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芝生

2009-03-23 09:08:10 | Weblog
恋人と喧嘩というか、
ちょっとの間、あんましコミュニケーションを取れないでいる。

でも、どういう折り合いなんだか、今日入稿しなくちゃならない本の仕事があったりしたので、ずっと新宿でおこもりの日々だった。
それで、ぼくの手を離れる時間もちょくちょくあったので、普段まったくと言っていいほど出来てないバーをめぐるなんてことをしてみた木曜日。

作ってる本というのも、二丁目のバーのママさんたちにさせてもらったインタビューをまとめるというもので、それを編集してるともうホントになんてたくさんのママたちに
これまでお世話になってるんだってことにあらためて気づかされていたものだから、手始めに渡さなくちゃいけないデータを持っていったお店で酔っぱらったぼくは
「そうだ、これからお礼参りだ。こんばんは10軒はいかなくちゃ」と決意したのでした。6軒で挫折したけれど。

たまになにかを配りに行っても気づくことではあるけれど、
二丁目はやっぱりおもしろい。
酔っぱらってることも手伝って、小さなビルの小さなエレベーターを上っては、ドアをあけたら意外に大きなカウンターが広がってたり、
ビルは古びてんのにやたらと華麗な空間が開けたり、なんだかアリとかモグラの巣を案内されて歩き回ってるような気分になってくる。奥が深いのだ。

行くたびに「あら~~珍しすぎる!」と言われてしまう。
どんだけ無沙汰をしてるのか、恥ずかしい気持ちになる。
でも、どこに行っても胸にしみいる話をしてもらう。
通りを歩いてると、友だちに会う。
やっぱり「えー飲み歩いてるんだ!珍しいねえ」と言われる。
そういえばホントに遊んでないのだ、この街で。
早く帰らないと、恋人と持てる時間があんましないからと、仕事が終わったら無意識にさっさと帰ってたんだなあと思う。仕事を言い訳にしたりなんだかんだと。


もう帰ろうと思って、最後に古い友人が働いてるバーでコーヒーを飲む。
そしたら酔っぱらった古い友人たちが入って来た。結局また飲むことになったのも可笑しかった。気が置けないってすごいことだなと思う。


次の日の金曜日は、職場の方でずっと仕事をしていて、お腹がすいたねとみんなで中華屋に行く。
わりと新しいお店なんだけど、ここの中華が安くてウマい。
その次の日も結局行っちゃったくらい美味しいのだ。
食べながら、思えばこの人たちともずいぶん長い間いっしょにご飯を食べてなかったなあと思う。
結果的に、友人たちにずいぶん仕事を手伝ってもらっているから、ご飯どころではなかったんだなと思ったら寂しくなったり、申し訳なくなったりした。


ずいぶんいろいろなものを糧にしたり、犠牲にしたりして人は生きて行くものだと思う。
そんなつもりはなかったけど、恋人と過ごすための時間で、友人たちや、世話になってる人たちとの時間をぼくは犠牲にしてきたんだなあ。
その逆のことだってたくさんあったわけで、恋人にたくさん不自由や悲しい思いもさせて来たことだろうと思う。

ぼくにとっては、それでもそうしなくちゃならない大切なことと存在があったのだし、これからもあるのだろうと思うのだ。
忘れちゃ行けないのは、それを糧にするときに犠牲になってる事柄や存在の重さのことだ。
ついつい忘れてしまうんだ。忘れちゃダメだ。なんてね。


土曜の朝は友人たちとちょっとした撮影仕事があったから御苑に行った。
人がいっぱい出てた。まだゲイカップルっぽい人たちはいなかったな。それはきっと来週か。
まだ芝生は干し草色だったけど、すこし緑が差してきてた。
桜も咲き始めてるのかどうなのか、そっちにはあまり気が回らなかったけど、芝生が色づき始めてることがなんだかとてもうれしかった。
恋人にそれを伝えようと思ったけど、思いとどまった。
仲直りをしたらそれを話して聞かせようと思った。



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