奈良町の笑う狛犬
料理するとき、考えがまとまらないまま始めると、なんだかこまった感じのものが出来上がることが多い。
余りものをまとめて処理しちゃおう、などという邪念が、そもそも失敗の始まりである。
この間作ったカレーもそうだった。
初めは別にカレーを作る予定じゃなかったのよ。
冷蔵庫にある、舞茸、しし唐、豚肉、玉ねぎ、かぼちゃを使って何か一品作ろうと、漠然と考えていたの。
調理の経過は以下のとおり。
(1)全ての材料を適当に切って鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて火にかける。
この材料だと、和風の煮物にするのがいいかしら?と思って、かつお節をひとつかみ投入。
(2)数分後、かつお節を入れたことをすっかり忘れ、トマト味のシチューにすることに決め、冷蔵庫で眠っていたトマトペーストの小袋をぐにゅ~と絞る。
搾り終わってから、はっ、そういえば、かつお節を入れたんだった!と気づくがもう遅い。
早期アルツハイマーの検査を受けたほうがいいのかも、と我ながら不安になる。
(3)引き出しの奥に、ずっと前に買って使っていなかった切干大根があったことを、ふと思い出す。思い出さなければよかったのに。
切干大根をひとにぎり、水洗いしてから加える。
(4)しばらく煮込んでから、塩・こしょうして味見してみる。
濃いトマトベースの味に、かつおだし、豚肉や舞茸や切干大根から出たエキス、かぼちゃの甘みが混ざって、何ともいえず微妙な味になっている。
色の方はというと、かぼちゃが溶けて、陽気なレッドオレンジになっている。
(5)いっそのことカレーにしちゃったら上手くまとまるかも!と思い立ち、
クミンパウダー、コリアンダーパウダー、チリパウダーをたっぷり振りかける。
さらに蜂蜜も少々加えてぐりぐりかき混ぜ、再度味見してみる。
何かが足りないような、何かが過剰なような、とりとめのない味である。
何かが足りないと感じるのは、最初に玉ねぎや他の具材を炒めるという作業が抜けているせいかもしれない。
そして過剰に思えるのは、切干大根の和風パワーしれない。
(6)なんとかカレーらしい味にしようと、牛乳を少々加えてみるが、あんまり効果がない。
いらいらして、手に持っていたグラスの赤ワインの残りを、衝動的に鍋にぶちまける。
風味がよくなるかと思ったが、赤ワインのタンニンのせいでさっきよりかえって不味くなった気がする。
もう収拾がつかない・・・
(7)これ以上何か入れると事態が悪化するに違いないので、あきらめて火を止めて、調理終了。
なんかこのカレー、あんまり食べたくナイ。
食べるのを延期して、とりあえず翌日まで寝かしておくことにする。
翌日になったら、魔法のように美味しくなってるかもしれない(ナイナイ)。
翌日食べてみると、やはり混乱した味のままである。
混乱した精神が作り出した、カオスのカレー。
すごく不味いわけじゃないけど、なんだかこまった味なのだ。
ああ私、一人暮らしでよかった!同居人がいたら散々文句言われるとこだったぜ、と思いながらいやいや食べる。
この経験から私が得た教訓はふたつ。
ひとつ目は、
「最終目標が定まらないまま物事を始めると、失敗しがちである」
もうひとつは、
「トマトベースのカレーには、切干大根を入れないほうがいい」
料理するとき、考えがまとまらないまま始めると、なんだかこまった感じのものが出来上がることが多い。
余りものをまとめて処理しちゃおう、などという邪念が、そもそも失敗の始まりである。
この間作ったカレーもそうだった。
初めは別にカレーを作る予定じゃなかったのよ。
冷蔵庫にある、舞茸、しし唐、豚肉、玉ねぎ、かぼちゃを使って何か一品作ろうと、漠然と考えていたの。
調理の経過は以下のとおり。
(1)全ての材料を適当に切って鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて火にかける。
この材料だと、和風の煮物にするのがいいかしら?と思って、かつお節をひとつかみ投入。
(2)数分後、かつお節を入れたことをすっかり忘れ、トマト味のシチューにすることに決め、冷蔵庫で眠っていたトマトペーストの小袋をぐにゅ~と絞る。
搾り終わってから、はっ、そういえば、かつお節を入れたんだった!と気づくがもう遅い。
早期アルツハイマーの検査を受けたほうがいいのかも、と我ながら不安になる。
(3)引き出しの奥に、ずっと前に買って使っていなかった切干大根があったことを、ふと思い出す。思い出さなければよかったのに。
切干大根をひとにぎり、水洗いしてから加える。
(4)しばらく煮込んでから、塩・こしょうして味見してみる。
濃いトマトベースの味に、かつおだし、豚肉や舞茸や切干大根から出たエキス、かぼちゃの甘みが混ざって、何ともいえず微妙な味になっている。
色の方はというと、かぼちゃが溶けて、陽気なレッドオレンジになっている。
(5)いっそのことカレーにしちゃったら上手くまとまるかも!と思い立ち、
クミンパウダー、コリアンダーパウダー、チリパウダーをたっぷり振りかける。
さらに蜂蜜も少々加えてぐりぐりかき混ぜ、再度味見してみる。
何かが足りないような、何かが過剰なような、とりとめのない味である。
何かが足りないと感じるのは、最初に玉ねぎや他の具材を炒めるという作業が抜けているせいかもしれない。
そして過剰に思えるのは、切干大根の和風パワーしれない。
(6)なんとかカレーらしい味にしようと、牛乳を少々加えてみるが、あんまり効果がない。
いらいらして、手に持っていたグラスの赤ワインの残りを、衝動的に鍋にぶちまける。
風味がよくなるかと思ったが、赤ワインのタンニンのせいでさっきよりかえって不味くなった気がする。
もう収拾がつかない・・・
(7)これ以上何か入れると事態が悪化するに違いないので、あきらめて火を止めて、調理終了。
なんかこのカレー、あんまり食べたくナイ。
食べるのを延期して、とりあえず翌日まで寝かしておくことにする。
翌日になったら、魔法のように美味しくなってるかもしれない(ナイナイ)。
翌日食べてみると、やはり混乱した味のままである。
混乱した精神が作り出した、カオスのカレー。
すごく不味いわけじゃないけど、なんだかこまった味なのだ。
ああ私、一人暮らしでよかった!同居人がいたら散々文句言われるとこだったぜ、と思いながらいやいや食べる。
この経験から私が得た教訓はふたつ。
ひとつ目は、
「最終目標が定まらないまま物事を始めると、失敗しがちである」
もうひとつは、
「トマトベースのカレーには、切干大根を入れないほうがいい」