蛍のひとりごと

徒然に、心に浮かんでくる地唄のお話を、気ままに綴ってみるのも楽しそう、、、

表紙の裏ばなし・第三話(大切な楽器)

2005年03月14日 | 楽器のおはなし
HPの表紙を飾ってくれている楽器のお写真が二枚ございますが、そのひとつがこのお箏です。素晴らしい美人さんでございましょう?

このお箏とお三絃は、両方とも、私のお嫁入りの時に九州から一緒についてきてくれました。

お箏には『舌(ぜつ)』と呼ばれる装飾的な部分がございますが、真っ白な象牙に実家の家紋をあしらった金蒔絵が小さく入れられておりますので、この子のお名前は『かさねだか』と申します。

初めは、ふたり共お揃いの胴掛け(三絃の胴を包んでいる布)と口前袋(お箏の右端を包んでいる布)が着せられていたのですが、いつしかすっかり古びて、それに私の年恰好とも少しばかり不似合いな色柄になってもおりましたので、いつの頃からか違うものに取り替えられました。
若い頃からのほんとに長いお付合いです。

いろいろな方にさんざんお世話になりながら、それから後も、いろいろな楽器がMY FAMILYに加わって参りましたが、今でも、いざという時には舞台へ登場して頼もしく私を助けてくれます。ひとりの時には一番親しい遊び相手です。そういうワケで、HPの表紙では、私の代役を務めてくれているのです。大切な大切な宝物です。

楽器は、持ち主がいつも弾いて触って、調整を繰り返していくことで、その楽器の持っている本来の音色を湛えてくれるもの。とはいえ、三絃の皮貼りと、お箏の糸締めに関しては、腕のよい楽器屋さんに総てが託されております。私は、とても幸運なことに、当世一番の素晴らしい腕をお持ちの方々にそれらのお世話を引き受けて頂いておりますおかげで、本当にいつも気持ちよく弾かせて頂いております。有難く感謝いたしております。

すべからく、自分ひとりの力で出来ることなど何にもございません。
生かせて頂いていることの有難き哉。



今朝は何て良いお天気でしょう。
寝起きでボンヤリしている私には、ちょっぴり眩しすぎるような、、、。


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