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「シャドウ」は【ファイナルファンタジー6】に登場する暗殺者である。
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黒頭巾で素顔を隠し、その素顔を見た者は誰もいない。
傍らに愛犬・インターセプターを連れ、
報酬次第でどんな汚れ仕事も請け負う暗殺者。
戦闘キャラとしては、歴代FFシリーズの「忍者」のようなポジションで、
「なげる」は大ダメージが期待できる優秀な固有コマンドである。
今回は、シャドウにスポットを当て、その物語を追ってみる。
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シャドウは、本名を「クライド」といった。
クライドは相棒のビリーと一緒に、列車強盗をして大金を稼ぐ生活を送っていた。
二人は息のあったコンビであった。
ビリーの提案でコンビ名を「シャドウ」として、クライドは楽しく生きていた。
しかし、その生活は長くは続かなかった。
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ある日の仕事で、ドジを踏んだビリーが重傷を負ってしまい、
追っ手に追いつかれるのも時間の問題、という絶望的な状況に陥ってしまう。
ビリーはクライドに、自分を殺してくれ、と頼む。
捕まって酷い目にあうよりは、いっそ親友の手で楽にしてくれ、
とのことだった。
クライドは自分の手で親友を殺さなければならないという状況に
どうしようもない恐れを抱いた。
あんなに楽しかった生活が、今は遥か昔のことのように感じられる。
ともに笑っていた親友が、今は自分を殺してくれと嘆願している。
追い詰められたクライドは、最悪の行動をとる。
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親友・ビリーにとどめを刺すこともなく、
かといって、あきらめずに親友をかついで共に逃げるということもせず、
自分だけ逃げたのだった。
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無我夢中で逃げてきたクライドは、「サマサ」という村に辿り着いた。
そこで、ある女性に介抱されて一命を取り留めたのだった。
クライドと女性は、やがて恋におち、一人の娘をもうける。
娘の名は「リルム」とつけられた。
列車強盗をしていた頃とは別の種類の幸せな生活が待っているかのようだった。
しかし、クライドはビリーを見捨てた自責の念から、
自分が幸せな生活を送ることを許すことはできなかった。
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やがて、クライドは妻と娘を残し、サマサの村を飛び出した。
自分は幸せな生活を送ることは許されない。
自分が生きる場所は修羅の道である、と。
クライドは単身、村を出るつもりだったが、
妻の愛犬・インターセプターが彼についてきた。
こうして、クライドはかつてのビリーとのコンビ名「シャドウ」を名乗り、
暗殺者として修羅の人生を生きることとなった。
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サマサ村を出てから十年近くの月日が流れた。
暗殺者として生きるシャドウ(クライド改め)は、闇の世界で着実に
名を広めていた。
「金のためなら親友でも殺しかねない暗殺者」という悪名は、
おそらくシャドウが自ら広めたのだろう。
シャドウは、いまだに親友・ビリーを見捨てたことを悔いていた。
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「いつでも死神に追われている」
それは、シャドウが常にまとっている感覚である。
毎日のように、あの日の悪夢をみた。
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ある仕事で知り合った、ティナという女性は
帝国の人格矯正により感情が多少欠落した女性だった。
そのことで悩むティナに、シャドウは
「感情を捨てて生きようとする人間もいる」
と、多少の自虐を込めてつぶやく。
「答は自分で見つけるもの」
修羅の道の果てに、シャドウはどのような答を見つけるのだろうか。
後編へ続く
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