死せる孔明生ける仲達を走らす
孔明が陝西省の五丈原で魏軍と対陣中に病死したので、蜀の軍隊は退却に移った。
それを見て魏将司馬仲達は直ちに蜀軍を追撃させた。
すると蜀軍は旗を返し、鼓を鳴らして仲達の軍を反撃しそうな気配を示した。
これを見た仲達は、孔明が生きていて何か深い謀があるのではないかとおそれをなし、追撃をやめて逃げ出したという故事。
安倍晋三を総大将とする安倍政権軍は、コロナに怯えて逃げ出すならまだしもドン・キホーテのように突進するのか?
「GOTOキャンペーン」をどうしても進めたいようだ。
経済効果をしっかり見極めて不退転の決意で進むならまだしも、前へ進めと号令をかけているのは家老職の菅義偉だ。
前線を任されたのは公明党の赤羽大臣。もともと闘いは不得手だからどうしてよいかわからない。
結局JTBなどの大手旅行業者に丸投げだ。
我が国のGDPの6割は個人消費である。
この部分が極端に落ち込まないようにするための第一の方策は、感染者の増大を抑えることだ。
感染者が減少傾向にあれば、黙っていても消費はするだろうし、旅行にも出かける。
政府が鉦や太鼓で旅行するよう煽るなどもってのほか。
感染の少ない地域圏でじわじわと実行すべきであった。
軒並み落ち込んでいる世界経済の中で、かろうじて前年比プラスを維持しているのは中国だ。
この種火を大事にして世界的恐慌に突入するのを防がなくてはならない。
米中激突などといって刀を振り回すのは、世界経済が安定してからにしてもらいたい。
今のような不安定な状況の中で、やたらと強気の発言を繰り返す人物は要注意だ。
だいたいこのような人間は、割り勘の勘定の時に居なくなるタイプだ。
軽躁なるものを勇猛と見る過ちを、武田信玄も厳に戒めている。
中国の周辺地域に対するやり方は決して褒められたものではない。
だからといってこちら側が同じレベルでいたずらに拳を上げることでもあるまい。
山川異域 風月同天 この言葉を双方がじっくり味わうべきだ。