「神経回路網」の変化とは、主に1)「シナプス」の増減であり、2)「軸索」による配線の増減である。
軸索や樹状突起が、損傷したり変性した場合には、トカゲの尻尾のように、発芽して新たに再生する。
つまり、神経回路網は再生する。
脳損傷によって生じた、運動や言語の麻痺が、次第に回復するのは、損傷部位の周囲にあるニューロンが発芽して新たな回路網が作られるためである。
発芽によって新たなシナプスが形成されることをシナプス発芽という。学習や環境変化によってもシナプス発芽が生じる。
軸索の伸長やシナプスの形成は、学習や経験により促進される。
「心の宇宙〈6〉脳の情報表現をみる (学術選書)」(by櫻井芳雄from京都大学学術出版会)から抜粋引用。
内容(引用fromアマゾン)
心は、人間ならば誰でも持っているものでありながらその正体は謎に満ちている。その「心」を脳の情報表現としてとらえると、何が見えてくるだろうか。近年、研究の進展が著しいブレイン‐マシン・インターフェイスの最新の動向や、ニューロンとその回路網の活動を記録し解析する研究など、緻密な実験に基づいて脳内現象を解明する。脳科学の将来には、どんな可能性が待っているのか、謎が謎を呼ぶ研究の醍醐味への招待状。
著者略歴(引用fromアマゾン)
櫻井 芳雄
京都大学大学院文学研究科心理学研究室教授。科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業研究代表者。医学博士。1953年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中途退学。広島大学助手、富山医科薬科大学助教授、Johns Hopkins大学客員助教授、科学技術振興機構研究員(兼任)、京都大学霊長類研究所助教授、生理学研究所客員助教授(併任)を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)