外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

帰国者の戸惑い(4)日本の物価

2011-07-25 23:17:25 | 日記
友人が撮ったナポリの八百屋さん


帰国してから初めてスーパーマーケットに行ったとき、私は野菜売り場でうっとかたまってしまった。トマトが並べられた一角に、「トマト1個100円」という札を見つけたからだ。えっ、トマト1個100円?1個100円って、1個100円って、どういうこと?これ、1キロの値段じゃないの?どきどき。

少し気を取り直して周りを見渡せば、他の野菜にも「きゅうり特価1本48円」とか、
「なす2個100円」とか書かれた札がついている。1束100円のホウレンソウなんて、ほんの数枚しか葉っぱが入ってない。青森産ニンニクなんて、「1個198円」!
なんてことだ。これはあんまりなんじゃないだろうか。他のお客さんたちは、別に文句をいいもせず、取り乱しもせず、冷静にお買い物をしている。

しばらく野菜売り場をうろうろして仔細に点検して回ったのち私は、はああ、と深いため息をついた。日本の物価は高いと思ってたけど、これほどとは予想してなかったのだ。私の認識が甘かったです、いや恐れ入りました。日本の物価水準に脱帽です。

エジプトやシリアなどの、安さの殿堂みたいな国と日本を比べてもしょうがないけど、比較的物価が高いトルコでも、トマトは1キロ150円いかなかった。モノによるけど、トルコの物価は、日本の半分から3分の2くらいなイメージである。もちろんイタリアの物価はもっと高くて、日本と大して変わらなかったが、それでも野菜はもっと安かったという記憶がある。ユーロの値段にもよるけど。

そもそもトマト1個何円、ピーマン1パック何円という価格表示自体が、私には不可解である。トマト1個の重さは個体により異なるし、ピーマン1パックの値段が安いのか高いのか、他の店のものと正確に比べられなくて、消費者にとって不便じゃないですか!

私がいままで住んだ国は、どこも野菜はキロ売りだった。トマト1キロ40円とか、タマネギ1キロ20円とかいった具合である(これはシリアの値段)。1キロあたりの価格が表示されているので、他の店と比べて安いか高いか、一目瞭然。だからって別に1キロ単位で買わなきゃいけないわけではなくて、少量ずつ買っても、ちゃんと重さを計って値段を計算してくれるのだ。

イタリアのスーパーでは、お客が自分で野菜を好きなだけナイロン袋に入れて、店内に設置された自動計量器にのせてボタンを押し、打ち出されたラベルを袋に貼り付けて、レジで支払うシステムを取っている。これはとても効率がいいやり方だと思いませんか。お客が自分で野菜を1個ずつ選べるし、店側としても余計な人件費がかからないし、出荷する側も、パック詰めの手間が減る。もちろん野菜だけでなく、肉も魚もオリーブの漬物もチーズもハムも、色んなものが量り売りされている。

日本でも穀物や肉類は量り売りなのに、どうして野菜はそうじゃないのだろう。4個何円とか、1パックいくらとか、消費者をごまかすためにやっているとしか思えないのだが。市場の自由競争を促すためにも、これからはぜひ野菜も1キロ単位で売っていただきたい。

日本の価格体系に革命を起こそう!でももちろん無血革命よ。



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