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歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

お祝いのハプニング3重奏

2010-05-17 21:52:18 | Weblog
13日夜はフイガロの初練習、練習ピアノが昔かかわりがあった人だった。
サラリーマンから努力してプロの伴奏者に転向した駆け出しの頃のつながりであるが、実力がつき伴奏依頼が増えると人が変わるものなのかもしれない。

そういえば、ある音楽家も精神的に追い詰められていた時、毎晩のように電話で悩みを聞いたこともあるが・・・。

過ぎてしまうと都合の悪いことは、人は忘れるもの。


とても忙しい週だった。
おかげでのどの調子が悪いまま記念パーテイを迎える。

午後はスタッフの出し物に付き合い、ハンドベルの中で大きな声で歌う。
すっかり喉を潰してしまったが、水分をたくさんとって何とか治める。

メンバーがそろい、音だし練習をしていたら、1人の方が降りてくる。
まだ30分も早い時間なのでどうしたのかと思うと、
「今日は歌を聴くと約束したから・・・」
なかなか参加してくれない方だけに、その志が嬉しかった。
背中から思わず抱きしめてしまう。

合わせを終えて着替える。
ドレスは、グリーンのスカートに黒地にゴールドのビスチェ。
髪にはつけ毛をつけ、化粧も普段より濃くする。
バリトンは、赤のストライプのシャツに濃いグレーのスーツ。
伴奏者は黒のフリルつきブラウスにパンツ。

ご入居者が私だと気づかず通り過ぎるので声をかける。
ここまでコンサートの着付けをするのは初めてなので、ご家族も「見違えた!」と。
最初で最後になると思う・・・。

乾杯の挨拶後、何か呼ばれるのでなんだろうと思うと、
支配人の結婚祝い、新入社員の入社祝い、それに私の退職祝い(祝い?)。
大きなケーキをネーム入りで作ってくれていた!
ハプニング!!!
演奏の後でご家族にはご挨拶をするつもりだったが、ここでお話しする。

「都合で退社はいたしますが、これでご縁が切れるわけではありません。これからは、友人、知人としてお付き合いさせてくださいませ。ご相談事などにも出来る範囲でお答えいたします。今後はそういう活動を続けていくつもりでおります。」

狭いダイニングが尚更狭くて、演奏に立つ位置を確保するのがやっと。
2人並んで二重唱ができず、アッチとコッチとで歌うことに(笑い)。
それほど多くの参加だった。

バリトンの友人はさすが安定して任せ、聞かせてくれた。
調子を維持できなくなってしまう私も「トスカ」以外は何とかお聞かせできたと思う。
やはり「トスカ」は重い・・・。
けど、私の生き方そのものの曲なので歌いたかったのです。

最後の曲「手紙」を歌い終えたとき、バリトンの彼の誕生日なので皆さんからハッピーバースデイをプレゼントしたいといわれてビックリ!
なんとご入居者からの提案だという。
50人以上の方から「おめでとう」を言われて、彼、顔がほんのり上気していた。
お返しに、皆さんが大好きなお得意の「千の風になって」を歌う。

最上のお寿司とステーキと天ぷらに負けない「デイナーショー」だったかな?

わざわざ来て協力してくれた2人の友人に深く感謝している。


高齢になり遠出できなくなると生の演奏などに出かける機会がほとんどなくなる。
勤務先はそれでも要望に応えようとしているほうだけれど、
個別には聞き取りしていない。
こうして演奏をすると、いつもどこでも聞かれるのが「また、きてください」という言葉。
私が勤務していても2年ぶりである。
曲が難しかった、という方もあったが、生の本物に近い声を聞いていただきたかったという思いもある。
プラス、私が陰でこんな顔を持っているということも見せたかった。
働きながらでも出きるということをスタッフたちには教えたかった。

勤務している間は個人メールなどゼッタイに教えなかったが、打ち上げで名刺を渡す。
退社後の名詞である。

今日は喉は腫れている・・・。
また、明日の練習で嫌な顔されるだろ~ナ、ア~ア。
先は長いよ、ま、イイヤ。(笑い)