外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

アンマン路線バス310番の謎

2013-03-14 23:37:24 | ヨルダン(猫中心)
ゴールドスークのお店、キラキラしてるでしょ



私はヨルダン大学方面に用事があるとき、ダウンタウンのゴールドスーク脇のバス乗り場から310番のバスに乗っていく。
302番も大学を通るのだが、本数が少ないようであまり乗る機会がない。

310番のバスの運賃は、乗り場に待機している整理係のおじさんが入口で集めることになっている。
このおじさんはいつもイライラしているので有名なようだ。
一度私の隣に座ったおばさんが、
「あの人いっつも不機嫌やけど、なんでやろう?
渡したお金が足りないって叱られてしもたわ・・・(アラビア語ヨルダン方言を関西弁に訳しました)」
とぼやいていた。

この運賃がナゾなんである。
310番にゴールドスーク脇から乗るときは55キルシュ(クルシュかも?今のレートで70~80円くらい)払うのだが、帰りに大学から同じバスに乗るときの運賃は50キルシュなのだ。
302番のバスに乗った場合は、行きも帰りも50キルシュ。
他方面行きの路線バスも、どこで乗ってもみんな50キルシュだ。

この5キルシュの差はナニ?
どうしてゴールドスーク脇で310番に乗った時だけ余分に払わなきゃいけないの?

これが私はずっとナゾだったのだが、先日すっきり解決した。

いつものように310番に乗っておじさんにお金を払い、座席に座って出発を待っていたら、前の方で何やら大騒ぎが始まった。
みると、乗り込んできたおばさんと整理係のおじさんがやり合っている。
どうも運賃のことでモメているようだった。
おばさんは絶対に50キルシュしか払わないと言い張り、おじさんが激怒して「運賃は55キルシュだ!あと5キルシュ払え!」と迫っている。
両者一歩も譲らず、ゴジラ対キングギドラみたいな様相だ。
どうなるんだろうと、私も周りのお客も黙って状況を見守っていたが、最終的にはおばさんが勝った。
「路線バスの料金は一律50キルシュなんよ。55なんておかしい、職権乱用やわ!」
というのが、彼女の言い分だ。
・・・なるほど、これは正論である。
おばさんは正しい。
この正論におじさんが勝てるわけがないのだ。
彼はその後もしばらくガナリ立てていたが、結局諦めて降りていき、バスは何事もなかったように出発した。

つまり、5キルシュはおじさんの取り分だったようだ。
理不尽といえば理不尽な決まりごとだが、アラブ的にはこういうこともアリなのだろう。
ともかく謎が解けたので、私は非常にスッキリした気分だった。
キングギドラのおばさん、ありがとう~。

でもその後もあそこで310番のバスに乗るとき、私は相変わらず55キルシュ払っている。
だっておじさんと喧嘩する根性ないんだもん。
私もまだまだおばちゃんとしての修行が足りないな・・・


310番のバス。番号見えないけど



ゴールドスーク脇のバス乗り場でバスを待つ人々。ぼやけてるけど


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