トランプは「民主主義」とか「法の支配」とは無縁の大統領だった。
彼の持ち味は「ワルで結構」というタフさを売り物にしている。
敗北が決まっても「負けた」とは言わない。
ビジネスの世界ではこれも必要だが政治の世界では限界が見えた。
バイデンは「民主主義」や「法の支配」という価値観を重んじる。
これに対する習近平は、力を誇示することを控え、金がモノ言う経済に活路を見出すだろう。
トヨタを中心とする自動車業界は、コロナをいち早く収束させた中国市場の活況で息をついでいる。
これが「商売の世界」の現実。
理屈や理念で飯は食えない。
だが過ぎたるは猶及ばざるがごとし。やりすぎは禁物である。
ミャンマーに軍事政権が出来た。タイも軍事政権である。
アメリカはさっそく経済制裁をかけるようだ。
日本は今のところ一呼吸置いている。軍事政権にもアウンサンスー・チーさんの率いる勢力ともパイプがあるからだ。
軟着陸に向けて日本の出番が望まれる。
アジア的手法での解決が望ましいのではなかろうか。
「価値観」を上段に構えて振りますのではなく、「経済支援」を絡めた軟着陸である。
1世紀前に岡倉天心は、「アジアは一つ」と謳った。
アジアの人々は互いに、自分たちの問題に心を奪われ、互いに孤立しながら争いを続けるのか?という問いかけであろう。
しかし「アジアは一つ」という流れは確実に大きくなっている。
「オリンピックの森問題」は、テレビネタとしては面白いが、森さんが蜃気楼のように消えても解決するような問題ではない。
未だ岩盤のように存在する「日本のムラ社会」の問題点にスポットを当てるべきだ。
「日本の村社会」に欠落しているのは理念、コアの部分は最後は「ウヤムヤ」にすること。