初日、第2講はad:techらしいセッションだった。
広告主、広告会社、メディア、それぞれの代表がパネラーとなり次世代広告について語るものである。
わが国のカンファレンスではあまり見られない、言わばぶっちゃけトークが炸裂する。
Keynote Panelist:
Mike Amour, Chairman & Chief Executive Officer, Grey Global Group
Lisa Hillenbrand, Harley Proctor Marketing Director, Procter & Gamble
Ken Mandel, Vice President and Managing Director, Yahoo! SEA
MODERATOR:
David Tiltman, Editor, Digital Media
モデレータ、ディビットさんの問題提起からはじまった。
「消費者は、一日のうちに多くの時間を費やしている。
しかしそれにもかかわらず、オンラインメディア投下予算は圧倒的に少ない。」
現代の消費者生活時間に言及。
一日のなかで3~4時間はSNSなどのオンラインに時間をあてているとした。
その問いに対しP&Gリサ女史は、事例をあげて説明した。
P&G社としてはマーケティングを始めるにあたって、ターゲットの属性をまずよく理解する。
普段の行動をきちんと理解することが一番重要だとした。
生理用品のプロモーション企画立案において、ターゲットはティーンの少女たち。
今までは雑誌など女性の生活情報を得ているとしていたという。
しかし、トライアルとしてオンライン上にBeing Girlを開設した。
彼女たちの中に浮き上がるさまざまな女性特有の疑問(生理などに関する)を解決する場とする狙いである。
その結果、さまざまな事柄が浮き上がってきたという。
女性から多かった質問が、生理のとき海水浴をしていると鮫を呼んでしまうのではないかという不安だった。
これは予想外であったという。
YAHOO!でも同じ質問があり、その中で別の消費者が
P&Gのサイトを実際に勧めているのが見られたという。
女史は、まとめとして、「ティーンからの信頼を得られるサイトを開設できたことは、マーケティング上、大きな効果を得られることとなるはず」とした。
P&Gはまた、おむつ(パンパース)のプロモーションをする時に
さまざまな調査を行ったのだが、
その結果、リサーチをかけたら、ターゲットである母親層という
のは赤ちゃんの子育てにおいて、授乳にいちばん興味があることが
わかった。
”授乳”というキーワードがおむつマーケティングに効果があるということである。
これはきちんと代理店を使ってリサーチをし、ストラテジーを構築したことが寄与している。
また、ターゲットにささるキーワードをみつけたら、その時に受け皿となるコンテンツやコマーシャルなどを使って、(ランディングページ)広めていく構造になっていることも非常に重要なことであるとした。
一方、yahoo!のケン・マンデル氏はDUNKINドーナツのタイアップ事例の力説した後がユニークである。
広告会社グレイ、マイクさんが突然、独自のバズ論を語り、会場は最高潮に盛り上がった。
彼によると、バズを成功させるにはSEXに例えてみるといいという。
未経験の若者は、SEXはいいものだ、いいものだ、と周りから聞く
そしてどうしても「やってみたい」という動機が強くなる
期待して、「実際やってみると」たいしたことは無い。
そこには現実とのギャップがある。
それはまるで、マーケターがデジタル広告を
「やらなきゃ、やらなきゃ」と思ってやってみるがうまくいかない、
という状況に似ている。
何度も繰り返し「やってみる」ことでだんだんよくなる。
広告会社のマイクが独自の比喩を語ったところ
Yahoo!のケンさんが口をはさんだ。
「ちゃんと女性からフィードバックをもらわないと
うまくならないところまで似ているね」(笑)。
「代理店がいいアイデアをだすのに、一番おいしいところ
を持っていくのは媒体社なんだよね(笑)」
と、マイクは苦笑した。
最後に、モデレータは次のようにまとめた
ブランドと消費者のコミュニケーション方法が完全に変わった。
今は消費者が自分たちの声を表明するようになった。
これは、マーケッターたちにとっては非常に怖いことなのだが、
恐れずに、消費者の意見に素直になり、
彼らとつつみ隠さず対話していくことが大事である。
消費者は素直な企業からのメッセージを伝えてあげれば、
いいバイラルを起こしてくれるものなのである。
stand behind your brand!もっと自分のブランドに自信を持って!