Kamu Number Theoryと相似象

英文サイト. Kamu Number Theory では言及しない相似象のことなどはこちらで。

4-3-3・時空の双対性理論(1)トキトコロ入れ子構造互換重合時空量子

2022-08-02 15:36:07 | 量子コンピューター

量子コンピューターという思想(その4)万物は情報である─ドイチの万物の量子コンピューター
4-3・光子が開く潜象世界(3)

4-3-3・時空の双対性理論(トキトコロ入れ子構造互換重合時空量子)

Ⅰ,平行宇宙時空の前駆状態と球感覚


1、トキトコロ時空と特殊相対性理論

◇添字記法 Toki・Tokoro の説明
平行宇宙方程式の中の添字記法 ” Toki・Tokoro ” の説明をいたします。時空が人間生活の単なる「外界」として存在するものではなく、〈トキトコロ時空)が「素粒子生成量子」として現れる様子を目の当たりにすることと思います。その時、本当の時空がどんなものか、目を見張ることになると思います。

◇宇宙全体の調和
トキトコロ時空の前駆現象の見地から宇宙を眺めると、宇宙全体の調和というものがどのようにして成立しているかが解ってきます。ここからは相対性理論が抱えている困難がどのようなものかという問題も見えてきます。

◇非ユークリッド空間
まず、経験的に知っている時空は時計と物差しのあるユークリッド時空と言っていいでしょう。私達は日常的に時空を「ユークリッド空間+時計」という形で生活の中に取り入れています。ところが、次に述べる共形幾何学ではこのような日常的なユークリッド幾何時空の常識は通用しません。(一般相対論が革命的だったのは非ユークリッド空間を時空として提起したからでした)

◇アインシュタインのフィジカルイメージ
特殊相対性理論は日常生活に親密なユークリッド空間内に設定された2つの座標系の相対性を前提として組み立てられています。少なくともアインシュタインのフィジカルイメージに従えばそうなっています。ユークリッド座標系が存在するという前提から「同時性」「固有時」「光速度一定」という議論に到達しているのです。

◇現象の前駆状態
ところが〈トキトコロ〉は座標系が生まれる以前の「現象の前駆状態」を前提として考えられたものです。平行宇宙方程式のなかで添字記法として〈Toki・Tokoro〉と表記されているのは「前駆時空」という意味合いです。前駆時空は次第に成長して座標系を持つ時空へと遷移するのです。つまり、時空の前駆状態を特殊相対論は暗黙のうちにパスしていることになります。時空は ”すでにそこにあるもの” というのが相対論の前提です。

◇空間の物性
特殊相対論が有効なのは、あくまでも座標系を設定出来る世界だけの原理なのです。「距離」とは空間に散在する物体と物体との関係によって「仮に人間が決めた」ものにすぎず、空間そのモノの「物性」を決定してはいないのです。

◇固有時間は絶対時間の修正版
特殊相対性理論に於て「固有時」といって居るものも、物体に附随する「固有座標系」に於る時間的距離、物体に「つきまとう」固有の時間。つまり、物体によってそれぞれの固有の時間があるといふ考へ方で、これはニュートンの絶対時間の概念を固有座標にあわせて修正したものに過ぎないのです。

◇人間原理
特殊相対論の原理は測定可能な世界だけに限定されるということです。それは標準化された座標系を共有する人間世界だけに通用する「同時性」であり、いわば「人間原理」として考えられたものなのです。




2,宇宙大航海時代の球感覚

◇球感覚
平行宇宙方程式の添字として登場した〈トキtoki ⊕ tokoroトコロ〉を説明するに当たって、「球体感覚」もしくは「360°球感覚」について考えておきたいと思います。この球感覚は「重力」の問題点を考える上で予備的に必要な事柄です。

◇共形幾何学
このブログでは、大航海時代に球面を平面に写し変える共形幾何学と遠洋航海技術などを見てきました。これは古代、船乗りが大洋で体得した当時の最新技術でした。日常慣れ親しんだものとは別の時空世界が知られていたことを、このブログでは ”ペンローズの宇宙大航海時代の羅針盤” で記しました。”1569年にメルカトルによって「平面地球図」が描かれた、球面を平面に変換する世界最初の共形幾何学の登場である” 。つまり船乗りは「共形幾何学」という大航海に必須の特殊技術を永い経験から編み出し、これによってユークリッド空間の日常世界を超えていたのです。(§5、重力は人間原理から生まれた・球感覚について)

◇星辰宇宙的・体覚的
古来、西洋とともに東洋の遠洋航海を成功させた船乗りは、この特殊技術を王様といえども明かさず秘密にしていたとか。こうして長い間に積み上げられ、16世紀にメルカトルが数学として整備した世界が「球体感覚」若しくは「球感覚」と言われるものです。地球を「360°球体」として「星辰宇宙的」に、そして「体覚的→直感的」に認識すること、つまり「共形幾何学的球体感覚」を技術として自覚することによって遠洋航海は成功できたのです。

◇360°球体という思想
なお、非ユークリッド空間を含むリーマン幾何学の上に成立している一般相対性理論の空間感覚についての注意です。曲率を持ったリーマン空間は”360°全球体感覚”とは異なるものだということはご理解いただきたいと思います。特殊相対性理論における空間感覚は「360°球体感覚」とは異質であり、これが重力思想を生み出したのです。(§5、重力は人間原理から生まれた・球感覚について2,§6、引力と斥力そして第三の超遠隔作用系の2つの力・球感覚について3)
量子コンピューターという思想(その3)万物は回転する ペンローズの宇宙大航海時代の羅針盤(その3)- 5




3、時空の前駆状態は5段階の入れ子構造


◇前駆時空と虚数世界
時空の現象前駆をごく簡潔に表現すると、座標を設定しない、若しくは座標の存在しない時空を考えるということです。これは実在しない抽象的な時空ではなく、「潜象」世界と「現象」世界との境界領域という意味になります。これまで述べてきた「虚数世界=Kamu次元が虚数D√-1」というものがこれに該当するわけです。そして、自然数より虚数が先に発生したという、これまでの常識を超えた”数と時空の ” MaKa平行宇宙観 ” なのです。

◇ウィグナーの設問(虚数を仮定してこれほどうまくいくのは何故?)
このブログでは、「潜象」世界と「現象」世界との融合を複素数と呼んでいます。これが、ウィグナーの設問への回答だったわけです。(この後 §12でウィグナーについて触れることにします)ところが、時空の現象前駆状態には後に説明するKamu次元D1からD4までの前駆状態があります。虚数次元D√-1(Diとも印ます)を加えると『前駆状態は5段階』ある、ということになります。

◇Kamu次元D5から現象世界が始まる
これは「光の速さ(速度)は5段階可変」と深く関わる前駆状態になります。前駆光子が観測可能な光量子になるまでの変遷過程と同期するものです。この5段階は時空において観測可能な尺度形成や時計になるまでの前駆過程に相当します。つまり、「Kamu次元D5」以降が観測可能な「現象世界」ということになります。

◇5段階の入れ子構造
さらに、この前駆5段階は全て時空の遺伝的相似関係でつながっています、遷移しても時空は時空として物性が変化することなく現れます。Kamu次元D√-1時空はD1次元時空の中に、同じようにD5時空(これが座標時空になる)にはD4時空が包み込まれているのです。丁度どこまで開いても時空には違いないというのが「前駆時空」の入れ子構造に見られる特徴です。

◇時空、光、電子に共通
このような「入れ子構造」は「時空」「光」「電子または電気」だけに現れるものであることが特徴なのです。その理由は次回の”時空互換重合量子は素粒子生成量子”で説明する予定です。こうして〈MaとKaから成る平行宇宙〉には「時空入れ子構造」が存在することが特徴となります。電子若しくは電気・電磁波については次回の課題となっています。



4、一般相対性理論の成功と限界


一方で、一般相対性理論は幸いなことにリーマン幾何学というベクトル解析を起源とする数学を使うことで座標系から解放されました。従って、宇宙論として一応成功した理論と言えるのです。この成功によって特異点定理など重要な課題が証明され、ペンローズの宇宙論へと展開されてきたわけです。

一般相対性理論にとって重要なベクトル解析については、この後「共変ベクトル」と「反変ベクトル」の項で説明いたします。相対論は数学の驚くべき能力によって一応の成功を収めたのですが、特殊相対論の原理をそのまま引き継いだことから発生する矛盾を避けることが出来なくなったのです。それが次に述べる「重力理論」の問題点なのです。球体感覚についての知識が重要になるのは、重力と斥力についての思考実験とそのフィジカルイメージを考える上で基礎的な観点になるからです。

◇共形場のムーンシャイン
球体感覚が共形幾何学と深く関連しているのですが、共形場理論との関連についてポアンカレ円盤、共形場AdS/CFT対応、さらにミランダ・チェンのアンブラルムーンシャインなどは保形形式を接点として深く関連しているようですが、その内容については専門家によるガイドに期待したいと思います。(「2次元共形場の理論 → リーマン面の写像類群に伴う保型形式論となる」という記事を見ました)





Ⅱ,「反変ベクトル→トキ」・「共変ベクトル→トコロ」



5、重力は人間原理から生まれた・球感覚について2


相対論の矛盾は、「重力」という思想に色濃く反映されています。重力は座標系の中で計測されたフィジカル・イメージがその起源です。ガリレオに始まる研究事情は特に説明の必要はないと思います。日常世界から遠く離れた地球大航海時代にユークリッド空間を超える新たな時空を発見した例をすでに見てきました。重力はあくまでも日常世界のユークリッド時空という枠の中で認識されたものであるということが重要なポイントです。

つまり、日常生活では特に球感覚を駆使する必要はありません。地上に落下するリンゴは地面に到達するだけで、私達は重力を思考実験からの抽象として認識出来るのです。それ以外の想像力によるデフォルメは必要ないのです。このように、重力は人間の問題なのであって宇宙では別のフィジカルイメージを持つ力を想定しなければなりません。

◇トポロジカル潜象Kamu次元
慣習としてですが、重力と言いながら実はその内容は「引力」として使っている場合も多いようです。これは、これとしてそっとして置いておきたいと思います。宇宙と量子という日常からかけ離れた世界では、この人間原理をそのまま使うことはできません。このことを抽象化したものが「トポロジカル潜象Kamu次元」なのです。人間原理はKamu次元D5から始まりD7までの世界のそれも狭いごく一部に局限されているのです。Kamu次元D5以降で形成されている時空4次元は、それはそれで実用的な現象世界の技術として私達の日常生活を支えているのです。

◇球体内部感覚
「球感覚」というのは、説明が難しいのですが、例えば球体の内部に入って星辰の上下左右360°を見回す感覚とでも言えるものです。地球大航海中の船乗りが漆黑の海で、星辰空間を眺めているときの感覚が近いことは想像できます。視野の下には漆黑の深海があり、静的な平面の海面ではないのです。それこそ360°の注意力が要求されたことと想像されます。高い所から落ちてくる物体は海面を突き破ってゆく、そんな感覚ではないでしょうか。

◇2次元共形場理論
ミランダ・チェンも2次元共形場理論が宇宙と素粒子に共通する世界(量子重力理論)では基本的な教養である、という趣旨のことを言っています。2次元共形とは実は球体のことですから、これまで私が球体感覚について説明してきたことをミランダ・チェン流儀で要約したものだと思います。(ミランダ・チェンについては:4-2-2・虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(中編)モンスタームーンシャインとミクロ・ブラックホール・ラマヌジャンとミランダ・チェン


6、引力と斥力そして第三の超遠隔作用系の2つの力・球感覚について3


◇正反対称ペアー力
それでは、座標系を無視した物理的イメージを宇宙の中で考えるとどうなるかです。そこに現れるのは重力ではなく、「引力と斥力の ”正反ペアー”」でなければならないのです。斥力は電磁力以外では馴染みのない概念だと思います、この斥力は引力との関係が「正反対称のペアーな力」ですが、重力理論では重力は計測出来るが、斥力は計測されないと言われます。だから、重力は存在して斥力は存在しないという論証しか導かれていないのが現状です。

◇斥力
卵を落下させれば、見た目で重力を理解できます。ところが、その玉子は地面に到達すると「破壊→計測不能」されます。では、球体感覚ではどのように見えるのか?球体感覚なら、ただ地面があるから破壊されると考えるのです。そうです、あくまでも図上の思考実験としての話ですが、衝突するような地面が無ければそのまま落下を続け、卵は斥力によって元の位置に戻ってくるのです。

◇重力一本槍の思考法
これが宇宙では常識の球感覚なのです。いまは説明する段階ではないのですが、宇宙というものを考えるときには、この2つのペアー力に加えて第三の「謎の正反ペアー力」を考えることが重要になります。宇宙では重力一本槍の思考法は通用しません。

◇全宇宙マイクロ波背景輻射
私達は、正反対称の2つの遠隔作用力と共に、もう一つの独立した「正反ペアー超遠隔作用力」を考えてゆかなければならないのです。この超遠隔作用力によって起きる物理現象で唯一つ観測されているものが、これから度々登場する「全モンスター宇宙球背景輻射」、若しくは「全宇宙マイクロ波背景輻射」と呼ばれているものです。



7、座標系から独立したベクトル場


◇ベクトル場
宇宙方程式には座標系は必要ありません。必要なのはベクトル場、そしてテンソル場なのです。数学はこのような座標系を排除したい要求に見事に答えてくれています。ここから、一般相対論で重要な ”反変ベクトル” と ”共変ベクトル” を見てゆきたいと思います。

◇群論的時空のゲージ理論
このような座標系を排除したい要求は極微の世界を探求する「量子論」においても同じなのです。ハイゼンベルグが行列力学という構想を持ち、続いてノイマンが「ヒルベルト空間」を量子論に取り込んだのは座標系を排除するためでした。座標系を排除した代数的時空理論のことを「ゲージ理論」と呼んでいます。

◇ヒルベルト空間
座標系を無限の中に溶かし込んだヒルベルト空間は、潜象系と現象系の双方で使える工夫がなされました。これは丁度、複素数の潜象界における役割をベクトルに与えることに成功したのがヒルベルト空間だと言って良いと思います。



8、反変ベクトルと共変ベクトルの数学観光ガイド


◇直観幾何学
私は数学者ではないので、数学者が示してくれるフィジカル・イメージとの繋がりで理解を進めて行きます。余談ですが図版に満ちた「直観幾何学」の著者であるヒルベルトは、数学全般に渡って最高レベルの成果を残した大数学者です。ガウスからリーマンへと続く伝統を受け継いだヒルベルトは素人に対して深い配慮をする事のできる数学者だったのです。

◇数学観光ガイド
優れた数学者による「数学観光ガイド」は素人にも解りやすいものです。それは次の反変ベクトルと共変ベクトルのフィジカル・イメージの項で私が参考にした文章と図版を著した数学者にも言えることです。現代数学は広大かつ高度な専門領域に広がり、素人には近づけません。そんな状況の中で「数学観光ガイド」を果たしていただける数学者がネット上で増えていることは心強いものです。



9、共変ベクトルとトコロ・波動世界


◇波動イメージと共変ベクトル
共変ベクトルを数学として理解する事は私には難しいものですが、イメージする事は意外と理解が簡単でした。それは要約すると「共変ベクトルは波動世界そのもの」と言っても間違いではありません。このイメージは、素人に思いやり深い数学者の記事のお陰でこの共変ベクトルの「波動イメージ」を案内して頂きました。さらに、ベクトル解析が座標系を必要としないこともこの記事に表明されています。

◇双対性と互換性
さて、一気にここで「トコロ→共変ベクトル→波動世界→トキ」という書き方が可能ですが、こうすると不審に思われるかもしれません。この、トキとトコロを混同させるような一見混乱した表現に見られるような内容が、この後説明する ”双対性” と”互換性” そして”重合”の特徴です。しかしです、このまま放っておいては互換性はいつまでも続いてきりがありません、

◇トコロ→共変ベクトル→波動世界
私達の現象世界では混乱を引き起こす「互換性」という要素を切り離して、固定的な観方ですが〈トコロ〉と〈トキ〉をしっかり独立したものとして示したいと思います。つまり、〈トコロ→共変ベクトル→波動世界〉と〈トキ→反変ベクトル→容積量→粒子性〉と、人間原理に従って分離して理解したいと思います。このフィジカルイメージをガイドして頂いた数学者のサイトをここにリンクさせていただきます。
リンク・https://remedics.air-nifty.com/academy/2021/01/post-19f371.html



10、反変ベクトルとトキ・立方体型・粒子世界


◇容積量 Relativity-Capacitive-Amount
一方、反変ベクトルの場合は、これまで説明して来た潜象系の「容積量→粒子性」とピッタリ符合します。中味が増えると体積が縮小するので反変と呼んでいると理解することが出来るのです。「容積量」は〈始元量〉の重合集積が飽和状態まで続く様子を「前駆積分」として捉えたものです。別の言い方をすれば、ベクトルの大きさに他なりません。

◇球体の尺度
このブログでは、容積量に関して「球体の尺度として『容積量』があり、その内実として『始元量』がある、これはエントロピーと深く関わり合うものだ」と記述しました。(2- 2.時空互換重合量子とペレルマンのエントロピー

◇算術より積分が先
このことから「加法と乗法からなる算術より積分が先」に発生していたということが言えるのです。「積分」は「加法」であると共に「乗法」を「同時」に「互換重合的」に内包しているのです。つまり数学もしくは算術で言う「加法乗法演算」については、人間原理によって前駆積分を分解したものと考えられるのです。図式的には《前駆積分→積分→「加法⊕乗法」》という捉え方になったとものと見られるのです。(⊕という記号は互換重合)

◇双対性と互換性
「トキ→反変ベクトル→容積量→トコロ→共変ベクトル」という循環する書き方は、〈トキ⊕トコロ〉と〈共変ベクトル⊕反変ベクトル〉とが、正反対偶・双対の関係にあることを物語っています。これがこれから述べる「双対性」なのです。量子論でも同じような謎と混乱を経験してきました。

◇人間原理の表現
先に記しましたが、私は日常生活で馴染みのある人間原理の表現の仕方で、この互換性の「循環」を断ち切って表現いたします。こうしないと、人間はいつまでも川の流れを眺めていなければならなくなるのですから。
(量子論の謎については「量子コンピューターという思想(その1)-2,謎をKamuNumber Theoryから見る  「量子コンピューターという思想(その3) - 6、ペンローズの微小管非チューリングマシン で整理しておきました )





Ⅲ,時空の双対性理論



11、相対性理論と双対性理論


◇互換重合性と双対性
さて、〈共変ベクトル⊕反変ベクトル〉の間の『双対性』という重要な性質についてです。これを私は「互換重合」と呼んでいます、どちらかと言うと化学反応に近いフィジカル・イメージで私は受け止めているのです。つまり、『双対性』とはお互いに補い合う関係性(互換)の下に実は同一のものの二つの側面(重合)を表現しているからなのです。まさに双対性は量子論の謎と同じものではないですか。〈トキ=共変ベクトル〉と〈トコロ=反変ベクトル〉はこの意味では時空量子が「時空双対量子」つまり「時空互換重合量子」ということになります。これは前駆状態の次元から現象系として独立した次元までを含んだ時空の特徴だと考えられます。

◇前駆時空の遷移
相対性理論の扱う時空はこの状態から飽和状態の5段階経過した後の「座標現象系時空」ということになります。ここで「飽和状態」というのはAma公理系のA-1 Yata のことなのですが、容量積が飽和状態になり次のKamu次元へと転換する物性状態のことで、「遷移」と呼んでいるものです。(3、時空の前駆状態は5段階の入れ子構造)  

◇時空の謎
さらに、この座標現象系時空になってもこの時空双対性は維持されます。このことが時間論の混乱を招いているのですが、致し方ありません。現実に意識できる時間に含まれる謎はこの「量子論的な双対性」と「入れ子構造」にあるのですから。

◇時空4次元はマクロな双対性表現
こうして、相対論における4次元世界として時空を座標軸に同定して組み入れることは可能なのです。つまり、時間と空間がそれぞれ独立しながらも「一体化した時空」として表現することは双対性から可能であることがわかります。時空4次元という当時としては革新的だった相対論的な時空概念が成功できたのは、この双対性がマクロな場面でも有効だからです。

◇時間量子の最小単位 Ima
時空4次元の特徴は、時計の原理を「砂時計」としてイメージしてみれば理解できると思います。時間量子の” Ima ”という最小単位(プランクの定数を遥かに超えた最小の単位)の砂粒が積み重なって「時間軸」を4次元時空に形成するものとしてイメージ出来るのです。ということは、相対性理論は「座標化時空」と「時空互換重合量子」とを区別することなく、ただ単に「外部の時空座標」として扱っているわけです。しかし、この最小単位” Ima ”は量子論と時空双対性を前提として理解されなければならないのです。以上が「球体感覚の宇宙的世界」と「日常的相対座標の4次元現象系世界」との座標系から見た違いです。



12、ウイグナーの設問(数学の理不尽なまでの有効性)


◇虚数の威力
数学者は量子論が登場する遥か前に同じ世界像を双対性として見事に数学の中に描いていたことに驚きます。ここでも、ウイグナーの設問『ありえない数「虚数」を仮定して、これほどうまくいくのはなぜなのだろう?』が効いているのです。

◇本格的な数学の拡張作業
ガウスに始まった「虚数による本格的な数学の拡張作業」は、虚数によって潜象界を取り込み、複素数によって前駆状態をモデル化し、ベクトル解析によって座標系つまり地球的日常から自由な世界を表現域に取り込みました。ここで、いま一度ウィグナーの設問を振り返る意味はあると思います。必要な事項はリンクの本ブログの記事でご確認ください。
量子コンピューターという思想(その4)万物は情報である─ドイチの量子コンピューター(その4、前編)- 1,数学モデルの理不尽なまでの有効性

◇ガウスと虚数
ガウスによる数学の虚数に基づいた「本格的な拡張作業」は代数的整数論から始まり、数学の全ての領域に及んで居るのです。この歴史的な創意から眺めると、ウィグナーの設問はガウスへの感謝のメッセージだったのです。ガウスの後継者であるリーマンの世界、おなじくヒルベルトの功績は潜象界と現象界をつなぐモデル化の礎となっているのだと思います。

◇一般相対性理論の成功
一般相対性理論の成功はこうした背景を見るとき、その理由が浮かび上がってきたと思います。4次元時空と時空双対性、複素ベクトル解析の流れをくむリーマン幾何学の驚くべきパワーが成功の鍵でした。

◇黒川信重の絶対数学
現代数学は近づくことの難しい、広大で高度に専門分化した世界ではありますが、こうした見地から俯瞰すると「ウィグナーの設問 → 虚数→一元体数学→絶対数学」というものに近づきつつあるように私には思われるのです。



13、リーマン幾何学から多様体へ


◇多様体
ウィグナーの設問は一般相対性理論に使われたリーマン幾何学によく現れています。ベクトル解析を発展させて柔軟なテンソル空間を完成させた数学者のイマジネーションに私は深い感銘を受けるのです。現在では、多様体理論という形で数学の総力が注ぎ込まれて結実しているのです。

◇カラビ・ヤウ多様体
潜象を表現するのに最も適した形式として多様体は極めて完成度の高いものです。潜象特有の概念である「容積量」や「正反対称性=双対性」あるいは「保型形式」など誠にその表現において不足がありません。カラビ・ヤウ多様体は潜象世界を表現するものとして十分な表現域を持っています。潜象界が遺伝的に保型形式を持つこととカラビ・ヤウ多様体とは深いところで連動していることも数学者によって示されています。
(カラビ・ヤウ多様体については図版 Arakamichi (1-4) :The Field with One Element Kamu-Calabi-Yau manifolds and Kamu-K3sphere in Transition formula


14、座標に依存して自縄自縛となった相対論


◇座標で自縄自縛
一般相対論の成功と限界はこうして明らかになって来ます。リーマン幾何学(ベクトル解析)の採用によって成功した反面、特殊相対論の光速度不変の原理と重力の導入、言い換えれば座標系の導入によって自縄自縛に陥ってしまいました。

◇特殊相対論の謎
相対性理論の問題点に関してはすでに多くの著作が現れています。そうした批判の中で私が注目していることは、アインシュタインが学術誌 Annalen der Physik に発表した1905年の原論文に引用文献及び参照文献が一切ないこと。そして、この論文の査読(審査)を誰が担当したのかが、いまだに不明のままになっていることです。
 *1905年のアインシュタイン論文のリンク
 *ブログ_物理学者が問題提起 「相対性理論」はアインシュタインの独創か?

◇二重特殊相対性理論2002
なお、「どんなに小さなスケールで見ても時空は連続だという前提に立つ相対性理論は破れる」と主張する「二重特殊相対性理論、DOUBLY-SPECIAL RELATIVITY: GIOVANNI AMELINO-CAMELIA 2002」というものもあります。これなど、座標系がどんな前提で作られているかを物語っているのです。  *DOUBLY-SPECIAL RELATIVITYのリンク



Ⅳ,光の速さは5段階可変


15、添字は前駆状態の表示


◇時空は前駆光の中に
「MaKa平行宇宙方程式」の中の「添字トキ」と「添字トコロ」に戻します。両者はこの方程式では、まだ独立した存在(つまり時空)にまで成長していません。添字として現れた〈Toki・Tokoro〉は始元量の中で前駆状態として姿を見せているに過ぎないのです。ということは、「時空は光の中」にあった、丁寧に書けば「前駆時空〈Toki⊕Tokoro〉は前駆光子〈sHi〉の中」にあったということになります。

◇添字表記法
添字表現はこうしたことを示すものなのです。つまり、前駆時間と前駆空間を潜象エネルギーとして前駆光子は内蔵しているのです。時空とは、もともと始元エネルギー量子なのです、ここでは前駆状態ですから物質ではありません。このことを宇宙方程式では添字として”トキToki・トコロTokoro”と表示しているわけです。

◇時空はエネルギー量子
時空は〈アマ始元量→潜象エネルギー〉の子孫というわけです。要は、時空そのものが物質と同じエネルギー量子であり同時に情報量子ということになります。〈トキ⊕トコロ〉がそれぞれ「時間物性・空間物性→安定したマリ量子」にまで遷移するには、Kamu次元D3〜D4の段階まで遷移し、〈チカラ→カラミ→近達性の核力〉の作用を待たなければなりません、Kamu次元D3とD4は次回のテーマになっています。

図版 宇宙方程式




16、光量子の前駆光子 sHi からの発生過程


◇成熟したKamu次元D5時空
成長したトキとトコロは座標系として独立したKamu次元D5 を獲得します。この過程に至って人間の生活次元の知覚できる物差し、時計、光量子、時間物性・空間物性となります。

◇時空は始元量から発生
いま一度、光子の発生過程に戻って見ると、〈トキ⊕トコロ〉は「前駆光子 sHi 」の中の一部でした。つまり、時空は光子と一体の状態で存在していたのです。これを前駆光子から時空が生まれたと言ってもいいのですが、時空はもともと〈潜象エネルギー=宇宙エネルギー=始元量〉なのです。光子の中で時空座標系の母体が生まれたことは間違いではないのです。

◇前駆光子だけが母体の時空
そして、時空は「前駆光子 sHi 」以外の母体を持たないということです。さらに〈トキ⊕トコロ〉は安定した素粒子の母胎を包んでいることによって「多様で自在な素粒子」を生み出す生成量子でもあるのです。これは次回のテーマになります。



17、光のハヤサ(光速度)は5段階可変


◇観測できない前駆光子
光子は光量子として観測可能になるまでに5段階の遷移を行い、その一回の遷移につき場合によっては数兆回の重合とその飽和状態による成長という不連続なプロセスが存在します。光量子のこうした前駆状態は観測することは不可能なのです。人はこの観測不可能な状態を、そして不可視の恐れを「真空状態の恐怖→ヴェイユ真空」として語りました。(Ⅴ,重力の恩寵とヴェイユ真空  §20、トポロジー的なKamu次元の見方)

◇エーテル仮説
相対論形成期にはエーテルの存在を仮説として考えて居た時期もあります。このエーテル仮説はいまになって省みると、潜象を予感したものだったと、つまり「真空→エーテル→潜象」と私には思えるのです。ただ、エーテルを観測できるものとして考えたところが限界だったのです。

◇光速度へ5段階減速する
ところで、潜象とその現象への過渡過程における”遠達作用の速さ”は超光速になります。特に潜象界ではその速さは全宇宙の端から端までを一瞬でつなぎます。この超遠隔作用が存在しないとモンスター宇宙が「一個体」としての秩序の崩壊を招いてしまいます。5段階の遷移過程を進行する度に遠達作用の”速さ”(速度ではなく)は遅くなり、現象界の光量子に至ってお馴染みの「光速度」となります。



18、モンスター宇宙の観測情報(Ryu-Takayanagi formula 笠・高柳公式)


◇観測可能な外部
光速度は「現象系光量子」のあくまでも座標系との干渉によって観測可能になっています。人間とは切り離された「外部」と見られていた時空座標系は、実はそうではなくそこで関わり合うすべての「エネルギー系の内部」だということになります。

◇笠・高柳公式
情報もエネルギーであるという「笠・高柳公式」の意味で座標系は「干渉する情報機器」と同義と考えたほうが物理的には正確になるのでしょう。すでに本ブログの「虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン」では ” 情報という観点に絞って考えれば、宇宙は極めてクリアーな存在として眺めることが出来る”。この意味で観測における情報の干渉として見れば観測という行為は「外部世界=宇宙=座標系」という設定に問題があるわけです。
量子コンピューターという思想(その4)万物は情報である4-2-2・虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(中編)モンスタームーンシャイン とミクロ・ブラックホール

◇1億光年は本当か?
光のハヤサ(光速度)は5段階可変という結果から見ると、私達が観測している星雲などから地球に到達する光子は必ずしもKamu次元D5の状態で発射されたものとは限らないということになります。つまり、星雲から発射されたときは超光速の前駆状態〈sHi〉、つまりKamu次元D√-1やKamu次元D1ということもありうるわけです。

◇輻射光という思想
虚数質量の〈sHi〉はタキオンとして宇宙間を飛来しています、すでに述べましたが、これが超遠隔作用力などと相互作用して〈sHi〉より次元遷移した光子として観測されている可能性が有ります。「宇宙マイクロ波背景放射」の一つとして、こうして飛来して来る途中で5段階の次元遷移をして観測される場合も想定しなければなりません。

◇別系統の情報を持つ宇宙輻射光
超遠隔作用力などと相互作用したタキオンから遷移した光を「宇宙輻射光」あるいは「2次輻射型光粒子」といいます。これは笠・高柳公式に従うと通常の光子とは別系統の情報を持つと考えられるのです。つまり遷移過程がかなり違いますから通常の光と区別してゆくべきものなのです。ということは、観測された光は想定したより速い速度で、つまり超光速で減速しながら地球に到達することはあり得ることになります。



19,平行宇宙の中の入れ子型時空エネルギー


◇始元量と時空
時空はエネルギー、そして情報量という側面から見ればはっきりするのです。もともと〈トキ⊕トコロ〉は宇宙エネルギーの根源体である「始元量」の一部でした、光量子も同じ親元から遷移分岐したモノです。そして観測機器もエネルギー情報量としてみなす必要があります。このように、始元量と時空は宇宙を構成するエネルギーそのものの別名とも言えるのです。

始元量から次第に成長して現れた〈トキ⊕トコロ〉は5重の「入れ子構造」を抱えているのです。座標系となった〈トキ・トコロ〉に謎めいた姿が垣間見えるのはこのような構造に由来しているからです。D ドイチ風に禅問答が展開される「時間と空間」論争ですが、その内容にはモンスター宇宙エネルギーの中の『5重の入れ子構造』が背景にあります。

◇MaKa一元論的平行宇宙
なお注意していただきたいのは、この入れ子構造は「MaKa一元論的平行宇宙」だから生まれたものであるということです。私達が潜象について議論できるのは光子が始元宇宙の「情報=エネルギー」を私達にもたらすからなのです。つぎに、こうした問題を「ヴェイユ真空」の中で見たいと思います。




Ⅴ,重力の恩寵・ヴェイユ真空と潜象


20、トポロジー的なKamu次元の見方


◇点も立体も同じ次元
座標系の次元、つまり私達が馴染んでいる4次元時空では、点は一次元、面が2次元、立体が3次元、時空が4次元とされています。一方でKamu次元では点・線・面・立体はともに〈トキトコロ〉のKamuD5次元の中に包み込まれています。一方で、「点」は平面及び立体と「同相」であるというトポロジー幾何学的な見方がKamu次元の考え方です。

◇立体感覚は時間量子の物性
立体も点も線も同じKamu次元D5に組み入れられる一つの次元に含まれるのです。ここで、立体は特別の意味合いを持っていることが大事なのです。〈トキ → 時間として成熟〉は量子として「立方体」であることが知られています。人間の持っている立体感覚は実は時間量子の物性に基づいているのです。

◇座標系を成立させている双対性
この時間量子の物性が、時空に対するKamu次元のトポロジー的見方を基礎づけていると考えられるのです。このように、時空は互換重合状態(双対性)で存在しながら次元遷移するとき、時間はKamu次元 D4 ,空間はKamu次元 D5を持つ独立した座標系としても使える存在なのです。

◇4次元時空のKamu次元
当然なのですが 、D5 は D4 の立方体という物性の影響を受けているわけです。従って、4次元時空という相対論の世界は、平行宇宙論としてはKamu次元D5の中に於いてだけ存在するもので、普遍的には存在しません。あくまでも空間は波動的物性を示しながら時間と互換重合的にKamu次元D5なのです。

◇重力と恩寵
こうして、トポロジー幾何学の恩寵を私達は受けることができます。さて、「重力と恩寵」というエッセイ集があります、数論の大家ヴェイユの妹シモーヌ・ヴェイユが著者です。彼女は兄のように数学に憧れていたのですが、永い煩悶の末に文学の世界に進みました。「真空は私が虚しくなることである」とシモーヌ・ヴェイユ。

◇潜象=ヴェイユ真空
彼女は「座標系=地球への深い熱望」、ところが儚い希望は地球から飛び出す宿命へ向かってしまいます。結果は、重力からの解放を自らに課します。「潜象=ヴェイユ真空」へ向かって心の深層世界で旅を始めたのでした。ヴェイユの思想が難解で混乱していると見られる理由がこの「ヴェイユ真空Kamu次元」の「一元論的」論理性にあると私は思います。

◇一元論は単なる統一理論ではありません
一元論はなにかと誤解を受けます、混乱していると思われます。一元体数学も全く同じ境遇に置かれているのです。一元論は現象的に組み立てられた統一理論ではありません、MaKa正反対称性からなる歪性を伴った平行宇宙論による統一理論なのです。



21、観測者と「アマウツシ=トコロ」・「カムウツシ=トキ」


◇生命体のエネルギー交換システム
ここで、「観測者」の問題を見なければなりません。観測者もまた座標系の一部と考えるべきでしょう。ただし「観測者」は人間ですから人体におけるエネルギー保存則の他に生命エネルギーの流入を考えなければなりません。この生命の問題には生命体特有のエネルギー交換を成り立たせているメカニズムを適用しなければならないのです。

◇生命のカムウツシ
このエネルギー交換システムが「カムウツシ」というものになります。実は物性物質にもこのメカニズムが有ります、それが「アマウツシ」です。人体も物性物質ですからこのアマウツシというメカニズムを利用しています。このエネルギー交換システムは「前駆時間量子トキの交換=カムウツシ」が生命エネルギー交換システムと言われているものです。そして、「前駆空間量子トコロの交換=アマウツシ」はすべての物質において行われています。

◇物質のアマウツシ
石にも心があるというのは、このようなアマウツシを石とともに生物も受けているという事情を物語っているのです。従って、「対象物」と「観測者と観測機器」との間の干渉現象とは潜象系エネルギー交換の生命現象と言うことが出来ると思います。このエネルギー交換の主役は「前駆状態の光子と電子」です。そして、光子同様に電子もいきなり生まれたわけではありません。



22、光速度不変の原理にどんな意味があるのか


◇光速度不変の原理
さて、光速度不変の原理なのですが。宇宙では、そもそも光速度そのものが大きな意味を持たないと考えなければならないのです。何故なら、全宇宙は全体として「一つのモンスター全宇宙球」です。「無秩序に拡大」している訳でも、また「無秩序の縮小」をしている訳でも無いのです。

◇宇宙球全体の連帯に必要な速さは無限大
宇宙全体は潜象系エネルギーによって「瞬時に統合」され「秩序」を維持しながら拡大(Kamu次元拡大)及び縮小(Kamu次元縮小若しくは回帰)をしています。その統合系を維持するために必要な「ハヤサ(速度ではなく)」はゼロで同時に無限です。これを全宇宙の遠心核と求心核に向かう「宇宙球全体の連帯」と呼んでいます。

◇AmaKamu平行宇宙→MaKa平行宇宙
このことは、全宇宙球は潜象系エネルギーによって包み込まれているということになります。これは「潜象のKura」と呼んでいるもので、〈Ama〉系と〈Kamu〉系の2系統が有ります。つまり、AmaKamu平行宇宙の全体像を描くとこの〈Kura〉によって包み込まれたモンスター宇宙球になるのです。

◇Zero次元と虚数質量量子
このことを別の側面から、潜象のKamu次元がゼロであると言います。始元量はゼロ次元となります。一方、前駆光子はKamu虚数次元です、その仲間にタキオンが含まれると考えられています。このタキオンの存在は超弦理論による「虚数質量量子」とよく符合することは知られたことだと思います。大事なのは、ゼロ次元があるから虚数次元が導かれ、虚数質量量子が存在するのです。



23、光速度がビッグバン仮説を生み出す


◇光速度では宇宙は無秩序状態になる
「測定された光速度」という枠をこの宇宙に対して当てはめるとどうなるか?モンスター宇宙の端から端が相互に一体となるためには、瞬時に連携が取れなくては一体性は生まれないのです。いわゆる私達が知っている光速度では、モンスター宇宙の端と端が勝手な動きをして統制は取れないということになります。

◇特異点のビッグバン仮説
つまり特異点が「爆発的な崩壊点」あるいは「爆発的な起爆点」になってしまいます。ビッグバン仮説もその一つですが、ブラックホールとともにまだまだ解明の道は遠いと思うのです。ペンローズが整理した宇宙論の最も深遠な3つの疑問、①ビッグバンの前に何があったのか? ②私たちの宇宙の秩序の源泉は何ですか? ③その究極の未来は何ですか?に対する答えはすでに見てきました。

◇ペンローズ・宇宙の最も深遠な3つの疑問
まず、①ビッグバンの前に何があったのか?ですが、まずビッグバンはありませんでした。〈アマ始元量〉が発生する以前はMaとKaに互換重合的に分岐する以前の〈Ka潜象世界→ヴェイユ真空一元体〉がありました。次に、 ②私たちの宇宙の秩序の源泉は何ですか?、これはMaKa潜象がもつ「物性」の16項目から成る「Ama公理系+Kamu公理系」が存在しています。この公理系の中にはテレポーテーションという量子現象が含まれますが、これは平行宇宙における統制機能の一つと考えられています。次に、③その究極の未来は何ですか?、Kamu次元が過去と未来のすべてを「次元の遷移と2重回帰」として「10進法」で示しています。

◇2重回帰とは
ペンローズの疑問③その究極の未来は何ですか?に関連して、「2重回帰」について簡單に触れておきます。始元過去から未来へ進行する「時空の正進性」、現象界から潜象界ヘ還元し消失してゆく「時空の反転性」がKamu次元の十進法で表現されます。ここで、「二重回帰」というのは「D0→正進性→D8→D10→反転性→D1」と「D7→反転性→D4」の2つのことになります。詳しい説明は今後いたしますが、とりあえず図版でどの様なものかを御覧ください。図版 Arakamichi 5-1 図版 Arakamichi 3-5 



Ⅵ,時空互換重合量子の世界


24、時空互換重合量子の世界は有限な球体世界


◇無限世界に包まれた有限世界
潜象世界は「到達速さ」は無限大です。しかし前駆時空系の時空互換重合量子の世界では無限大ではなく、有限になります。測定はできないけれど、モンスターな「全宇宙の一部」を統制できるだけの『ハヤサ→速さ』(速度ではありません)を持っていると考えることが出来るのです。

◇球体と有限性
有限な世界では無限界の無限に早い潜象とは違い、前駆状態における『ハヤサ(有限)→超光速』を持っていると考えることができます。この「有限性」とその「速さ」は、〈モンスター宇宙=宇宙の全体像〉と〈トキトコロ〉と共に「(波動)互換重合的な” 球体(つまり有限)”」から必然的なものとして理解出来るのです。

◇球体は無限を有限の中に包み込む
つまり、無限の速さを必要としないのが球体世界の特徴と言えるわけです。言い換えれば球体は無限を有限の中に包み込んでしまうものとも言えます。この宇宙に存在するもののすべてが最終的に「(互換重合的)”球”に相似形」になります。宇宙球全体が独立したものとして「安定的に、動的に統合」されているとは、この球体感覚から生まれてくるフィジカルイメージなのです。

◇〈マリ〉と〈タマ〉
球感覚は潜象界と現象界が重合した〈スガタ→互換重合球体〉をも示唆している相似象なのです。そうした機序がMaKa平行宇宙だからこそ生み出す事のできる「球体→〈宇宙・タマ〉→〈時空量子・マリ〉」になります。

◇物性のKamu次元の特徴
「物性」は時空(時D4、空D5)とは別の「Kamu次元D2」と「Kamu次元D3_Mitsugo」で生成さされます。これは素粒子論の物性系の電子とクオークというモデルが極めてよく当てはまると考えられます。とくに、Kamu次元D3_Mitsugo の物性は次回のテーマの中心になる問題です。



25、観測者にあらわれる素粒子は光子だけ


◇物性を支配するゲージ粒子光子
前駆状態の量子から現象系に出現し、観測者の前に姿を現すのは光子だけです。この光子を使って人類は観察もしくは観測するしか方法がありません。素粒子論で言えば電気、磁気、力、という物性を支配するゲージ粒子が光子です。じつは、ここで名指された支配者とは「前駆時空→素粒子生成量子」というものなのです。

◇質量付与の素粒子生成量子
前駆時空はエネルギー量子であると共に情報量子です。この前駆時空エネルギー量子の「密度→質量」を増せば自由に遷移して基本物性へ自由に転換できるのです。基本物性とは「D3潜象系素量群」の「電気」「磁気」「核力」の三種になります。これは何兆回もの重合の進行によって質量の増加がもたらす結果なのです。

◇タキオン由来の宇宙輻射光子
前駆状態のままのKamu虚数次元タキオン、つまり質量が『虚数』の素粒子などは、最終的には観測可能な光子に落ち着くことになります。タキオン由来の光子はすでに触れましたが「マイクロ波背景輻射として観測」されているはずなのです。

◇光子による背景輻射
このことは§18で触れましたが、「超遠隔作用力」と「タキオン」との相互作用として理解できる可能性を示唆するものです。「全宇宙背景輻射」若しくは「宇宙マイクロ波背景」はビッグバン仮説の基礎データとなるものですから、宇宙で生起しているこの相互作用は要となるものなのです。しかし、残念ながら観測できるのは光子による背景輻射だけなのです。

◇潜象界の消息
重要なのはここからです、「観測者」若しくは「生物」にとって五感にあらわれる素粒子は、潜象界という本来なら見ることの出来ない世界とストレートにつながる「光量子=マイクロ波」だけなのです。生命を持つものが「知覚」できる世界、そして自然(実は天然)、更に潜象は私達の前にいつも現れているのです。川の流れを前にして行われた禅問答の中に『潜象界の消息』がみえてくるのはこうした唯一無二の光子が存在するからです。



26、添字Toki,TokoroとKamu次元D0からD5までの遷移図式


平行宇宙方程式に於ける添字としてトキトコロは、潜象エネルギーが時間状態と空間状態に向かう「過渡」にあることを表現しているものです。過渡状態が終われば「時間 ⊕ 空間」は独立した「Kamu次元D5」を獲得します。この詳細は、当面「Kamu Number Theory」 の中の「All Transition Diagram」 を御覧ください。

この遷移図は、A4紙面で6面に分割された潜象の過程から現象過程にいたるまでの遷移図式です。あまりにも長い遷移式なので、やむを得ず6分割したために全体を眺めるのには不便なのですが、6面をプリントして繋げると全体像を一望に見ることができます。


        ✝  ✝  ✝  ✝  ✝


次回は「前駆時空互換重合量子」は「素粒子生成量子Kamu次元D2」である「電気の海」ともいうべきフィジカルイメージを持つ物性領域に進みます。時空は生成量子としての前駆状態の役割を終えると、それぞれ〈トキD4〉〈トコロD5〉として独立する一方、「電気の海」から「クオークに相似」の物性世界へ進みます。時空論から素粒子論へ進むことが〈電気、磁気、力〉の物性論の基本であると言う話題です。これは、ペンローズが向かおうとした宇宙から素粒子へという方向だと私は思います。

  -------------------------------

Kamu Number Theory
https://kamu-number.com/
copyrght © 2022.Allright Rserved Masaki Yoshino