"「脳科学」の壁"(脳機能イメージングで何が分かったのか)by榊原洋一from講談社プラスアルファ新書
この著書は、私の独断と偏見では、
「川島隆太」(fromWikipedia)医学博士の提唱する、「著書の中で音読・単純計算が脳を鍛える」「10分から20分ほど継続的に読み・書き・計算を反復学習することによって、非薬物療法として、認知症患者の脳の再活性化を促し、脳機能の改善、回復を促すという理論」への反論、批判であるように思える。
これは主に、その理論展開の方法、実験方法のずさんさなどへの批判である。
それを読んでいると、榊原洋一博士の反論にはなるほどと頷ける。
しかし、だがしかしである、「音読や単純計算が脳を鍛える」という事実は間違いないのではないかとも思える。
ただ、そこへ至る方法論は、科学者としていただけないお粗末さがあるのも事実である。
科学者向けの論理展開と、一般素人向けの論理展開は、違っても良いのではないかと私には思える。
つまり、「民間療法」には科学的根拠がない場合が多い。民間療法に必要なのは、治癒するという事実の積み重ねである。
ということで、「音読や単純計算が脳を鍛える」を「民間療法」と見なせば、と思う。しかし、科学者が正当な科学的根拠だとして、お粗末な実証を提示するという部分については、批判すべきであろう。