新聞もテレビも森会長辞任一色だ。
しかし、日本の岩盤にある「ムラ社会」の構造は形を変えて生き延びるだけだ。
「ムラ社会の癒着構造にまだ汚染されていない」立憲民主党を中心とする野党勢力が、政権交代をすれば新しいジェンダー社会が出現するだろう。納得いく形にはならないだろうが、今よりはましだ。
バイデン大統領は習近平国家主席と2時間にわたって電話会談をした。
バイデンは中国を「最も深刻な競争相手」と位置付けている。
一方習近平は「共にアジア太平洋地域の平和と安定を守るべきだ」と訴えたという。
この両者の主張から見えてくるものは、当面「軍事力による覇権争い」は行わないということだ。
単純な「貿易戦争」も行わなわないだろう。
そのかわりバイデンは、中国の不公正な経済慣行や香港・新疆ウイグルなどの人権侵害を追求する。
その手法はトランプの「アメリカファースト」と違って同盟国との連携を固める。
中国の戦国時代に、韓・魏・趙・燕・斉・楚の6国が南北に同盟して西の秦にあたる「合従策」を、バイデンが取る。
中国は今までのような傍若無人な振舞を少し抑えるだろう。
トランプよりバイデンのほうが、「民主主義」と「法の支配」を守ると読んでいるのだ。
下手に動くと孤立する危険性を察知したのではないか。
エドワード・ルトワック(アメリカCSISの元上級顧問)が語る、
「中国の場合は、尖閣について大騒ぎする割には何も起こさない。つまり軍事面では事態が動かないということであり、中国はただ騒ぐだけなのだ。
習近平は「尖閣は中国領だ」と言っておきながら、その実現のためにほとんど何もしないのだ。
そしてその責任を問われて政権を追われることもない。
中国国民は言葉についての責任の重さを、ロシア人ほど重視していないのだ」
中国が本気で仕掛けてこないからと言って、日本が何もしないことは相手に間違ったシグナルを送ることになる。
自国の防衛は自国で行うという意思を常に発しておくことが大事だ。
ルドワックは次のようにも言う、
日本が自国の安全保障をすべてアメリカに依存することから生じるマイナス面が明らかになる。
自国の小さな島すら自分で守れないこと、日本がこのような「独立的」な機能を持たないことが、むしろ日米関係を悪化させる方向に向かわせるからだ。
日本はアジアにたくさんの友達を持つ必要がある。(米中の競争が激化すればますます必要だ)
今や貿易相手国はアジアが50%を占める。
そのうちASEANとは15%だが、今後この地域とのウエイトは上がることがあっても下がることはない。
相互依存性と相互補完性を高めて新たな発展に向かうべきであろう。