私はリーダーシップなるものを発揮したことがない。
人々を主導するどころか自分を主導することも難しい。
熱い思いがあるわけでも、仕事に熱意を持っているわけでもない。
キムタクが、一番嫌いだという「適当でいい」「どうでもいい」という言葉を多用する傾向にある。
人に従って、リーダーに無責任に意見をいう方が向いている。
しかし、その一方でどう言うふうにしたら周りを自分の意見に従わすことができるか、とい . . . 本文を読む
日本には強力な同調圧力があるとしばしば言われる。
マスクを例にしてもわかりやすい。
こないだまでマスクをしない人間は吊し上げられたのに、5類になったとたん、今度はマスクは顔を覆い隠すからコミュニケーションには不適だと言われる。
こういう例はいくらでもある。
最近のスポーツ紙は、岡田監督を持ち上げるのに忙しい。
優勝した途端、彼を批判することはほとんどタブーになりつつある。
甲子園で優勝したチーム . . . 本文を読む
ずいぶん前に、内田樹の「日本辺境論」を読んだとき、「なるほど!」と思ったのを覚えている。
そこにも書かれていたはずだが、日本人はとにかく「日本人とは何か」を考えたがる民族であるようだ。
それは確固たる国民像がない、あるいはそれを共有できないことの裏返しだろう。
日本の歴史は脈々と……と語られることが多いが、では日本人とはどういう民族なのかと言われても即答できない。
あるいは、安倍謹也がいうように . . . 本文を読む
SNSによって、私たちは友達リストを作成することを強いられる。
SNSから逃れて生きていくという道も残されているが、民主主義の原則が「多数決」である以上、自分が多数派にいることは社会的に生き抜くための重要なスキルだ。
そうであれば、SNSを無視して生きていくという道は、ちょっと険しくなる。
ということで、私たちはせっせと友達リストを作って、人間関係を可視化することになった。
これは極めて残酷な行 . . . 本文を読む
新型コロナウィルスが落ち着きを見せている。
いや、厳密にいえば社会的だったこの病気を、社会的に無視することを決め込んだ。
そうすると、嘘みたいに罹患する人が減った。
そのあたりの詳細な分析や陰謀論は他の人に譲ろう。
結局この新型コロナウィルスなるものは、何を私たちにもたらせたのだろう。
私はこの一連の騒動は、時代を加速させたのだ、と考えている。
失われた3年というよりは、時代を5年ほど加速させて . . . 本文を読む
残念ながら、誠に残念ながら年齢はあくびをしているだけでもくってしまう。
私はまったく仕事に対して熱意はないのだが、いやでも【中堅】と言われてしまう年齢になってしまった。
他人に対して極端に期待値が低い私は、部下たち(正確には後輩たち)に対してまったく何の期待もしていない。
だから、「なんでこんなこともできないんだ!」「言われなくてもやれよ!」というような感情はほとんど抱かない。
【ほとんど】。
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南アフリカの優勝で、ラグビーワールドカップ2023年が閉幕した。
朝の4時キックオフが多かったので、日本に住んでいる私にとって、絶妙に見られる時間帯が多かった。
結果、朝早起きして主要な試合は見ることができた。
日本代表は思うような成績が出なかったが、準決勝あたりの試合を見ればわかるように、やはりこれ以上の成績を残すのは難しい。
あれだけのスピードで当たってくる巨漢を、しっかり止めてターンオーバ . . . 本文を読む
テクノロジーが発展していくということは、【他者への依存性を高める】ことである。
テクノロジーとは、人間が本来身体の内部に持っていたものを、外部化することにある。
大きな荷物をもつのが大変だから、重機で運び、物を壊すために手でやるべきことを、鈍器という身体の外部に委託していく。
だから、それを作る者が生まれて、一人でやっていたことを誰かに、何かに、依存していくことになる。
私たちはそうして発展して . . . 本文を読む
特に日本人は、言えば分かる、人と人とはわかり合えるものだ、という前提で対人関係を考えているところがある。
それは日本語というきわめて言語外状況に依存する言語の特徴を考えてみてもわかることだ。
SNSにおけるトラブルには、その「相手はわかってくれる」ことを前提にしていることによる齟齬が多く含まれているように思う。
短文でのやりとりが多くなればなるほど、その発信者と受信者の食い違いは顕著になるだろう。 . . . 本文を読む
やたらと多趣味な上の子を、今度はプロ野球に染めようと思ったわけではないのだが、我らが阪神タイガースが優勝するほどの勢いがあったこともあり、結果この半年で私がプロ野球を話題にすることが増えた。
開幕前までほとんどルールも何もわからなかった小学生は、今では阪神の選手の背番号とフルネームが瞬時に言えるようになってきた。
シーズン終盤には、オーダーを言えば、打順を覚えて次の打席が誰から始まるのか、というよ . . . 本文を読む