男子72キログラム級柔道で大野将平が金メダルを獲得した。
大野は、「正しく組んで正しく投げる」を信条に、「勝たんがための柔道」に堕することなく最後までその信条を貫き通した。
大野の自宅には、「粗野なれど卑にあらず」という額がかかっているという。
高校時代の恩師持田治也氏から贈られた。
「洗練されていなくてもいいし、失敗もいい。でもずるく生きるな。まっすぐ進めとの思いを込めた。将兵には小さくまとまって欲しくなかった」
ウソを常にはきつづけることにより、8年以上にわたってこの国の「倫理観」をズタズタにした二人の宰相の眼に「大野の死闘」はどう映っただろうか?
我が国には名もなき市井の人々の「こころざし」がまだ生きている。
北海道の雑木林に自生するオオウバユリ
「敵は自分の中にある」
「自分が何者なのかということを確かめるための五輪であった」
大野将兵は明らかに技術の世界から宗教の世界に足を踏み入れようとしている。
柳生宗矩は一人の弟子が自分の技の極意を習い覚えてしまったのを見るや、
「私の指南はこれまで。後は禅の教えに譲らねばならぬ」と言った。
つる薔薇(パーペチュアルユアーズ)
絶え間なく咲くバラという意味だろうか