パワハラという言葉は日本にすっかり定着したようだ。
パワーハラスメントの略で、立場の強い者から弱い者への嫌がらせやいじめを言う。
しかし、定義が確立していない曖昧な言葉は、セクハラと同じで、「やった」、「やらない」の水掛け論に陥りやすい。
そこで最近は録音機能のある携帯などで言質を取るが、切り取りの可能性もあるから問題は残る。
いじめや嫌がらせなどという行為は、意識するとしないに関わらずそれなりに皆やっている。
脳科学者の中野信子氏によれば、
「いじめは本来人間に備わった機能による行為ゆえ、なくすことは難しい」
一方で人間には「これはやりすぎでは」と考えて自制する心もある。
ところがあるタイプの人間には、この自制するという「ブレーキ」の機能が壊れていて暴走してしまう。
兵庫県の斎藤元彦知事は、若いころから「パワハラ」で有名であったというから体質であろう。
部下に対してはパワハラをするが、上司や第三者に対してはそんな気質をおくびにも出さない。
「さわやかな」イメージを振りまくから実態を知らない人はみな騙される。
3年前の兵庫県知事選における自民党の分裂が、いまだに尾を引き事態を複雑にしている。
自民党が斉藤氏と前副知事を押す派に分裂、そこに維新が斉藤氏側についたので彼が当選した。
そんな経緯から維新的な政策が進められて兵庫県政は問題含みだった。
正義感の強い県民局長が内部告発して、大騒ぎになった。
パワハラ体質の知事は「厳しく叱責した」という。そして退職に追い込む。
ドラマの展開のように、県民局長は「死を持って抗議する」事態に至る。
これから県議会で100条委員会が開かれて事態の解明が進むだろう。
今の段階では何とも言えないが限りなく黒に近いのか。
斉藤知事は潔く身を引いた方が良い。
そのほうが兵庫県政が前向きに明るくなるだろう。