蛍のひとりごと

徒然に、心に浮かんでくる地唄のお話を、気ままに綴ってみるのも楽しそう、、、

吉野の桜

2021年11月17日 | 地唄箏曲よもやま
11月17日は『吾妻鏡』によると義経の愛人 静御前が大和国吉野山で捕縛された日だそうです。

歌舞伎では有名な演目ですね。
静御前は出てきませんが、地唄にも吉野の桜を謡った曲がございます。

“吉野山 霞の奥は知らねども 見ゆるかぎりは 桜なりけり”

(文;仲井和)

お箏の楽譜について

2021年11月14日 | 地唄箏曲よもやま
本日の記事は、アッシュビルよりお届けします。

日本や海外でのイベントで演奏やワークショップを行うと、さまざまな質問をお受けします。
特に多いのがお箏の材質や楽譜についてです。

和楽器の楽譜は、五線譜とは全く異なります。

お箏の13本の弦には、それぞれ番号と名前が付いています。
一番遠いところから、漢字の番号で一から十。
11から13は、斗(と)、為(い)、巾(きん)という名前がついています。

楽譜にはいろいろな種類があり、流派によって異なる事があります。

私たちは通常、上から下、右から左に読むスタイルの楽譜を使用します。
(横書きや、左から右にめくる楽譜もあります)

写真の楽譜はお箏、十七絃、胡弓、三味線、尺八を組み合わせた合奏用の楽譜です。

箏と同様に、17弦の箏は漢字で一から十、11から17には数字の番号が付けられています。
小さな「オ」や「ヲ」は、左手で弦を押して半音や一音を上げる記号です。
他にも、さまざまなテクニックを指示する記号があります。

これらの楽譜は約80年前に作り始められたそうです。

それまでのお稽古はすべて口承で行われ、生徒は先生の演奏を聞いて、弾き方を見て覚えていたそうです。

他の写真の多くは、2015年クロアチアのザグレブ大学にてワークショップを行った時のものです。
クロアチア、スロベニアの演奏ツアーにつきましては、次のリンク先でご覧ください。
https://mionokaiinfo.jimdofree.com/workshop/

(文;三上)

In Japan as well as here in Asheville, when I playing koto at an event and workshop, I used to be asked questions about the sheet music.
How it looks like and how to read it.
It is completely different from the sheet music of the staff notation.
The 13 strings, a regular koto, have a number and a name on each string.
From the farthest, one to ten assigned number in Kanji. Eleven to thirteen has different name "斗To" "為 E" and "巾 Kin".
There are several different styles of sheet music. It depends on the school.
We usually use this style of the sheet music, which reads from top to bottom and from right to left.
The photo is an ensemble sheet music that combines 17-string base koto, kokyu, shamisen, and shakuhachi.
Like the koto, the 17-string base koto is numbered 1 to 10 in kanji and 11 to 17 in number.
The small "オ(O)" and "ヲ(WO)" are symbols that change the tone by pressing a string with left hand. There are other symbols that indicate different techniques.
These sheet music were developed about 80 years ago.
Until then, all lessons were verbal and students had to hear (see) and remember from the teacher.
The photos are at a workshop at the University of Zagreb in Croatia in 2015.
The link below is that reports.
https://mionokaiinfo.jimdofree.com/workshop/



指揮者っているんですか?

2021年10月31日 | 地唄箏曲よもやま
【English follows Japanese】
本日は、アッシュビルよりお届けします。

私たちにとっては普通のことなので
「指揮者なしにどうやって合奏するんですか?」
というご質問を受けて、改めて気がつきました。😱

確かに邦楽を演奏する際には指揮者がいません。
また、演奏の始まりや演奏中に、動作や音で合図したり、アイコンタクトを取ることもありません。

心を合わせ、間(ま)を感じて演奏致します。🥰

これは、昔のお箏、お三味線、琵琶の演奏家や作曲家のほとんどが目の見えない方達だったからかもしれません。

お合奏のお稽古では、演奏だけで無く、幕が上がる瞬間から降りるまでの一連の動作を練習することにも時間を費やしております。
幕が上がる瞬間から降りきるまでが一曲だとお習いしています。

ただし、オーケストラのコンサートマスター(通常は第一バイオリン)のように、
各パートにはリーダーがいます。 リーダーは「たて」と呼ばれています。
各パートは、たての方の音を聞きながら演奏し、たての方は他のパートの方と息を合わせて演奏していきます。

そのような観点から舞台を見られるのも興味深いかもしれませんね。

(文責:三上)

Posted from Asheville, North Carolina, USA.

It's normal for us, so when I was asked, "How do you perform without a conductor?", I was realized it.

There is no conductor when playing Japanese traditional music.
In addition, there is no action, sound, or eye contact at the start of the performance or during the performance.

Everyone foncusing on to feel the "Ma" (best timing) and play together.

This may be because most of the koto, shamisen, and biwa performers and composers in the past were blind.

Ensemble practice is not only playing music, but also we practice a series of movements from the moment the curtain rises to the moment it falls. We spend time to practice it. Our teacher though us that it is a music from the moment of the curtain rises to the end.

However, like an orchestra concertmaster (usually the first violin), each part has a leader. The leader is called "Tate".
Each part playing while listening to the sound of "Tate". And the each "Tate" playing in harmony with the other parts.

It may be interesting to see the performance from that perspective.

解説「道成寺抄」

2021年10月22日 | 地唄箏曲よもやま
美緒野会主宰 小野真由美のリサイタル「伝統芸能花ざんまい〜絲彩々〜」
開催に先立ち、一昨日よりリサイタルで演奏する曲目の解説を行っております。

本日は3曲目、「道成寺抄」
二世杵屋長五郎作曲 「新道成寺」
石川勾当作曲「新娘道成寺」についてご紹介いたします。

道成寺の安珍清姫のお話は、お能や歌舞伎でよく取り扱われる題材ですので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

紀州愛子(まなこ)の庄司の娘、清姫が、熊野詣の途中に毎年この家に宿泊する山伏の安珍に片思いをして、末は夫と思い染めるのですが、修行中の安珍は驚いて逃げ出してしまいます。悲しみと怒りに身悶えする清姫は、日高川を渡って逃げた安珍の後を、自らは大蛇になって追いかけ、道成寺の鐘の中に隠れた安珍を焼き殺してしまう清姫のお話でございます。

地唄ですけど、どこか地唄でないような、従来のワクを超えたパフォーマンスに挑戦させていただきます。

🌸🌸🌸
小野真由美リサイタル
伝統芸能花ざんまい〜絲彩々〜

👇詳細は下記をご確認ください😊
https://fb.me/e/1hXCMfC6N

✨満席御礼申し上げます✨
ライブ配信(無料)いたします。
👇のYouTubeサイトにてご視聴ください❗️
https://youtu.be/-BhG9JFqn-o
※開演時間から24時間ご視聴いただけます。

(文責:永山)

解説「乱輪舌」

2021年10月21日 | 地唄箏曲よもやま
美緒野会主宰 小野真由美のリサイタル「伝統芸能花ざんまい〜絲彩々〜」
開催に先立ち、昨日よりリサイタルで演奏する曲目の解説を行っております。

本日は2曲目、生田検校/山口巌検校作曲 乱輪舌についてご紹介いたします。

「乱輪舌」「みだれ」「みだれ輪舌」いろいろな呼ばれ方をするこの曲ですが、どう書いていても同じ曲です。

従来、この曲の三絃には替手がございませんが、今回は京都の山口巌検校が大正時代の終わりごろに作曲し、検校様の愛弟子であられた山口琴栄先生が校閲なさって公刊された楽譜より、三絃本手替手でお送りします。
滅多に演奏されることがございませんので、今回が最後になるかもしれません。

九州系の小野に対して、菊央先生は関西系。
あえて別タイプの奏法でセッションさせていただきます。

また、小野が当日使用する三絃は「のべ棹」と呼ばれるものでございます。
三絃の多くは、通常「三つ折」と言いまして、本体が三つに分解できるようになっております。
対して「のべ棹」は、途中に継ぎ目のない三絃のことで、珍しいものです。
つなぎ目がないため、音の鳴りがたいへん優れていると言われています。

二大流派の音色の違い、のべ棹の音の美しさ、お感じいただければ幸いでございます。

🌸🌸🌸
小野真由美リサイタル
伝統芸能花ざんまい〜絲彩々〜

👇詳細は下記をご確認ください😊
https://fb.me/e/1hXCMfC6N

✨満席御礼申し上げます✨
ライブ配信(無料)いたします。
👇のYouTubeサイトにてご視聴ください❗️
https://youtu.be/-BhG9JFqn-o
※開演時間から24時間ご視聴いただけます。

(文責:金田)