国の統治に関わる人たちの世界観が、世界を知ったうえで作り上げられたものであるべき
生理学・進化生物学者 ジャレド・ダイアモンド
明治維新が曲がりなりにも成功したのは、維新を成し遂げた人々が異常とも思えるくらい当時の先進国である欧米に興味を持ったこと。
そして制度や科学技術を積極的に取り入れた。
伊藤博文は明治15年から1年間ほど、憲法調査のためドイツ・ベルギー・イギリス・フランスなどを回っている。
太平洋戦争の敗戦後、この国を担った政治家や経済人はこぞってアメリカ視察に出かけ、アメリカの持つ力を勉強し追い付こうとした。
そんな努力が花開いたのは池田勇人内閣(1960.7~64.11)のときだ。
今でも鮮明に覚えているのは「国民所得倍増計画」
日本は謙虚な姿勢で先進国から学ぼうとしたときは、官民一体となって努力して目覚ましい成果を上げる。
しかし次第にその成果に溺れて傲慢になり他国を見下ろすようになる。
その結果が無謀な太平洋戦争への突入であり、いまやコロナとの戦いに立ち往生して五輪に「バンザイ突撃」するかのようだ。
日本の政界や言論界の一部に、中国や韓国を見下ろして過激な発言をする人々がかなりいる。
さすがに経済界にはそんな夢想論”地に足がつかない”を述べる人はいないが,重大な転換点にあると危機感をあらわにしている人もいる。
経済同友会代表幹事だった小林善光氏「危機感無き茹でガエル日本」。
日本は再び「学びの時」に入るべきではないか。
旧年寒苦の梅 雨を得て一時に開く