
先日、子どもたちの学校で「学習発表会」がありました。
2年生の次男を観てから4年生の長男のところへ。
4年生は体育館で「十才のちかい」と銘打った1/2成人式が行われました。
大勢の子どもたちがステージ上に順序よく座り、上りきれない子達はステージの前でも数列の列をつくり、左右にも広がって並んで座っています。
一人ずつその場で立って夢を発表します。
薄暗い館内。静かに流れるBGM。
初めに発表する子と次の子が立ち上がります。
墨で将来の夢を書いた半紙を画用紙に貼って、それを半分に折って中を隠し、発表する子はステージ下の保護者席に向かって勢いよくバーンと広げ、胸を張って体育館中に響き渡るくらいの大きな声で、力強く夢を叫びます。
「パテシェになりたいです!!!」
「科学者になりたーい!!!」
開始後数分してから長男が立ち上がりました。
前の子が発表を終え、座り、いよいよ長男の番です。
「野球選手になってみせる!!!」
「~みせる!!!」という言い方をしていた子は何人もいたので、恐らく先生からのアドバイスのひとつとしてあった言い方なのでしょう。
1年生の頃から知っているお友達や近所の子達は男女問わずに何人もいます。
よく知っている子であればあるほど感慨深いものがありました。
ある男の子。
長男と毎日喧嘩して毎日仲直りをしている男の子。
彼はサッカー少年でした。
うちは今の少年野球チームに所属するまでは地域のスポーツ少年団に入っていました。
「一緒に野球やんない?」
その子のお父さんが子どもの頃に入っていたスポーツ少年団だったこともあり、3年生の時には二人は同じスポーツ少年団で野球をしていました。
諸事情があり、うちはそこを離れて今のチームに入ることになりました。
何ヵ月かして彼も退団。
彼はその後どこのチームにも属していません。
私は巻き込んでしまったという自責の念があり、退団が正式に決まるまではお母さんと顔を会わす度に一生懸命話を聞いていました。
公園で彼からも何度か私に話してきました。
子どもなりの苦しみがひしひしと伝わり、心が締め付けられる思いでした。
もしかしたら彼は野球が嫌になってサッカーに戻るかな?と思っていました。
もちろん、戻っていいと思います。
本人がやりたいことをやれるのが一番いいと思います。
ただ、せめて、野球を嫌いにならないでいてくれたらいいなとも思っていました。
その彼が立ち上がります。
画用紙を広げてバーンと広い空間に向けて突き出し、一呼吸おいてゆっくりと叫びました。
「野球選手になりたいです!!!」
意表をつかれました。
実は子どもたちが入場して薄暗くなった時から涙ピンチでした。
手のツボを押してみたり、このあと職場の人達とするランチのメニューを想像してみたり、車の中で聴くCDを考えるなどして、なんとかギリギリのところで涙をこらえてきましたがもうダメです。
溢れる涙が止まりません。
私、よその子で泣いてます。
自分の子では泣いていないのに、よそのお子さんでぼろっぼろに泣いてます。
はっと我に返り、薄暗い場内全体を見渡してみました。
…誰も泣いていません。
それなのに、大変です。止まらなくなりそうです。
私、しゃくりあげそうです。
でも、必死でこらえています。
全力でハナをすすりたいです。
それも必死にこらえています。
小刻みに震えながらハンカチを握りしめています。
あぁ…またやっちゃった(-_-;)
強いて言えば、途中からポンと私の隣に座られた方が、私のをもらってハンカチで目頭を押さえていらっしゃるくらいです。
はぁ…私も叫びたい。
ステージ上から「脱おっちょこちょい」と書いた半紙を広げて叫びたい。
あぁ叫びたい。
「スマートなママンになりたーい!!!」
二年後の次男の時までには絶対にそつのないママンになってみせるっ(>_<)
(ちっちゃな声で)ムリムリ…(-_-)
はぁ……。