政治的公平を規定する放送法第4条に関する議論が、小西対高市の場外乱闘に発展してしまった。
もはやここまでくると実のある議論は期待できない。
しかし3月17日の外交防衛委員会での総務省山崎良志審議官の答弁で、この問題はケリがついている。
(政治的公平について)
一つ一つの番組の集合体である全体を見て判断する。極端な番組でも一つの番組でなく、番組全体を見て判断する。
ところが放送の現場では相変わらず政権与党に忖度した流れが続いている。
政権の意向を代弁する発言が多い政治ジャーナリストの田崎史郎氏やNHK出身の岩田明子氏などが出てくるわけは、
「最低でも一人は政府に近い人間を出しておこう、言葉は悪いけど、用心棒代りですよね」
なんとも情けない忖度ぶりだ。
小西議員は少しやりすぎたと思うが、身を挺して放送法第4条を守るために戦っている。
しかし放送局の幹部から聞こえてくるのは、見て見ぬふりの「狸寝発言」だ。
例えは悪いが、電車の優先席に座って居眠り風情。
現在も安倍派の議員を中心に「圧力路線」は続いている。
萩生田政調会長はしばしば、気に入らない発言をしたテレビ局の「番記者」を出入り禁止にしているという。
テレビ局は毅然とした姿勢で政権与党と対峙しなければ、報道の自由など絵に描いた餅になるだろう。