行雲流水の如くに

貿易統計から世界経済の動きを読む

財務省が17日に発表した貿易統計によると、5月の輸出は前年同月比28.3%減の約4兆2千億円だった。

輸入の方も26.2%減の約5兆200億円だ。

リーマン以来の下落率と言うことだからかなり深刻だ。

 

地域別にみると、

米国    輸出5884億円   −50.6%    輸入5782億円  −27.5%

EU       3638億円   −33.8%      5752億円  −11.8%

アジア   2兆7449億円   −12.0%    2兆7391億円  −11.8%

中国    1兆1262億円   -1.9%     1兆5113億円  −2.0%

米国やEUの落ち込みに比べアジアや中国の落ち込みは少ない。

特に中国は前年同月比横ばいに近い。

やはりコロナ過を早期に抑え込んで、経済活動に重点を移している様子がうかがえる。

アメリカがここまで減少しているのは大部分が自動車だ。EUも同様。

 

今後どのような展開が考えられるか

当面、日本は中国やアジアと歩調を合わせて経済を立ち上げていかねばならないだろう

香港や台湾さらには尖閣問題とぎすぎすする問題があるが、これらは棚上げせざるを得ない。

中国もアメリカと覇権争いを続ける限り、日本はもっとも味方につけたい国だ。

王外相が米国を批判する会見の中で、「中日韓の助け合い」に言及している。

しかし米中が手を握れば日本は袖にされるはずだ。

この辺のかじ取りは難しい。

 

米国はトランプの迷走で経済の立ち上がりがまだ見えてこない

トヨタを中心とした自動車産業は今や日本の基幹産業だが、アメリカにどう向き合うか、難しい局面に立つ。

それなりに元気なうちに次世代産業のめどがつけられるか、真価が試される。

 

日本の経済再生は「所得格差」と「地域間格差」にざっくりとメスを入れなければじり貧になる

コロナ過が直撃したのは低賃金労働者層や中小事業者だ。

単なるバラマキで傷がいえるとも思えない。

結局後世の世代に多額の借金を残して終わる危険性は増加している。

 

アメリカも中国もその繁栄はピークに達し、いまや「無能レベル」に達したと言っていい。

日本の安倍政権も同様だ。

覇権を求め始めると際限がない。いつかは必ず崩壊する。


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コメント一覧

megii123
山崎豊子の「大地の子」を読んで感動した覚えがあります。
中国残留孤児の主人公がほぼ同年代で、それだけに身につまされました。

結局、どこの国にも良い人間と悪い人間はいるわけで、最初から決め打ちする必要はないですね。
文科系
 丹羽宇一郎氏は、1冊ですが読んだことがあります。古き良き日本人らしい商売人という感じで、確かに、対中国観に好感が持てました。また何か気付いたりしたことがあったら教えてください。
 彼は、名古屋市出身で、僕とおなじ名古屋大学の先輩、法学部です。僕の親友の1人にも、彼と同様に中国とずっと取引があって、あちらに友人が多数いて、今でも知恵を貸したりして、行き来もある同年齢の男がいますが、経済大国の隣国同士ではこれが自然ですよね。「欧米にすっかり荒らされて荒んだ近代を持つ中国人にも、ちゃんと付き合えば、良い人は一杯いる」と言いますね。
megii123
大筋でご意見に賛成です。
どうも今の保守論壇は初めに「嫌中」という観念があって、生の中国をまともに見ていません。
今必要なのは可能な限りいろいろな角度から中国を見ることだと思います。

米中のはざまにあって日本が取るべき道は、丹羽宇一郎氏が言うような道ではないかと思っています。
「日本が採るるべきは、量では中国に一歩譲りつつも、品性と精神、すなわち質で勝る道だ」
9vs9qvsq
 ここの今までのログで、今最も勉強になったという意味で、良いエントリーと読みました。経済論議はまず、「具体性」が最大資格として大事だと思うから。その上で、エントリーの具体性が今最も求められている数字の一つと考えるから。
 その上で、以下を指摘したい。

 寺島実郞が確かに、こう論じてきた。
「米中が手を握れば日本は袖にされるはずだ」
 が、これは寺島の限界。米国を見誤っている。米国は絶対にトゥキディデスの罠で中国に譲歩することはないと僕は観て来た。化け物みたいなネオコンの「マッチョ大国思想」に浸かりすぎて、冷戦終了時のソ連や、第二次大戦後に膨大な植民地を静かに明け渡した大英帝国とは全く違う道に入り込んでしまった国だ。

 さらに一言。中国は、アメリカと手を握っても日本を袖にすることはないと確信する。この国が、今大事にしている国連でイニシアティブをとって信用を得てこそ米よりも世界大国になれるという戦略の上でも、そのはずだ。

 僕は中国の全体主義的な部分が嫌いだが、具体的に言うと中国共産党の昔ながらの組織原則・民主集中制がやがてこの国をも誤らせると考えているが、今のアメリカよりは中国の方がはるかにましと考えている。アメリカやソ連のようには、革命の輸出はもうしないはずだとも思うからだ。
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