の一件について皆さんはどう思いますか?

痴呆症で歩行困難な入居者が居たようですが、避難活動が遅れたのはこの方たちの責任なのでしょうか?

私は“人命よりお金儲けの運営サイド”に問題があると考えます。

必ずこの手の問題が発生したときには、建物の所有者と管理者に対して社会的責任が“有罪(実刑)”として科せられます。

管理“権原者”と防火管理者が法的責任に問われます。

これらは大阪の千日デパートや新宿のビル火災等でも社会的責任の判例として示されています。

しかし、事件は繰り返される・・・。

亡くなられた方の無念、遺族の方の心情を考えると胸が痛くなります。

 

これから将来、私も皆さんも関係することなので、他人事と思わずに知っておいて欲しいことをいくつか紹介します。

同じ被害に遭わないために。

1 老朽化している施設は、法令遵守している施設は少ない。(お金がないことを理由にします)

 ※自分の施設他では絶対に事故は起こらないと勝手に思い込んでいる。

 

2 防火設備の義務設置というのは、施設の用途、面積、収容人数で決まります。そこでギリギリで作って検査が通ったら、増築する経営者が居る。(確信犯  ですが非常に多い)

※つまり本来は義務的(絶対に取り付ける)に設置しなければならないところを無視している=お金が欲しいからそちらには廻さない。

義務設置という言葉以外に、任意設置というのがあるんです。つまり防火設備を設置してはいけませんとは誰も言ってないのです。

 

3 防火設備の保守点検は形骸化され、火災センサーや火災受信機等の故障があっても修理しない経営者が沢山居る。(火災受信機は使用できる年数あり)

※点検業者が故障等の話をしても契約(保守)を切る等の脅しをして無視する。

 

4 よって防火扉、防火シャッターの動作が火災ベルの鳴動とともに連動しないことはザラである。

※停止では動きません。(一般的に火災点検時に不要に動作しないために、そういう設定がされています)

 

5 建物の管理がズサンであるかは、裏口や非常階段、階段まわりを見ればすぐわかる。(通路等に荷物が置かれている)

※今回の事件では、防火シャッターが動作しないとの情報であるが原因は2つある。

1つは目は、火災受信盤が故障または頻繁な誤作動により、常にベル停止であり“防火設備が連動停止”であったこと。2つめは、防火扉の前に荷物が置かれており動作しなかった。これらの理由が考えられます。(知識のある人ならすぐわかります)

残念ながら、“防火シャッター”の動作だけでは今回の火災における被害は防ぎようがなかったようです。

防火シャッター等は煙の流出を一時的に妨げる目的であり、延々と効果があるわけではありません。

煙は火元から横に流れて、上階に流れます。つまり“煙の流れ”と反対に行動することが生存条件になります。

煙が縦に煙が流れたら一気に拡散されます。(煙の縦方向の流れは若い人の駆け足程度の速さになります)

本来この手の施設は、天井を一定の高さに保ち、煙の流出が遅くなるようにつくられます。

なんで天井がフラットにつくられない? なんでこのデパートは、ガラス板のようなのが天井からぶら下がっているか?

これはみんな防火対策なのです。無意味ではありません。

大きな施設は煙を閉じこめつつ、外に煙を吐き出す排煙設備(排煙口や排煙窓等)があります。

これらの使用目的等を“介護担当者・責任者”に法律で義務的に覚えさせる“法令化”が求められますね。

介護の最大の目的は“安全・安心”だと思います。

何かあったらの中で一番大事な“人命”がおろそかにされています。

AEDより必要な問題です。

避難誘導も明るい時間帯で、楽しみながら行動しているのであれば無意味です。どこで火事があったらその避難経路は使えない等の臨機応変な訓練が求められます。

大体、歩行困難な方が何階で暮らしていたんですかね。

意思の疎通が困難な人を5階から複数分けて避難させることだけでも絶対に無理です!!

火災時はエレベーターは使用禁止です。(消防隊を除いては)

スタッフも夜になると激減するのは、この手の商売では常套手段です。(法令化すべきです)

人命重視だったら、田舎の土地を購入して2階建て以上にはしないのが“人”だと思うのですが。

 

6 昼でも煙は夜と同じく視界を妨げる。(非常灯がなぜ昼でも点灯しているのかということです。 前方が見えなかったら腰を低くしながら側壁を手で触りながら歩いてください。ただし触る程度で体重をかけてはいけません)

 

7 煙は火元に近かったら火よりも危険!! (人間の肺に熱が入り込んで焼けどを起こして呼吸困難になり死亡します)

 

8 煙は有毒ガスを含んでいる(煙から離れており熱がない場合は、ごみ袋で煙のない空気を取り込んで頭にかぶってください=地上までの酸素が絶たれず生存率があがります)  ※死亡原因は煙にまかれてが一番です。

 

9 非常口をすべて頭に入れてください(旅行先で一番最初にやることです)

 

10 ビニール等のソファ1脚が燃えただけでも相当の煙が充満することを覚えてください。だから今時は防炎対策がカーテン、絨毯等に施して煙が少しでもでない対策をしています。

 

11 火災ベルや家事だ!!の声を聞いたら“直ちに”避難

  “速やか”に避難ではありません。身の回りのものを探してから逃げるから逃げ遅れます。

  床面積が狭ければ狭いほど致命的です。

  避難のアナウンスがされた場合はよく聞いて行動しましょう。必ず2回放送され、繰り返されます。

  高層ビルに限らず建物が何階にも及ぶ場合は避難放送は一斉にされないことがあります。(ただし火元が地下や1階の場合は全館一斉避難です)

  例えばこの場合、3階で火災が発生したら3階と直上階(4階)とその真下(2階)に避難放送をします。

  避難をスムーズに行う目的と火と煙の性質からそうすることが基本になっています。

 

12 地上階まで避難したら後戻りは厳禁

 

13 火が天井まできたら消火器は1本では消せません。(消すことよりも119番と避難活動を優先)

 

これ以外にも沢山、身を守るためにの対策があります。(ほんの一部だけしかしょうかいしてません)

これらは覚えることよりも実践できることが重要なのです。

そして何事もイメージすることです。

例えば、1本の廊下に対して左右に部屋が10室あるとします。

部屋は20部屋になり、満室の場合、避難すると最低一斉に20名廊下に逃げ出します。

2名以上だとその倍、それ以上だとどうなりますか。

広い階段も一気に降りずらくなり、上から下にいくほど滞留します。

そして火災のベル音や悲鳴、煙により歩行速度が下がり、精神的に追い込まれます。

我先に押し合うとさらに進行が低下します。

出口が狭いところでは大勢で押しかけると“ボトルネック”になり避難が困難になり、圧迫死の危険も出てきます。

そう!明石の花火事故のようになるのです。

誰かの毅然とした心理的なコントロールが必要なのです。

これに対して高層ビルは、館内放送と誘導があり、防火区画を定めて“特別階段”へ誘導してそこまで逃げたら、ほぼ安全に下まで逃げられる構造になっています。

安全対策が万全になっています。(ハシゴ車等が届かないことが問題となり、対策が強化されました)

 

今回の事故現場ではどうだったのでしょうか。

火、煙、毅然とした誘導者、避難方法、避難場所等すべてにおいて素人的な行動だったと感じます。

老人から甘い汁を吸う悪徳経営者の下で、防火の知識もなく一生懸命働かされていたスタッフが可愛そうになります。

是非、法改正に踏み込んで二度と同様の悲劇を繰り返さないで欲しいものです。

この手の施設は他にも問題になっていることが山ほどありますからね。

 

またしても久々の復活ブログでしたが、次回はいつになるかは不明です。

 


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