最低賃金が低い水準に長年放置されると、その県からヒトが徐々に減っていく。(デービッド・アトキンソン)
最低賃金の高い東京へ人が集まるのは、カネや人は低きから高きへ流れるという自然の原理だ。
日本は国土も狭いし交通網が整備されている。だから東京1極集中を改めるには、最低賃金を全国一律にすべきだ。
今回の東京都知事選で、東京1極集中の弊害に関する議論がほとんど深堀されず、場外乱闘ばかりが目に付く。
肝心の小池知事は「三十六計逃げるに如かず」と音なしの構えだが、じわじわと足元が脅かされている。
選挙前に低所得層にお金をばら蒔くだけでは何の解決にもならないのだが。
最低賃金を全国一律でどう上げていくかは、やはり国政レベルの問題だ。
政府与党にやる気が無いのであれば、野党はもっと頑張らなければならない。
だらしないのは「連合」だ。
労働者のための組合が一部大企業の経営者のための組合に成り下がっている。
最低賃金を上げる時に問題になるのが、中小企業の経営者からそんなに上げたら経営できないという声だ。
しかし、概して末端の労働者の質は高い。そしてあまり文句も言わないで働く。
そんな状況に甘えて、一方では自民党のパーティ券を買う。
ビッグマックの値段は途上国並だ。
どうしてそんなに安いかというと人件費を削っているからだ。
人手不足というが、人を安く使おうとするからそうなる。
この国に必要なことは生産性を上げて賃金を上げることだ。