分離脳者の右脳の視覚野にだけ視覚情報が行く状態で、右脳の視覚野にコップを差し出すと、右脳の視覚野や運動野が関与した左手でコップを取る。
その時、「何を見ましたか何を受け取りましたか」と尋ねると、「何も見ていない、何も受け取っていない」と応える。
このような随意運動は、本人の自己意識(言語脳のある左脳)とは関係なく行われる。
自動症のてんかん発作がある女性患者は、自動症のてんかん発作中には自己意識の関与なしに服を身につけることができる。
つまり、てんかん発作中は記憶(何をしているかの意識的自覚)が途絶えているが、日常生活は進行している。
上の文章は、「脳科学の壁」(by榊原洋一from講談社+α新書)から抜粋引用して、それを私なりに書き換えたものである。