Kamu Number Theoryと相似象

英文サイト. Kamu Number Theory では言及しない相似象のことなどはこちらで。

(その1)-5〜8 量子コンピューター思想をKamu Number Theoryから見る

2019-12-15 14:06:41 | 量子コンピューター
量子コンピューターという思想(その2)-5〜8

(その2)-5,正反共役関係にある
       2つのタイプのコンピューター


量子コンピューターと従来型コンピューターとの違いをKamu Number Theoryの立場で簡單に整理しておきたいと思います。

同じチューリングマシンであるけれど、古典コンピューターと量子コンピューターとは、相互に「正と反のペアー」という関係にあるものです。この「ペアーという関係」は、後々重要になることなので、しっかり強調しておきます。両者は「正・反のペアー」だからこそ相補的、共役的なものであるのですが、このことも改めて確認しておきたいと思います。

従来型パソコンもしくは各種スーパーコンピューターを「帰納系ノイマン並列型コンピューター」とでも今は表現しておきたいと思います。そして、量子コンピューターをKamu Number Theoryの立場で見れば「演繹系遺伝的準粒子並行型コンピューター」となります。

少々ながい名称となりもっと簡約にできればいいのですが、しばらくは我慢してください。演繹論理系、遺伝的、準粒子、並行型、と並べましたが、特に「並列型と並行型」は大事なところです。

そして、聞きおぼえのない「準粒子」という名称もでてきます。おそらく多くの人になじみのない「準粒子」を簡単に説明をしておきましょう。準粒子は「量子のようなもの」という定義のもので、もともと極めて曖昧な定義をされているものです。これをKamu Number Theoryでは「量子及び量子のようなもの」と更に拡大解釈、若しくは拡大定義をいたします。

準粒子の定義の拡張には当然異論が出ることでしょう、量子重ね合わせの問題から離れすぎるという議論もあることと思います。この辺の問題は今後少しずつKamu Number Theoryから説明を加えて参ります。時に私は拡張された準粒子を「正反準粒子」という言葉で呼ぶこともあります。

今のところ、原子より小さいものから細胞まで、通常より幅の広い準粒子をイメージして頂くだけで次に進みたいと思います。

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(その1)-6,準粒子の知性

単細胞の知性が明らかになるにつれ、粘菌が極めて効率的にモンスター級計算困難最適解を導き出すことが解ってきました。

これはスーパーコンピュータで計算するには膨大な時間がかかり、場合によっては計算を断念するほどの困難なモンスターである。一方、ウイルスの内部で情報処理系、若しくはチューリングマシンが働いていることは確かなことである。関連することとして、DNAコンピューターが超並行計算が可能であるというアイデアが研究される段階になっている。

”QuBrainコラボレーションを開始します”というメッセージが発信しているものは,これら全てを量子コンピューターにつなげようというもの。QuBrainとは、量子物理学、分子生物学、生化学、コロイド科学、行動神経科学にまたがる科学者の国際チームで構成されるプロジェクトで、2017年にスタートしています。これは、「脳=準粒子ネットワーク」が量子コンピューターであるかどうかに答える明確な実験的証拠を求める研究なのだそうです。

ウイルスといい単細胞といい、これら準粒子は物質と生命質の境界領域に存在するものとして考えられたものです。ところが、これらが何らかの「知性」或いは「生存志向性」とでもいうべき高度な情報処理を行っているのです。

現在理論的に量子コンピューターが得意とする領域は「モンスター最適解のアルゴリズム」で動作する領域である。実用的な最適解を導くことは、単細胞などから得られた知見では、量子コンピューターの存在価値を主張出来る世界らしい。

つまり、量子コンピューターの存在價値は「生命と知性」を守ることに特化した領域にあると考えることが出来ると思う。これは、現在300以上ある量子コンピューター用アルゴリズムにも反映されているようである。

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(その1)-7、潜象・虚数・エレクトロンホール

「潜象」というあまり聞き覚えのない言葉を使いました。このことを少しだけ説明しておきましょう。

なにしろこの説明は容易ではないものなので、具体的な例から見るのがいいと思います。準粒子の1つの例として定義された素粒子の「空孔・電子ホール」は「潜象系量子」です。Kamu Number Theoryではこれを「Awa」と呼んでいるものであり、一方「現象系粒子」の電子のことは「Sanuki」と呼びます。

ディラックが理論的に発見した電子の反粒子が空孔であり潜象系量子なのです。このエレクトロンホールを準粒子として、その存在を認めようという機運が最近になって明瞭にった、というのが「準粒子概念」が現れた裏舞台です。

これはかつて「虚数」が辿った道だったのです。潜象系の数である「虚数」は数百年間その存在を「公式」には認められなかったのでした。同じことがエレクトロンホールでも起きていたのです、そしてこれを「虚の素粒子=準粒子=潜象系粒子」として認めようということになったのです。

お断りしておきますが、潜象と言う概念は現在の科学の世界で通用しているわけではありません。潜象という概念が広く認められるまでには、まだElectron Holeより長い道のりが待っているのかも知れません。

「潜象」という概念は、 D ドイチ の理論を紹介するところで「平行宇宙」と重ね合わせて説明する予定です。ドイチは量子コンピューターの理論を確立し、最初のアルゴリズムを生み出した科学者です。

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(その1)-8,演繹アルゴリズムそして直感論理

スパーコンピューターの限界を考えるのにはアルゴリズムの論理構造からみると手っ取り早い。

帰納法は基本的に並列分散型である、これはデイープラーニングで活躍しているGPUの論理形式と一致している。
GPUのようなホームスーパーコンピュータは並列に並んだ情報を分散させて並列な帰納法処理をすることで高速化が実現する。
従って、スーパーコンピュータの分散型並列アルゴリズムは帰納法そのものと言うことが出来る。

一方、演繹法は単列型の推論形式を持っているように見える。
実際、論理学関係のサイトを見ると、一本の論証の流れとして図解するものがほとんどである。

ところが、これは外見上のことで、じつは前提となる命題と結び合わされないと成立しない論証形式なのです。
前提となる命題はどこから来るか、といえば「センサー」そして「知覚」や「想像力」などから入力された情報を処理した結果からであろう。

直感は論理若しくは論証から独立したもののようにみえますが、そうではありません。直感も立派な論理構造を持っています。
その構造とは、直感が演繹論理を誘発し誘導するというものです。
ここでは「直感」について深入りは避けますが、この直感こそ「準粒子の知性」と相似性を持つものなのです。

演繹はそれ自体で独立して存在するのではなく、準粒子の直感論理と結びついて初めて演繹論理としてアクティブになるのです。
こうして成立した「直感+演繹」論理システムは量子コンピューターの平行アルゴリズムであると言えましょう。


「演繹系遺伝的準粒子並行型コンピューター」という長い名称を量子コンピューターに対して用いた理由は、簡単ですが一応説明できたと思います。

今後、詳しいことは必要に応じて加えたいと思います。

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(その1)1〜4へ

次回、量子コンピューターという思想(その2)、では、ファインマン、ペンローズ、ドイチ、3人の科学者の系譜から量子コンピューターの未來を考えたいと思っています。

量子コンピューターという思想(その3)では「直感」について「潜象」という方法で「準粒子モデル」がどのように量子コンピューターを構造化しているかを導き出したいと思います。

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