行雲流水の如くに

万葉集の好きな歌を楽しむ

今日は新聞休刊日だ。

それで中西進編著の「万葉集の詩性(ポエジー)」を読む。

亀山郁夫さんの「万葉集とわたし」が読みやすかった。感性が似ているのかもしれない。

東(ひむがし)の野に炎(かぎろい)の立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ

柿本人麻呂が太陽暦で697年12月31日前後に阿騎野を訪れて詠んだ句

亀山さんは次のように言う、

「私たち読者は、何よりもの心構えとして、そうした天体と自然が織りなすドラマを前にした歌人の感動を、虚心に受け入れる心構えが欠かせない。いつもより少し早く起きだし、夜明け前の東の空をしばらく眺めわたすだけでいい」

 

2019,1,13(北海道石狩郡)

画面中央上部の星は金星?

 

万葉集の歌人たちと同時代人に空海がいる。西暦774年讃岐の有力一族の生まれだ。

四国の東南端室戸岬で空海は修業した。

谷響きを惜しまず、明星来影す。

空海は自然をありのままに見て、身体と世界が一体になった、のではないか?

 

コロナの騒ぎは東京都と北海道がなかなか収まらない。

特に東京は東京都知事選と絡めて落ち着かない。

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

 

大伴家持の次の歌も良い。

春の苑(その)紅(くれなゐ)にほう桃の花下照(したで)る道に出で立つ少女(おとめ)

 

ようやく芍薬の花が咲き始めた。

暫し無心に花を楽しもう。


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コメント一覧

megii123
生来丈夫なたちなのか大病もしたことがなく、この十数年来風邪も敷いておりません。
それで若干過信があるかもしれません。
少し考え直さないといけませんね。

陶潜(365~427)
これは想像ですが大伴旅人などは影響を受けているかもしれません。
当然平家物語や方丈記にも流れていると思います。
文科系
 高齢者検診は受けるべきです。僕の場合、これで発見した死病が二つあります。
 まず胃がんのほとんどの原因になるピロリ菌発見と、その除去。それで胃がん内視鏡を、実費も出して毎年やって来て、進度3の胃腺腫を発見。これは外っておくと胃がんになるもので、除去・検査手術をしました。
 不整脈が分かって、検査・観察をし続けてランナーを続けつつ、自分でも研究して「慢性心房細動になったら根治療法がある」と知った。事実そうなって即手術。今は不整脈さえなくなって、走れているわけです。この知識が無かった中高同級生友人は、僕の手術を知った時期が遅くなって、2回手術をしても治らず、薬で押さえる生活です。
 「死ぬまで自由」の度合いのために、受けるべきです。

 陶潜は、飲酒と帰去来辞を高校で習いました。飲酒は、今でも覚えています。漢文が好きだったんです。記憶を補いつつ今でも覚えているいくつかの内、もっともよく覚えているのが、「年々歳々花相似 歳々年々人不同」がある「白頭を悲しむ翁に代わる」。多分この歌だけが日本では特に有名だという、劉廷芝が作ったものです。多分、日本人の感性に合っていたのでしょうね。平家物語や方丈記のような感性?
megii123
酒の話と言えば、中国東晋の詩人陶潜の詩も好きですね。
「飲酒20首」などは草むしりしながら口ずさんでいます。

肝臓の数値が良いというのは何よりです。
私はこの5~6年健康診断を受けていません。
幸い病気らしい病気をしていないから今のところ良いのですが、
まとめてくるかもしれません。「なるようになるさ」の心境です。
文科系
 好きです。30歳前に椎間板ヘルニア手術をする前、痛み止めのように毎日飲む習慣ができてしまいました。でも、現役後半に、「一生のみたいから」ということで、週1~2日の休肝日をずっと取ったからか、今毎日飲んでいても肝臓関連血液数値は全て正常値です。
 夏のビールは別格として、一番好きなのが赤ワイン。あとは、ウイスキーを欠かしたことはありません。

 僕よりも若い親友二人を酒で亡くしているから、自ずから警戒心が高くなりました。1歳下の一人は肝臓がん。15歳ほど若いもう一方は食道がんでした。

 またまた、余分なことを言いましたね。おしゃべりが好きだと思ってください。
megii123
酒六首を暗記しているということは、当然酒が好きなんでしょうね。
私も毎日欠かしたことはありません。
もっとも缶ビール1本をかみさんと開ける程度です。

五首目の句も好きです。おおらかな万葉人の気持ちが伝わってきます。
文科系
楽しい会話ついでに、酒六首後5つを書きますね。

しるしなきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし
いにしえの七の賢しき人どももほりせしものは酒にしあるらし
賢しみと物いふよりは酒飲みて酔泣きするしまさりたるらし
(なかなかに人とあらずば)
あな醜く賢しらおすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る
今(この)の世にし楽しくあらば来む生には虫に鳥にもわれはなりなむ

 文字は今回調べましたが、これ全部暗記してます。歌の頭文字を取って「しいさなあこ」と唱えながら。ここ数年のことですが。
megii123
青年空海は、室戸岬の海岸近くの洞窟の中で修業をしていたようです。
太陽が昇る前、東の空にかぎろいがたちますが、上空はまだ暗く、明けの明星がはっきり見えて、真言を唱える空海の口の中に飛び込んできた、と言われています。
大正大学の元学長の星野秀則さんは次のように、
「言葉では説明できないが、空海としては明星が体内に入った。神や仏と一体になる世界は気持ちがいいものでしょう。できることではないが、それにあこがれる態度が現代に必要なのではないでしょうか」

ぜひ金星を発見していただきたいですね。ズームを+にすれば見えるかもしれません。

大伴旅人の酒の歌も好きです。
つい笑ってしまうのが次の歌です。
中々に人とあらずは酒壺に成りてしかも酒に染みなむ
文科系
 シャクヤクが今咲くのですね。
 空海のこの歌は凄くて、いー。何か悟ったときのことでしょうか。

「春の苑」の歌は初めて知ったけど、調べたら越前に赴いた時の家持の歌。大伴氏の旅人以来の衰退に、この「下照る・・・少女」は、色々思い、考えさせられた。

 万葉集で僕がずっとよく思い出すのは、これ。
『信濃道(じ)は今の墾道(はりみち)刈株(かりばね)に足踏ましなむ沓はけわが背』
 防人を歌ったようなのが好きなんでしょうか。漢詩でも「顔真卿の使して河隴に赴くを送る」とかは、高校時代からずっと覚えています。

 最近で他には、旅人の酒六首。「しいさなあこ」と覚えていて、それぞれ次の出だしの歌をいつも歌ってますね。
「しるしなきものを思わずは」
「いにしえの七の賢しきひとどもも」
「賢しみと物いふよりは」
「なかなかに人とあらずば」
「あな醜く賢しらおすと」
「今(この)の世にし楽しくあらば」
 このうち、1,3,5番めが結構有名ですよね。

 写真の金星が見えません。僕の目、7月初めに白内障の手術をするのですが。
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