Kamu Number Theoryと相似象

英文サイト. Kamu Number Theory では言及しない相似象のことなどはこちらで。

4-3-4・時空の双対性理論(2)電気の海(後編)

2023-04-15 16:44:42 | 量子コンピューター
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4-3-4・時空の双対性理論(その2)電気の海(後編)

Ⅴ、Kamu電気の海は時空、タキオン、光を創る
Ⅵ、Ama電気の海(ディラックの海)は電子を創る
Ⅶ、電子スピンは磁気と核力を生む(Mitsugo素量子)
Ⅷ、ホイーラーの予言・万物は情報である

      (前編)
Ⅰ、ディラックの海とAma電気の海
Ⅱ、モンスターKamu電気の海
Ⅲ、反変ベクトルと共変ベクトルの実体はKamu電気
Ⅳ、Kamu電気は創造的な情報システム



Ⅴ、Kamu電気の海は時空、タキオン、光を創る

14、タキオンの生成


◇Kamu電気と時間量(反変ベクトル)空間量(共変ベクトル)
Kamu電気が時空を作るメカニズムは ” Ⅲ、反変ベクトルと共変ベクトルの実体はKamu電気 ” で見てきました。反変ベクトルはKamu電気の『集積量=容積量』、そして共変ベクトルはKamu電気の『持続的波動=電気波』だったのです。

◇エンタングルメントとアマハヤミ
次に 〈アマハヤミ〉についてです。 ”§4「対向消滅 → 即 → 対向発生」で見てきた正反対向発生は「ドミノ倒しの原理」です ” と記しました。ここで『 → 即 → 』と記しました。アマハヤミの実像を考える上で、この「即」がヒントを与えてくれます。量子論で言えば「エンタングルメントの即時性」若しくは「量子テレポーテーションの即時性」と言うことになると思います。

◇現象界ではテレポーテーションは完成しない
スピン公理であるKamu公理K-2、と互換重合のKamu公理K-5、とを併せて総体として考えると、そのまま「量子もつれ」あるいは「量子エンタングルメント」になります。ただし、Kamu電気の世界では量子テレポーテーションは必要がなくなります。なぜなら、Kamu電気共変ベクトルが情報を「即」に伝達してくれるからです。一方、量子テレポーテーションの場合、量子エンタングルメントだけではテレポーテーションを完成することは出来ないので、追加で必要になるのが古典通信手段と言うことになるのです。つまり「現象界ではテレポーテーションは完成しない」のです。

◇早い素粒子はアマハヤミ
ローカルなAmaの世界では『 → 即 → 』は超光速ではあるけれど有限な速度と考えます。タキオンはギリシャ語で「速い」という意味だそうです。アマハヤミも同じように「Amaの早い〈ミ=モノ=情報量〉」あるいは「Amaの超光速通信素量子」と言うわけで、両者は同じような名称を与えられているのです。

◇虚数質量のタキオンとD√-1虚数次元のアマハヤミ
更に、両者とも虚数と深いつながりがあります。「虚数質量のタキオン」と「D√-1虚数次元のアマハヤミ」という共通性です。アマハヤミは光の前駆〈sHi〉として潜象界に姿を現します。つまりタキオンは光の前駆である〈D1ヒ・Hi〉より前に〈sHi=D√-1アマハヤミ〉として現れます。〈sHi〉の小文字の s は〈Hi〉の前駆状態の事を〈small-Hi〉と表示しています。こうした理由から最初に現れた『素粒子アマハヤミ』と言われています。おそらく、タキオンも同じように最初に現れた素粒子ではないかと見られるのです。

◇〈虚数次元のアマナ〉から生まれるアマハヤミ
”§12Kamu電気とAma電気の入れ子構造” で〈アマナ〉について記しましたが、この入れ子構造から〈アマハヤミ〉が生成されることが解っています。このことは、その名称からも推測されることですが、もともと『虚数次元の〈アマナ〉のAmaハヤミ』とも言うわけです。虚数次元の潜象は他にも〈アマヒ〉や〈フトヒ〉などありますから、アマハヤミの発生源は沢山あります。しかし、ひときわ人間やこの世界にとって重要なのが、この〈アマナ〉から発せられるアマハヤミなのです。


15、「静かなKamu電気の海」から「渦巻くAma電気の海」へ

◇ヒカリ〈Hi〉の発生
タキオンの正反(Kamu系タキオンとAma系タキオン)が〈Amana〉と〈Kamuna〉からの情報(エネルギー)を補給されて正反重合発生原理のフトマニ(Kamu公理K-7)によって〈Hi〉が発生します。繰り返しますと、正反〈sHi〉の重合が〈アマナ〉と〈カムナ〉の共役によって〈前駆ヒカリ〉が生まれます。〈前駆ヒカリ〉はKamu電気の海とAma電気の海との境界に位置しています。このようなKamuにもAmaにも親和性を持った独特の物性を持つ〈Hi〉が発生することになります。この境界型の特性を持った〈Hi〉を〈ホホヒカリ〉と相似象では表現しています。

◇光〈Hi〉の渦Utsu がAma電気の海を生み出す
いよいよ、ペンローズの『渦 → スピノール → ツイスター』の世界に入ってきます。Kamu電気の海はどちらかというと比較的に「静かな海」でした。しかし、潜象世界における重合と遷移が進行し、いよいよアマハヤミが生まれる段階に至って静かな海から逆巻く海へと遷移して行きます。Kamu電気の海のこの変遷は「渦巻くAma電気の海〈フキヲ〉」が登場する前触れでもあります。この渦(Utsu)からついに『前駆光〈Hi〉』が現れるのです。ということは、逆に「前駆光〈Hi〉がAma電気の海を生み出す」と言ってもよいのです。

◇光の前駆状態〈ヒ Hi〉
Kamu電気の海が〈Hi〉を生み出すまで遷移が進行したとき、それはAma電気の海が生成されることを意味しています。〈Hi〉は光の前駆状態であり5段階の入れ子構造の最初の物性です。〈Hi〉は〈sHi〉の重合によって生成されます。そして〈sHi〉はアマハヤミなのです。アマハヤミが持っているスピンはここでは光子渦へと発展して行きます。Kamu電気の海が静かな海から渦巻いている状態になりました。この〈渦Utsu〉がローカルなAma電気の海へと遷移して行きます。

◇ヒカリは万物を生む
光が万物の基礎である、、は、Ama電気の海の発生を表現するとすれば、ごく自然な事柄なのです。ヒカリから私たちに馴染み深い物質は生成され、生命質が形成されるのです。しかし一方で、舞台裏のKamu電気の海は私たちには見えないままなのです。更に、核として入れ子状態のAma電気の海も潜態ですから姿を見せないままです。そして〈ヒカリ〉といえど前駆状態の〈Hi〉は潜象なのです。


16、光の多変化位相とファインマンの仮想光子

◇光の多変化集積位相
光はKamu次元Dで表現される5段階の遷移を繰り返して観測可能な光へ物性遷移します。これを光の多変化集積位相とも言います。これを一覧してみましょう。
①〈Kamu電気波〉=D1 ヒ〈Hi〉前駆ヒカリ『ホホヒカリの共変ベクトル』
  *(電磁波ではありません、電気波です)
①〈Kamu電気渦〉=D1 ヒ〈Hi〉光子渦『イゴキヒカリミ』
  *(ペンローズのツイスターがイメージとして合っている)
②〈Ama電子波〉=D2 フ〈Hu〉前駆電子『カフシヌ』〈フHu=アワ+サヌキ〉
  *(〈Ama電気・アワ+サヌキ系〉の共変ベクトル)*注
②〈Ama電子波〉=D2 フ〈Hu〉前駆電子『イカツマクハヒ』
③〈Ama電磁力波〉=D3 ミ〈Mi〉素量子『カカリミ』
  *(電磁波ではありません「電気・磁気・核力」から構成された光波動)
③〈Ama電磁力輻射波〉=D3 ミ〈Mi〉素量子『ヒカリハタヒコ』
  *(アマハヤミと向力・番力との干渉から輻射発生した光で電磁波ではありません)
④〈Ama光量子〉=D4 ヨ〈Yo〉現象系前駆光『カカホ』=観測可能な前駆光量子の光 →
      電子から光量子に互換されて発生(光電効果及びコンプトン効果で観測)
⑤〈Ama電磁力波・光量子〉=D5 イ〈Yi〉現象系光『ヒカリカカリミ』=観測可能な光
  *(可視光線)
このヒカリの5種はすべて同じモノの位相として認識されるのです。これが光子の5段階入れ子構造の姿になります。D1からD4までが「前駆光子の4種」になります。
    *注・〈フ〉を『Hu』と表記するのは「訓令式表記」と呼ぶのだそうです。〈Hi〉の次を〈Fu〉とすると「ha hi fu he ho」となり一貫性が欠けるのです。そこで、日本語をローマ字で書くときは基本的に訓令式を使うことに決まっているのです。訓令式は 日本人が 日本語をかくためにつくった日本語らしいつづりかたで、ヘボン式は外国人が日本語をよむためにつくった英語風のつづりかた、と説明されています。

◇ファインマンの仮想光子
有名なファインマン遷移図式に登場する『仮想光子』を、この光の多変化集積位相から眺めてみたいと思います。そもそもの発端は、光子が ” D ドイチが発見した平行宇宙への扉 ”だったという展開でした。そこで引用したのが「日経サイエンスの2013年7月号では『揺らぐ(現象とその背後との)境界 非実在(潜象)が動かす実在』と題して ” 量子光学者のアスペ(Alain Aspect)が実際に単一光子を使って実験したところ,「ベルの不等式」は破られたという結論に到達したのです。」(括弧内は私による補足)
4-3-1・光子が開く潜象世界(1)


◇進化し遷移する光量子と4光子随伴
『有名な”ファインマン・ダイアグラム”は「想像を超える準光子」の存在を前提に描くことができました。ファインマンはこの光子を ”仮想光子” としてダイアグラムの中に設定しました。ファインマン・ダイアグラムは進化(遷移)する光子の未来像を想定していたかのように感じさせます』。
以上はこのブログからの引用になりますが、更に引用になります『「非実在=光子の影=光子の背景」 → 『潜象=虚数』 → 『虚数^2=1=現象前駆光子』、へという遷移プロセスを描くこととなります。ここで、「前駆光子」と名付けているものが「光量子」として観測にかかってくる物性に成長するのには、潜象段階からKamu次元で数兆回に渡る重合を5回行い、別の物性へと5回もの遷移を重ね、光量子に成長する必要があるからなのです』。

◇Ama電気の海は平行するKamu電気の海への扉
仮想光子と虚数の関係を簡潔に表しているのが谷村省吾の論文でした。これも引用です『それは、「ベルの不等式の破れを代数的量子論で分析する」と題されるもので、実験抜きでも理論的に証明できるというものです。いよいよ来たか!、、谷村の証明は簡単に言ってしまえば「虚数」を使えばいいというものです』。光子は虚数の申し子である ” タキオン〈sHi〉”の重合によって生まれました。これは〈Hi〉の生成履歴書のようなものです。
リンク 谷村省吾論文


Ⅵ、Ama電気の海(ディラックの海)は電子を創る

17、Ama電気の海における〈Awa〉と〈Sanuki〉


◇現代科学が準粒子として電子〈アワ〉と反電子〈サヌキ〉を公式に認める!
次は『Ama電気の海〈フキヲ〉』が表現する世界です。〈フキヲ〉はKamu次元ではD2次元である事はすでに記しました。これに関連するものが〈Awa〉と〈Sanuki〉です。このブログではすでにアワとサヌキについて ”(その1)7 潜象・虚数・エレクトロンホール” で触れています。そこでは ”エレクトロンホール、正孔つまり潜象の〈Awa〉を準粒子として科学的に存在を公式に認める。このような新たな機運が最近になって明瞭になった、というのが「準粒子概念」が現れた裏舞台です” と記しました。潜象〈アワ〉を準粒子として理論的に認めようではないかという現代物理学者からの提案です。
リンク:(その1)7 潜象・虚数・エレクトロンホール
リンク:準粒子

◇〈正孔=Awa〉と〈電子=Sanuki〉
Ama電気の海が最初に生み出した素量子が〈Awa〉と〈Sanuki〉です。どちらもKamu次元D2ですから共に潜象です。
〈Sanuki〉は電子ですが、今のところKamu次元D2の『前駆電子』です、これも現象電子になるまでに4段階の遷移が必要ですから4重の入れ子構造になっています。
この4重の入れ子構造が生み出すのが【サヌキ型系の電子=『①陰電荷電子・電子』と、『②陰子=反陽子』の2種へ】、また【アワ型系の正孔=③『陽電子・正孔』と、④『陽子=プロトン』の2種】の4種、つまり4つの物性位相と言うことになります。〈ヲ〉の4相というのはこのことなのです。


18、サヌキ型電気量子とアワ型電気量子

◇電子=Sanuki → 反プロトン
電子は今の段階では「サヌキ型電気量子」といいますが、それには「正反対向の4相」という物理が背景にあるのでこのような呼び方をします。つまり、遷移する段階、D2からD5へ遷移して行く過程で電子は【サヌキ型電気量子 → ① D2 電子1 と② D5 反プロトン 1847】へと成長し物性分岐をして行きます。この数字 1 と 1847 は「電子の質量 1」に対して「反陽子の質量 1847」になるということです。ここで「質量」と呼んだものはAma電気の「反変ベクトルのスカラー量」のことです。

◇正孔=Awa → (正)プロトン
正孔は「アワ型電気量子」です。こちらも「正反対向の4相」という物理によって、【アワ型電気量子 → ③D2正孔1と④ D5プロトン1847】へと遷移して行きます。「正孔1のKamu次元」はD2、ですが、「プロトン1847の次元」はKamu次元D4になります。遷移するごとに質量も大きくなることが解ります。特にKamu次元D4という次元は「D4時間座標軸」が成立する過程の次元ですので、〈トキ〉の反変ベクトルが強く作用して「質量=Ama電気微子の集積」が大きくなるのだと見られます。

◇フキヲの4相
【サヌキ型電気量子 → ① D2 電子 と、② D5 反プロトン】と【アワ型電気量子 → ③D2 正孔と、④ D5プロトン】この4種の電気量子が生成される物理を『フキヲの4相』といいます。〈ヲ〉はもともと「①〜④相の4種」という意味合いで使われたものです。この辺の説明は、線形代数の回りくどい説明のようですが、その煩雑さを〈ヲ〉の一声で済ませるのが相似象の特徴です。このことは、相似象は「抽象度が高い」と表現しても過言ではないと思います。

◇フキヲとダイアド
フキヲの4相とは、結局「二価一組の偶構造」であり、このことをベクトル解析では『ダイアド』ともいいます。これを私たちは『Ama・Kamu正反二価一組の偶構造』として受けとめています。線形代数ではベクトル a, b のテンソル積を a ⊗ b で表し、二項積テンソルとしてこの偶構造を表現しています。数学的にはこの様なテンソル解析(ダイアド)として進めますが、〈Sanuki〉と〈Awa〉二項のダイアドでは図式的に「①〜④相の4種」と要約して理解していれば十分だと思います。


19,Kamu電気の海とAma電気の海の境界

◇プロトン1847はAma電気の海
電子はD2からD4へと次元遷移してもKamu電気への親和性から質量に変化はありません。一方、同じ電子がAma電気の歪性から遷移すると、プロトンへ物性遷移します。これは公理系がKamu公理系からローカルなAma公理系へと交代したから起きた物性の2つの変化です。これは電子がKamu公理系の下で遷移したのに対して、プロトンが「Ama公理 A-5 imatachi」 に基づく次元遷移をしたことに原因があります。いま、これを詳しく説明すると長くなるので、とりあえずAma電気の海ではAma公理系が素粒子(この場合、プロトンなど)の生成に関与する、と理解して頂きたいと思います。

◇2つ公理系が重なる「公理Yata:飽和統計分配関数」
電子がKamu公理系の支配を受けているのは、Kamu公理 K-8とAma公理 A-1が同じ〈Yata=飽和カスプ型分配関数〉として重複する境界点にあるからなのです。つまり、「電子」は「プロトン」とは違い、「Kamu電気の海とAma電気の海の境界」に位置する物性を持つのです。言い換えれば、電子は〈ヒHi=光の前駆状態=Kamu電気の海〉、つまりKamu電気と生成過程で直接関係があるのだと、ここでは理解して頂くしかありません。「公理系」については稿を改めてまとめて説明したいと思いま

    Kamu公理系K-1〜7
    Kamu公理系K-8
    Ama公理系A-1〜8


Ⅶ、電子のスピンは磁気と核力を生む(Mitsugo素量子)

20,電子のすごいスピン


◇虚数世界の正反回転
このブログでは「万物は回転する・ペンローズの宇宙大航海時代の羅針盤」の中で「虚数世界の正反回転」が極めて豊かな世界を切り開くことを見ました。”虚数世界の回転といえば、スピンあるいはスピノールという量子力学の虚数スピン概念がある”わけです。 複素数の世界における量子スピン概念は直感的に理解するのが難しいことで有名な世界です。そして、サヌキ型電子もアワ型電子も共にこの量子スピンの世界の存在なのです。


◇物理的に「角度 → 粒子のスピン」だけが重要
相似象ではこの量子スピンをごく日常的な表現ですが、『回って〈マワリ〉・同時に・廻る〈メグル〉』と表現します。このブログでは ” 特異点(潜象世界)では長さや時間が意味をもたなくなり、物理的に重要なのは「角度=共形幾何学 → 粒子の回転」だけになる、というペンローズの当初の理論に立ち戻ってしまう ”と述べました 。事実、Kamu次元D1からKamu次元D4に至るまで時空は互換重合状態です。この前駆状態の時空が独立した時間軸と空間軸になるにはKamu次元D5になるまで待たなければならないのです。いまは、物理的に「角度 → 粒子の回転」だけが重要になるのです。
 リンク 物理的に重要なのは「角度=共形幾何学 → 粒子の回転」だけ



21、電子の3種の集積位相 ①電子 ②磁気 ③核力

◇磁気Makumiは電子の回転集積位相
正反スピンが物性の分かれ目です、ここで初めて『磁気』が現れます。『サヌキ・スピン右旋のイカツミ電気物性』そして『アワ・スピン左旋のマクミ磁気物性』です。発電機の構造をイメージしてみると、これが発電の原理であることが理解出来ると思います。磁石を回転させると磁極の正反と電子の正反が対向逆流し〈ウズ〉を巻くことになります。実はこの物理は電子が生まれるときにもありました。それは『前駆光子渦』が発生し、この渦の正反対向集積位相から〈アワ〉と〈サヌキ〉と呼んでいる『素量子または素粒子』が生まれたのです。そして今度はこの渦(Utsu)から『磁気』が発生するのです。

◇電子の磁気モーメントは電子のスピンで生まれる
電子(と言うことはAma電気)の3種回転集積位相の1つとして磁気の発生があるというのが相似象の考え方です。《巻く身=捲く実〜マクミ》を電子のスピン物性との関連から「磁気」と理解したのです。つまり磁気は電子の回転から生まれたのでした。そして〈ミ〉の声音符解析から、これが『素量〜クオーク』であると理解しました。あくまでも磁気は「Ama電気の3種回転集積位相=素量」であることから、独立した電子のような「正反単極子=素粒子」ではない、という結論になったのです。

◇電子渦を包む容器〈カラミKarami核力〉1
電子渦には回転エネルギーが生み出す収縮力が渦の拡散を防ぐ「境界浸透膜」を生み出します。この外膜が、Amaの超微粒子から形成されて『殻=容器』となって電子の形状維持を支えて居ます。これは、内部だけを〈加圧、収縮、旋転〉する〈カムナ〉のチカラの分身〈アマナ〉の機能です。この殻のことを〈カラミ〉と呼びます、素粒子論では『核力』と呼んでいるものとほぼ同じ物性を持った素量です。カラミ素量はD2電子から重合遷移した物性でD3次元へと遷移した〈ミ=素量=素量子〉と呼んでいるものです。

◇電子渦を包む容器〈カラミKarami核力〉2
〈カラミ〉が『核力』であるという理由ですが、《カラ=境界浸透膜= 容孔壁 》は内部を《カラミ=加圧力、収縮力、旋転力、粘着力》をもって《形相維持=粒子性=形状の持続》を行っているからなのです。ここで、核力の「ネバリ=粘着力物性」は聞き慣れないものと思います。ところが、「粘性係数に関する議論や,クォーク・ グル―オン・プラズマを通して超弦理論と流体力学 が直接結び付くという話題は特に興味深い」という2012年の記事をご覧ください。
リンク:2012年の記事

◇3種のクオーク位相〈ミツゴMitsugo〉
相似象では〈ミツゴ〉と呼んでいる『Ama電気の3種集積位相= ①電気素量 ②磁気素量 ③核力素量=ミツゴ』は、電子に随伴する素量として3つ組み「一体のモノ」と見なしています。これはクオーク理論で示されている素粒子モデルとよく整合しています。クオーク理論の進展は初期のモノより現在の〈カラミ=核力=グル―オン〉が加えられたものの方が、より〈ミツゴ〉に近づいて居ると感じさせてくれます。

◇〈ミツゴMitsugo〉は生命を解明する鍵になる
クオーク理論では指摘されることのない事柄ですが、実は〈ミツゴ=クオーク〉は生命の誕生に深く関わっています。このことは、〈カムナ〉と〈アマナ〉とが共役的に構築している「ミクロ共変ベクトル通信システム」を見れば一目瞭然なのです。なお、〈ミツゴ〉のKamu次元は電子の D2 から遷移したものなので Kamu次元D3 になります。



Ⅷ、ホイーラーの予言・「万物は情報である」

◇ファインマン、ペンローズ、Dドイチの系譜
このブログでは、最初に「万物は粒子である」というファインマンの思考を追ってみました。次いで「万物は回転する」というペンローズの生物分野までも取り込んだ、先進的で説得力のある理論に寄り道して、最後に「万物は情報である」というDドイチの物理哲学に至りました。

◇量子コンピューターのパイオニア
この3人は共に量子コンピューターのパイオニアとしてその名を刻んでいる物理学者です。いわば量子コンピューターの申し子とでも言える3人がそれぞれ個性的であることも共通したところです。

◇ホイーラー”今はすべては情報であると思っている”
「万物は情報である」と主張したのはホイーラーが最初のようです。晩年のホイーラーは自伝のなかで”最初私はすべては粒子であると思い,次にすべては場(波動)であると思い,今はすべては情報であると思っている”(抄訳)と語っている。(名伯楽逝く~日経サイエンス2008年7月号より)
リンク・名伯楽逝く~日経サイエンス2008年7月号

◇ジョン・A・ホイーラー(1911~2008)John Archibald Wheeler
ホイーラーの教え子であるDドイチは当然ながら師の教えを受け継いだと思われます。ホイーラーの名前はいくつか表記があって混乱を来しているそうなので本名を表示しておきます。ジョン・A・ホイーラー(1911~2008)John Archibald Wheeler

◇粒子と場と情報を統一するモノ
さて、宇宙万象は一体何モノなのでしょうか?いっそのこと、量子論がたどったように万物は「粒子」であり同時に「波動(場)」、と、、、そして、更にこれを延長して、宇宙万象が「情報」である、と 、、では、これらを量子論の拡張として統一的に表現出来る方法があるのでしょうか。つまり、粒子であって、波動であり、同時に情報であるようなもの、、?

◇相似象では〈キ=気=電気=情報〉で統一する
『すべて「物質の性質」や、「人間、社会の現象」は、99%まで電気支配として説明し得る。これは、コジツケではない、ということは電気は、『Ama・Kamuのハタラキ』を意味し、Ama・Kamuは、人間や自然や宇宙の存在のすべてに優先して存在して居るものであるからである』。これは宇野多美恵が相似象に記述した言葉ですが、もともと楢崎皐月の思想を彼女なりに要約したものなのです。


           前編に戻る
    Ⅰ、ディラックの海とAma電気の海
    Ⅱ、モンスターKamu電気の海
    Ⅲ、反変ベクトルと共変ベクトルの実体はKamu電気
    Ⅳ、Kamu電気は創造的な情報システム


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今回は長文となりましたので2回に分けて掲載いたしました。
次回は「時空の双対性理論(3)」として「Kamu公理系、Ama公理系」について説明を行いたいと思います。


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Kamu Number Theory
https://kamu-number.com/
copyrght © 2023.Allright Rserved Masaki Yoshino


4-3-4・時空の双対性理論(2)電気の海(前編)

2023-04-15 15:55:11 | 量子コンピューター

量子コンピューターという思想
(その4)万物は情報である─ドイチの万物の量子コンピューター
4-3・光子が開く潜象世界(4)


4-3-4・時空の双対性理論(2)電気の海(前編)
     
     (前編)
Ⅰ、ディラックの海とAma電気の海
Ⅱ、モンスターKamu電気の海
Ⅲ、反変ベクトルと共変ベクトルの実体はKamu電気
Ⅳ、Kamu電気は創造的な情報システム
      (後編)
Ⅴ、Kamu電気の海は時空、タキオン、光を創る
Ⅵ、Ama電気の海(ディラックの海)は電子を創る
Ⅶ、電子スピンは磁気と核力を生む(Mitsugo素量子)
Ⅷ、ホイーラーの予言・万物は情報である



Ⅰ、ディラックの海とAma電気の海

1、現代物理学を潜象界へ拡張

◇ディラックの海
電気の海と聞けばすぐに思い浮かぶのが”ディラックの海”だと思います。ディラックの発見は従来の物理学からの脱皮を促す大きな第一歩でした。これによって物理学は確実に潜象の世界に向かって拡張されて行きました。同時に、反電子の空孔物性は半導体の物性理論を導くものとなりました。現代物理学の潜象界への拡張は驚くほど豊かな成果を生んでいます。

◇ディラックの冒険
反電子、若しくは反物質というフィジカル・イメージを創造したディラックの勇気はハイゼンベルグなど友人たちの力添えが大きかったと思います。ヴェイユのように思いがけず孤独のまま、1人で潜象の世界に踏み込まなかったディラックは幸いでした。ディラックの海は(潜象系)反電子の広大な海にポカリと孤独な(現象系)電子が浮き上がっている、まーそんなフィジカルイメージでしょうか?


2、ディラックの海とフキヲ(Fukiwo)

◇フキヲの海 Ama Fukiwo See
相似象ではディラックの海を〈 Ama Fukiwo See 〉と呼んでいます。カタカナだと〈Ama・フキヲの海 〉です。このアマ・フキヲの海は潜象であり、Kamu次元ではD2になります。(D0からD4までが潜象)〈フ〉はD2の数字2を表現していますが、同時に「正反2つ」の表現でもあります。次に、『ヲ』ですが『入れ子の正反』つまり4相の状態を表現しています。入れ子の正反とは、{ ±電子 と ±正孔 }の「ダイアド4相」のことです。ここでディラックの反物質という概念はテンソル解析(ダイアド演算)になってくるのですが、これを「ダイアド4位相」を呈していると表現します。


◇電子とElectron Hole
「電子と正孔Electron Hole」を相似象では〈サヌキSanuki〉と〈アワAwa〉とよんでいます。これは、「サヌキ=電子」と「アワ=正孔」となります。この「サヌキ電子」は入れ子構造になっていて、4段階の遷移を繰り返した後に通常の測定可能な「現象電子」になります。つまりサヌキは4重の入れ子構造です。すでに触れました「光子」の5段階の入れ子構造より1段階少ないことになります。(光子と電子の質量は次元遷移しても変わりません、その理由は §19,Kamu電気の海とAma電気の海の境界、で説明します)



3、電流の謎と反物質

◇電子は流れない
ディラックの偉大さは、この「正孔電気ホールを物理学的に突き詰めること」を行ったことでした。実用的で身近な電気を私たちは熟知していると思い込んいます。ところが、『電流』という現象を一つとっても、その説明に行き詰まってしまいます。このブログでは電流の謎について、小寺克茂の解説と研究を引用しました。ところが、ディラックの海を使えば電流の謎が解明出来ます。電子は電線の中を流れているのではないのです。

 リンク (ミクロとマクロの間)川の流れと、電線を流れる電気の物理」
 リンク 小寺克茂「電流と電子の速度」

◇電流の謎と電気の海
電線の内部は反物質の海だとイメージしましょう、つまり電線の内部は反物質からなるディラックの海だったというわけです。エレクトロン・ホールは電子と『対向』することによって『対消滅』した次の瞬間に新たな電子を『対向発生』します。あらたに発生した電子は隣の正孔と次々と『対向消滅・即・発生』をドミノ倒しのように引き起こして行きます。このドミノ倒しの速度は電線の物性と深く関わっているのです。この『対向消滅・即・発生』を〈フトマニの物理〉と言います。

◇〈フトマニ〉の物理
粒子加速器で高エネルギーの粒子を標的に衝突させる実験は有名ですが、この衝突の瞬間に何が起こっているかを追及してきませんでした。衝突の結果現れた発生粒子の軌跡の観測と解析にとどまっているわけです。実はフトマニの物理で解ったことは、{ ±電子 と ±正孔 }において新たな粒子の発生には〈Ama電気の海=アマナ〉と〈Kamu電気の海=カムナ〉の共役が絡んでいるのです。〈アマナ〉と〈カムナ〉は、この後の「 §8,入れ子構造の遺伝関係は保形形式」で触れます。衝突でいきなり次の粒子が発生するのではなく、潜象の関与があればこそ《対向 (衝突)→ 消滅 → 潜象 → フトマニ → 潜象 → 発生》という物理プロセスが行われます。

◇電流の〈フトマニ〉と〈イマタチ〉の物理
〈フトマニ〉はKamu公理K-7になります。なお、電流のような巨視的で統計的現象の世界における問題の場合に必要な物理は〈イマタチ〉です。〈イマタチ〉はAma公理A-5に該当するものです。公理全般については今後このブログで説明を予定しています。〈フトマニ〉の公理は現代物理学では認識されていないものですので、馴染みのないものと思います。電流の物理を理解するにはこの公理が前提となります。いわば反物質、若しくは潜象の世界を理解する為に必須の物理と言うことになります。



4、「対向消滅 → 即 → 発生」という〈フトマニ〉公理

◇電子がドミノ倒しによって運ばれる
電流は、電子の移動ではなく、正孔と電子との『対向衝突消滅 → 即 → 対向衝突発生』によって隣の電子がドミノ倒しのように連続して発生してゆく過程とみるのです。これは神経細胞の「電気興奮」が、次々に移動する現象も、刻々の細胞内電気の海との『対向+衝突』により、刻々の現況条件に対応して発生していると見るのです。つまり、正孔は、伝導電子のように、実質で「電荷担体」として振舞うことができる、とも言えるわけです。

◇対向消滅即重合発生という物理(Kamu Axiom K-4 Mukahi)
「正反対向発生」という簡単な表現で「対向消滅 → 即 → 対向発生」という現象を括ることが出来ます。正反対向発生がドミノ倒しの原理です。このことを「対向によって摂動力が起きる物理」とも表現出来るのです。『対向・消滅・発生の原理フトマニ』は潜象界と現象界の対向相関があるような場合は現象面だけが見えて、潜象部分は隠れて見えない(観測出来ない)という問題が頻発します。私たちが観測するのは表面の電流だけということになります。ここで、『対向』のことを〈ムカヒ〉と呼びます。

◇〈ムカヒ〉の物理
〈フトマニ〉の物理で触れたプロセスをここでもう一度検討します。〈ムカヒ〉の物理をこのプロセスに加えれば、《対向衝突 → (ムカヒ)→ 消滅 → 潜象 → フトマニ → 潜象 → (ムカヒ) → 対向発生》と、より精密になります。何故、高エネルギーの粒子が「衝突」すると新たな粒子が発生するのか?という疑問はこの〈ムカヒ〉の物理で理解することが出来るのです。この理解を推し進めると、電子のスピンが生み出す「電子渦」が集積位相をもって多様な素粒子を生み出すことも理解出来ると思います。

◇正反対向発生という概念は現代物理学には存在しなかった
電流の問題がボルタの実験以降200年近く謎のまま経過した背景としては、『正反(潜象対向)発生』という概念が現代物理学には存在しなかったからだと思います。従って、ディラックの海の発見はようやくこの壁を乗り越えた業績だったのです。現代物理学がこれによって現象物理の限界を超えて潜象物理へと脱皮できました。「Axiom K-4 Mukahi」は「全ての観測出来る物象は現象と潜象の対向によって発生する」と要約できるのです。この『Mukahiムカヒ』と呼んでいる物理はKamu公理系の重要なもののひとつです。

◇表舞台と裏舞台
電流の場合を見れば、ディラックの海は舞台裏の仕掛け、電子は舞台の上で演じている役者、その演出は「正反対向発生」という演出原理、という例えが出来ると思います。観客の私たちは表舞台だけを「観察」して” 電流 ”と表現しているのです。この正反対向発生に於ける『正・反=フト=「アマナ・カムナ2相フ」の「ト対偶」』という関係はあらゆる場面で効いてきます。物質と反物質、電子と正孔、消滅と発生、現象と潜象、プラスとマイナス、などこの「正反対向発生」の中に含まれているのです。



Ⅱ、全宇宙球スケールのKamu電気の海 - Kamu Fukiho See

5、モンスターKamu電気の海


◇モンスター電気の海
さて、次は「ディラックの海」を遙かに超えるスケールの大きなモンスターな海の話になります。相似象では、全宇宙球スケールの電気の海が存在する事を主張します。これはディラックの海を『Ama Fukiwo See』と呼んで、〈ヲ=4相〉に位置づけた事と関連しています。

◇銀河系スケールのAma電気の海
ディラックの海は最大スケールとして銀河系、そして最小スケールとして素粒子の世界なのですが、こちらのもう一つの壮大な海は全宇宙球に満たされた「モンスター電気の海」なのです。そして、このモンスターからディラックの海は生まれました。つまり、まずKamu電気の海があって、そこからAma電気の海が生まれた、と言う関係にあります。


6、壮大な電気の海が持つ超巨大機能

◇楢崎皐月が解明したモンスターKamu電気の海
まず詳しい説明をする前に、このモンスターKamu電気の海が、どの様な「働き」をしているかを見ておきたいと思います。あらかじめ、このモンスターな海がどの様な機能を持つかを理解しておけば、自ずとフィジカルイメージが浮かんでくるからです。

楢崎皐月によれば、
①始元量を分解したり構造させて創造する巨大な「エネルギーの生産機能」
②諸粒子を(素粒子から天体まで)はじめ「諸物質を創造する機能」(生命体を含む)
③潜象から現象へ「親和する機能」、同時に現象から潜象へ「親和し回帰する機能」
以上ですが、『超巨大機能』のどれもが私たちの思考範囲をはるかに超えるものばかりだと思います。

◇全宇宙的な電気の海 ”Kamu Fukiho See”
ディラックの海を大きく包み込むこのモンスター電気の海の名称ですが、まず”〈フキホ〉Fukiho"について説明いたします。すでに、ディラックの海は”Ama Fukiwo See”であることは見てきました。そこで” Fukiwo”を「フキ・ヲ」と表記しました、今度は「フキ・ホ」になります。〈ヲ〉と〈ホ〉の違いです。ここで、〈ヲ〉は4相を表し〈ホ〉は親和性を強調するものです。実は正確な表現は〈フキヲ〉は〈フキホ・ヲ〉を短縮したものです。

◇〈フキホ〉について
〈フ〉はすでに見ましたが、正反2相です。〈ka〉と「kaの反」が〈ma〉です、これで正反2相となります。この〈フ〉が〈キ〉を生み出すというのです。〈キ〉とは『気』という漢字で表現されることがあります。東洋医学では『気』をよく扱って居ます。そこでは「宇宙の気」とか「元気」とも「電気」とも表現されるもののことです。

◇カタカナ表記の説明
電気の海の名称にカタカナ表記は必須なのですが、背後には相似象の深遠な世界があります。その説明に要する範囲は広大なもので、このブログの趣旨からはかけ離れたものとなります。そこで、このブログでは以上のような極く簡単な説明で済まさせて頂きたいと思います。不足部分、若しくは公理の全体像はこのブログの中で今後補ってゆきます。


7、〈Kamu〉と〈Ama〉について

◇KamuとAmaの違い
” Kamu Fukiho See ”と” ディラックの海Ama Fukiwo See ”の違いで決定的に明確なのは、このKamuとAmaなのです。「宇宙球の”外部との境界”と”内部世界”で構成される〈Kamu〉」と「宇宙球”内部だけ”の〈Ama〉」という関係です。現象親和性として〈Ka〉から分岐したものが〈Kamu〉です。その分岐の動機はKaの自覚的で自発的な『歪み』性なのです。この歪み性はKamu公理-1(Makatama)として重要なものです。素粒子論では「南部の自発的対称性の破れ」として、この「歪性の物理」を理論として確立されています。

◇〈Kamu〉は有限な宇宙球「全体」
従って、〈Kamu〉は有限な宇宙球「全体」をしめすものですが、なおかつ〈Ka〉との一体性も境界部分で保持しています。この〈Ka〉との一体性は宇宙球外部との境界(これを〈Kura〉と呼んでいます)を共有することで成り立っています。平行宇宙方程式では、〈Kamu〉を〈ka〉と小文字で宇宙球全体の有限性を表示しています。

◇〈Ama〉と〈ma〉について
一方Ama Fukiwo Seeで表記されている〈Ama〉ですが、〈Ama〉はあくまでも〈Kamu〉からの互換重合体として〈Kamu〉の現象親和性を遺伝的にもって正反対称遷移分岐したものです。従って〈Ama〉は〈Ka〉との直接の繋がりはありません。あくまでも〈Kamu〉または〈ka〉と〈Ama〉は正反対偶の存在です。

◇平行宇宙方程式における〈ma〉
〈Ka〉は無限界ですが「〈ka=Kamu〉は境界領域を加えた有限界」です。その〈ka〉から分岐遷移した〈Ama〉は当然のこと有限界です。〈Ama〉から分岐遷移した〈ma〉は〈Ama〉から現象親和性として分岐遷移したものです。これが平行宇宙方程式に表示してある〈ma〉です。ここまでの説明は図式で見れば一目瞭然なのですが、文章として説明するといささか回りくどくなります。

◇超巨大な〈Kamu〉とローカルな〈Ama〉の入れ子構造
「万物は球体である」というイメージを具現している宇宙球全体を指し示す〈Kamu〉と、現象親和性の強い〈Ama〉はお互いに球体という相似性を維持しながらも部分と全体の入れ子の遺伝関係を持っています。(◇「楢崎皐月が解明したモンスターKamu電気の海」の超巨大機能・をご覧ください)



8、入れ子構造の遺伝関係は保形形式

◇部分と全体の入れ子構造の遺伝関係は保形形式
部分と全体の入れ子の遺伝関係のことを『保形形式』と呼んでいるのですが、Kamu電気とAma電気の関係では〈ka〉の一部である微分素量の〈Kamuna〉と、〈ma〉の微分である〈Amana〉が相互に入り込む(入れ子構造)になります。〈Amana〉はローカルな物性として、存在する全ての原子核を構成しているのです。つまり、原子核内部は「微分Ama電気の海」なのです。

◇Kamu電気の海は全宇宙球の始元状態
ある宇宙球が「1つのもの」として統一的にかつ安定的に存在するためには、全体を統括する『超巨大機能』が必要なことは極く自然に理解されることと思います。そのような機能が欠けていては全宇宙球が安定的に存続出来ずに、崩壊してしまうからです。それが楢崎皐月の提起したKamu電気の海が持っている3つの超巨大機能だったのです。



Ⅲ、反変ベクトルと共変ベクトルの実体はKamu電気

9、情報供給を行う倉(クラKura)としての〈Ka〉

◇時空を構築するKamu電気
無限界の〈Ka〉から有限界〈Kamu〉が受け取る膨大なエネルギーは、必要なだけ補給され、持続が可能な範囲で補給されます。補充するのが宇宙球外部〈Ka〉と内部〈Kamu〉との境界領域です。この境界領域を〈クラKura〉と呼んでいます。これまではこのエネルギーを単なる熱エネルギーのようなものとしてイメージしてきました。ところが、単なる熱エネルギーでは時空互換重合量子が素粒子の生成、若しくは物質を生成する原動力であるためには決定的に認識が不足しているものがあることが明らかです。

◇Kamu電気とエントロピー
物質を生成する原動力として、ここまで解明していなかったものは「情報」です、これを解明する糸口が ” Kamu電気の海・Kamu Fukiho See ”と明記されている〈Fukihoフキホ〉という物性物理の相似象解析なのです。相似象解析は声音符解析とも言われ、長い時間かけて解読したものの応用編とでもいうものです。この応用編は解読の結果を『検証』するものとしても役立つものなので、首尾一貫性が示されれば解読の正しさが解るのです。

◇Kamu電気イキと時間量トキ
先ほども触れましたが〈キ〉はエネルギーだけではなく、エントロピー(情報)を示しているのです。どうしてか?、、
時間のことを〈トキ〉と表現しています、そして時間量(トキ)の微分量は〈イキ〉と表現しているのです。
ここから次のような関連が相似象では精細に解明されています。
《トキ → イキ=イカツ(前駆電気) → 〈キ〉 → タマ・イキチ=宇宙球Kamu電気 → Kamu情報量エントロピー》
《トキ=反変ベクトル=Kamu電気容積量=Kamu情報量エントロピー》
以上の一連の関連が浮かび上がってきます。この論理的な過程は次の相似象による〈キ〉の声音符解析から導かれた結果を総合したものです。
なお、『タマ・イキチ』は《「タマ=宇宙球」「イ=始元」「キ=電気」「チ=Kamu情報」》という「声音符解析」の結果なのです。



10、反変ベクトルのスカラー量(容積量)

◇Kamu電気の微分集積体と積分
〈トキ〉の声音符解析から分かったったことは、〈トキ〉は〈Kamu電気の微分集積体〉なのです。更に、〈トキ〉について導かれることは、反変ベクトルのスカラー量(容積量)はKamu電気の微分集積体(Kamu電気の積分)から成り立っていることが解ってきました。平行宇宙方程式に積分記号が現れるのはこのような工程を反映したものとなっています。(因みに、算術より微分・積分が先に発生しているのです)

◇始元量を創るモンスターKamu電気
Kamu電気の海から生成された〈トキ〉は、容積量の実質をなすものがKamu電気であり、始元量を分解したり構造させて創造する超巨大な機能を持つ「情報」そのものだったのです。前回§16で記しましたが ”時空は始元量から発生” します、その始元量を創るのがモンスターKamu電気なのです。(前回の ”Ⅳ,光の速さは5段階可変 §15、添字は前駆状態の表示◇時空はエネルギー量子”)

◇〈イマ〉は時空の最小単位
こうして解ったことは、始元量もしくは潜象の時空を創造しているのはKamu電気のもつ「情報」なのです。潜象系時間はその「始元微分情報素量〈イ〉」の「積分容積量=反変ベクトル」であり、一方で「潜象系空間素量〈マ=間〉」は〈Ka〉から供給される〈エネルギー情報〉の「持続」から生まれる電気物性の「継続」によって引き起こされる〈ツラナミ=共変ベクトル〉、つまり波動なのです。〈イマ〉は時空の微分最小単位である物性としての意味がこれで明らかになりました。(前回の記事”§11,相対性理論と双対性理論◇時間量子の最小単位 Ima”の「砂時計」というフィジカルイメージ)

◇始元微分量子〈イマ=今=Ima〉
〈イマ〉という素量子がいかに小さいか、モンスター級の小ささだと考えられるのも「始元微分」という事情を考えれば納得が行くものだと思います。始元量を構成する〈イマ〉はモンスターKamu電気が生み出す宇宙で最も小さい量子なのです。一方で、〈イマ〉の波動はモンスター宇宙全体に即時に波及するモンスター級の早さ、超微波動を持つと考えられるのです。



Ⅳ、Kamu電気は創造的な情報システム

11、Kamu電気の入れ子構造 1

◇Kamu電気の情報システム
前回の ”§18、モンスター宇宙の観測情報(Ryu-Takayanagi formula 笠・高柳公式)”で ” 情報という観点に絞って考えれば、宇宙は極めてクリアーな存在として眺めることが出来る” と述べました。今回はこの《情報=エントロピー=物質》という考え方を前進させることが出来ます。エントロピーについてはこのブログの”2-2.時空互換重合量子とペレルマンのエントロピー”で触れましたのでご覧頂きたいと思います。
リンク:2-2.時空互換重合量子とペレルマンのエントロピー

◇Kamu情報システムの構造は入れ子構造
Kamu電気という驚くべき情報親和型の概念を使えば、宇宙が創造的な情報システムによって創られていることが明確になるのです。これは、このブログでは今回が初登場となる〈Kamunaカムナ〉と〈Amanaアマナ〉が主役です。この概念は、潜象世界から生命をも含んだ最も身近な物性世界への入り口でもあるのです。更に、『〈Kamuna〉と〈Amana〉によって形成される入れ子構造』という視点からその情報システムの構造を知ることが出来ます。


12、Kamu電気の入れ子構造 2

◇〈アマナAmana〉
本記事の ”§15、超巨大な〈Kamu〉とローカルな〈Ama〉”において「Kamu電気とAma電気の関係では〈ka〉の一部である微分量の〈Kamuna〉と、〈ma〉の微分量である〈Amana〉が相互に入り込む(入れ子構造)になります。」と記しました。アマナは全ての原子核を構成しています。物質といわず生命質を含めて全て存在するモノには〈アマナ〉が核として内在するのです。私たちが馴染んでいる原子核の実体はこの現象親和性が強い「潜象〈アマナ〉」であると考えることが出来ます。

◇原子の中の〈核〉が〈アマナ〉
原子を潜象の世界から見ると、全ての原子に〈アマナ〉が核として組み込まれています。実は、〈アマナ〉が核となって原子を創っているというのが潜象側から見たときの筋なのです。と、言うことは〈アマナ〉のあるところに原子が生成されると考えなければならないと言うことです。原子を構成する〈アマナ〉はそれに必要な「情報」を〈Ama電気〉から分有しているのです。つまり、〈アマナ〉とは『〈Ama電気〉アマの〈ナ〉分身』という意味で生まれた概念です。

◇〈カムナKamuna〉
一方〈Kamuna〉は〈アマナ〉に随伴する「ミニ・Kamu電気の海」つまり超小型の電気の海として〈アマナ〉に連れ添う配偶者状態で原子の周辺にあって「随伴」しています。正反(正をアマナ、反をカムナ)の対偶が核を形成して、全ての原子の物性物理を決定しています。このようなことから、「対偶もしくは随伴 adjoint, adjunction」を理解することが『正反対向発生・フトマニ』の物理を理解する入り口であると言われるのです。

◇〈Kamuna〉はKamu電気の海の分身
Kamuの巨大な規模に対してローカルな〈Kamuna〉は、どちらかと言えばAmaの物性に近いモノです。Kamuが壮大な重合と遷移を行う中で、〈Kamuna〉の様な分身を生み出したのです。これは、Ama電気の海を生み出す動機とも成ってきます。これは『渦巻くAma電気の海』へと今後展開して行きます。「Kamu電気の海」が「Ama電気の海」を作り出すきっかけは、この『渦』の発生です。



13、Kamu電気による〈Kamuna〉と〈Amana〉情報システム

◇〈カムナ〉はKamu電気の海の分身
この対偶する〈Kamuna〉と〈Amana〉は元々Kamu電気由来です。〈Kamuna〉は〈Ka〉の系統、〈Amana〉は〈Ma〉の系統ですが、Ama電気の海が形成されるまではどちらもKamu電気の一部なのです。このことが『反変ベクトルと共変ベクトルの実体はKamu電気』という意味合いになります。また” §7、超巨大な〈Kamu〉とローカルな〈Ama〉”で記したことは電気の海でも同じなのです。

◇〈アマナ〉と〈カムナ〉の交信は共変ベクトル通信
〈カムナ〉はKamuと同様な位置づけで、〈アマナ〉を入れ子状態に置いて、相互に『情報の共有=共変ベクトルの交換=電気波通信』をしているのです。つまり共変ベクトルは〈アマナ〉と〈カムナ〉の交信に主体的な役割を果たしています。ここで交信される実体は、ミクロの世界でもマクロと同じKamu電気の交換なのです。もともと〈カムナ〉は現象世界に派遣されたKamu世界の中継基地のような役割を担っていると考えられるのです。(「電気波」については、この後の § 16、光の多変化位相とファインマンの仮想光子)

◇量子もつれとミクロ共変ベクトル通信システム
Kavli IPMUの大栗博司が2015年に公開した「量子もつれが時空を形成する仕組みを解明~重力を含む究極の統一理論への新しい視点~」は重要な成果だと思います。これは、私にはKamu電気情報システムと強い関連があるように思われるのです。大栗博司は「量子効果から時空が生じる仕組みはよく理解されていませんでした」と記されています。時空の双対性理論から見れば、時空はKamu電気のベクトルとして理解されるわけです。そして、量子通信は『時空互換量子のミクロ共変ベクトル通信システム』つまり《〈Amana〉〈Kamuna〉》が担っているという見解になります。

リンク 大栗博司・量子もつれが時空を形成する仕組みを解明~重力を含む究極の統一理論への新しい視点~

          ✝  ✝  ✝  ✝  ✝

           後編に続


4-3-3・時空の双対性理論(1)トキトコロ入れ子構造互換重合時空量子

2022-08-02 15:36:07 | 量子コンピューター

量子コンピューターという思想(その4)万物は情報である─ドイチの万物の量子コンピューター
4-3・光子が開く潜象世界(3)

4-3-3・時空の双対性理論(トキトコロ入れ子構造互換重合時空量子)

Ⅰ,平行宇宙時空の前駆状態と球感覚


1、トキトコロ時空と特殊相対性理論

◇添字記法 Toki・Tokoro の説明
平行宇宙方程式の中の添字記法 ” Toki・Tokoro ” の説明をいたします。時空が人間生活の単なる「外界」として存在するものではなく、〈トキトコロ時空)が「素粒子生成量子」として現れる様子を目の当たりにすることと思います。その時、本当の時空がどんなものか、目を見張ることになると思います。

◇宇宙全体の調和
トキトコロ時空の前駆現象の見地から宇宙を眺めると、宇宙全体の調和というものがどのようにして成立しているかが解ってきます。ここからは相対性理論が抱えている困難がどのようなものかという問題も見えてきます。

◇非ユークリッド空間
まず、経験的に知っている時空は時計と物差しのあるユークリッド時空と言っていいでしょう。私達は日常的に時空を「ユークリッド空間+時計」という形で生活の中に取り入れています。ところが、次に述べる共形幾何学ではこのような日常的なユークリッド幾何時空の常識は通用しません。(一般相対論が革命的だったのは非ユークリッド空間を時空として提起したからでした)

◇アインシュタインのフィジカルイメージ
特殊相対性理論は日常生活に親密なユークリッド空間内に設定された2つの座標系の相対性を前提として組み立てられています。少なくともアインシュタインのフィジカルイメージに従えばそうなっています。ユークリッド座標系が存在するという前提から「同時性」「固有時」「光速度一定」という議論に到達しているのです。

◇現象の前駆状態
ところが〈トキトコロ〉は座標系が生まれる以前の「現象の前駆状態」を前提として考えられたものです。平行宇宙方程式のなかで添字記法として〈Toki・Tokoro〉と表記されているのは「前駆時空」という意味合いです。前駆時空は次第に成長して座標系を持つ時空へと遷移するのです。つまり、時空の前駆状態を特殊相対論は暗黙のうちにパスしていることになります。時空は ”すでにそこにあるもの” というのが相対論の前提です。

◇空間の物性
特殊相対論が有効なのは、あくまでも座標系を設定出来る世界だけの原理なのです。「距離」とは空間に散在する物体と物体との関係によって「仮に人間が決めた」ものにすぎず、空間そのモノの「物性」を決定してはいないのです。

◇固有時間は絶対時間の修正版
特殊相対性理論に於て「固有時」といって居るものも、物体に附随する「固有座標系」に於る時間的距離、物体に「つきまとう」固有の時間。つまり、物体によってそれぞれの固有の時間があるといふ考へ方で、これはニュートンの絶対時間の概念を固有座標にあわせて修正したものに過ぎないのです。

◇人間原理
特殊相対論の原理は測定可能な世界だけに限定されるということです。それは標準化された座標系を共有する人間世界だけに通用する「同時性」であり、いわば「人間原理」として考えられたものなのです。




2,宇宙大航海時代の球感覚

◇球感覚
平行宇宙方程式の添字として登場した〈トキtoki ⊕ tokoroトコロ〉を説明するに当たって、「球体感覚」もしくは「360°球感覚」について考えておきたいと思います。この球感覚は「重力」の問題点を考える上で予備的に必要な事柄です。

◇共形幾何学
このブログでは、大航海時代に球面を平面に写し変える共形幾何学と遠洋航海技術などを見てきました。これは古代、船乗りが大洋で体得した当時の最新技術でした。日常慣れ親しんだものとは別の時空世界が知られていたことを、このブログでは ”ペンローズの宇宙大航海時代の羅針盤” で記しました。”1569年にメルカトルによって「平面地球図」が描かれた、球面を平面に変換する世界最初の共形幾何学の登場である” 。つまり船乗りは「共形幾何学」という大航海に必須の特殊技術を永い経験から編み出し、これによってユークリッド空間の日常世界を超えていたのです。(§5、重力は人間原理から生まれた・球感覚について)

◇星辰宇宙的・体覚的
古来、西洋とともに東洋の遠洋航海を成功させた船乗りは、この特殊技術を王様といえども明かさず秘密にしていたとか。こうして長い間に積み上げられ、16世紀にメルカトルが数学として整備した世界が「球体感覚」若しくは「球感覚」と言われるものです。地球を「360°球体」として「星辰宇宙的」に、そして「体覚的→直感的」に認識すること、つまり「共形幾何学的球体感覚」を技術として自覚することによって遠洋航海は成功できたのです。

◇360°球体という思想
なお、非ユークリッド空間を含むリーマン幾何学の上に成立している一般相対性理論の空間感覚についての注意です。曲率を持ったリーマン空間は”360°全球体感覚”とは異なるものだということはご理解いただきたいと思います。特殊相対性理論における空間感覚は「360°球体感覚」とは異質であり、これが重力思想を生み出したのです。(§5、重力は人間原理から生まれた・球感覚について2,§6、引力と斥力そして第三の超遠隔作用系の2つの力・球感覚について3)
量子コンピューターという思想(その3)万物は回転する ペンローズの宇宙大航海時代の羅針盤(その3)- 5




3、時空の前駆状態は5段階の入れ子構造


◇前駆時空と虚数世界
時空の現象前駆をごく簡潔に表現すると、座標を設定しない、若しくは座標の存在しない時空を考えるということです。これは実在しない抽象的な時空ではなく、「潜象」世界と「現象」世界との境界領域という意味になります。これまで述べてきた「虚数世界=Kamu次元が虚数D√-1」というものがこれに該当するわけです。そして、自然数より虚数が先に発生したという、これまでの常識を超えた”数と時空の ” MaKa平行宇宙観 ” なのです。

◇ウィグナーの設問(虚数を仮定してこれほどうまくいくのは何故?)
このブログでは、「潜象」世界と「現象」世界との融合を複素数と呼んでいます。これが、ウィグナーの設問への回答だったわけです。(この後 §12でウィグナーについて触れることにします)ところが、時空の現象前駆状態には後に説明するKamu次元D1からD4までの前駆状態があります。虚数次元D√-1(Diとも印ます)を加えると『前駆状態は5段階』ある、ということになります。

◇Kamu次元D5から現象世界が始まる
これは「光の速さ(速度)は5段階可変」と深く関わる前駆状態になります。前駆光子が観測可能な光量子になるまでの変遷過程と同期するものです。この5段階は時空において観測可能な尺度形成や時計になるまでの前駆過程に相当します。つまり、「Kamu次元D5」以降が観測可能な「現象世界」ということになります。

◇5段階の入れ子構造
さらに、この前駆5段階は全て時空の遺伝的相似関係でつながっています、遷移しても時空は時空として物性が変化することなく現れます。Kamu次元D√-1時空はD1次元時空の中に、同じようにD5時空(これが座標時空になる)にはD4時空が包み込まれているのです。丁度どこまで開いても時空には違いないというのが「前駆時空」の入れ子構造に見られる特徴です。

◇時空、光、電子に共通
このような「入れ子構造」は「時空」「光」「電子または電気」だけに現れるものであることが特徴なのです。その理由は次回の”時空互換重合量子は素粒子生成量子”で説明する予定です。こうして〈MaとKaから成る平行宇宙〉には「時空入れ子構造」が存在することが特徴となります。電子若しくは電気・電磁波については次回の課題となっています。



4、一般相対性理論の成功と限界


一方で、一般相対性理論は幸いなことにリーマン幾何学というベクトル解析を起源とする数学を使うことで座標系から解放されました。従って、宇宙論として一応成功した理論と言えるのです。この成功によって特異点定理など重要な課題が証明され、ペンローズの宇宙論へと展開されてきたわけです。

一般相対性理論にとって重要なベクトル解析については、この後「共変ベクトル」と「反変ベクトル」の項で説明いたします。相対論は数学の驚くべき能力によって一応の成功を収めたのですが、特殊相対論の原理をそのまま引き継いだことから発生する矛盾を避けることが出来なくなったのです。それが次に述べる「重力理論」の問題点なのです。球体感覚についての知識が重要になるのは、重力と斥力についての思考実験とそのフィジカルイメージを考える上で基礎的な観点になるからです。

◇共形場のムーンシャイン
球体感覚が共形幾何学と深く関連しているのですが、共形場理論との関連についてポアンカレ円盤、共形場AdS/CFT対応、さらにミランダ・チェンのアンブラルムーンシャインなどは保形形式を接点として深く関連しているようですが、その内容については専門家によるガイドに期待したいと思います。(「2次元共形場の理論 → リーマン面の写像類群に伴う保型形式論となる」という記事を見ました)





Ⅱ,「反変ベクトル→トキ」・「共変ベクトル→トコロ」



5、重力は人間原理から生まれた・球感覚について2


相対論の矛盾は、「重力」という思想に色濃く反映されています。重力は座標系の中で計測されたフィジカル・イメージがその起源です。ガリレオに始まる研究事情は特に説明の必要はないと思います。日常世界から遠く離れた地球大航海時代にユークリッド空間を超える新たな時空を発見した例をすでに見てきました。重力はあくまでも日常世界のユークリッド時空という枠の中で認識されたものであるということが重要なポイントです。

つまり、日常生活では特に球感覚を駆使する必要はありません。地上に落下するリンゴは地面に到達するだけで、私達は重力を思考実験からの抽象として認識出来るのです。それ以外の想像力によるデフォルメは必要ないのです。このように、重力は人間の問題なのであって宇宙では別のフィジカルイメージを持つ力を想定しなければなりません。

◇トポロジカル潜象Kamu次元
慣習としてですが、重力と言いながら実はその内容は「引力」として使っている場合も多いようです。これは、これとしてそっとして置いておきたいと思います。宇宙と量子という日常からかけ離れた世界では、この人間原理をそのまま使うことはできません。このことを抽象化したものが「トポロジカル潜象Kamu次元」なのです。人間原理はKamu次元D5から始まりD7までの世界のそれも狭いごく一部に局限されているのです。Kamu次元D5以降で形成されている時空4次元は、それはそれで実用的な現象世界の技術として私達の日常生活を支えているのです。

◇球体内部感覚
「球感覚」というのは、説明が難しいのですが、例えば球体の内部に入って星辰の上下左右360°を見回す感覚とでも言えるものです。地球大航海中の船乗りが漆黑の海で、星辰空間を眺めているときの感覚が近いことは想像できます。視野の下には漆黑の深海があり、静的な平面の海面ではないのです。それこそ360°の注意力が要求されたことと想像されます。高い所から落ちてくる物体は海面を突き破ってゆく、そんな感覚ではないでしょうか。

◇2次元共形場理論
ミランダ・チェンも2次元共形場理論が宇宙と素粒子に共通する世界(量子重力理論)では基本的な教養である、という趣旨のことを言っています。2次元共形とは実は球体のことですから、これまで私が球体感覚について説明してきたことをミランダ・チェン流儀で要約したものだと思います。(ミランダ・チェンについては:4-2-2・虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(中編)モンスタームーンシャインとミクロ・ブラックホール・ラマヌジャンとミランダ・チェン


6、引力と斥力そして第三の超遠隔作用系の2つの力・球感覚について3


◇正反対称ペアー力
それでは、座標系を無視した物理的イメージを宇宙の中で考えるとどうなるかです。そこに現れるのは重力ではなく、「引力と斥力の ”正反ペアー”」でなければならないのです。斥力は電磁力以外では馴染みのない概念だと思います、この斥力は引力との関係が「正反対称のペアーな力」ですが、重力理論では重力は計測出来るが、斥力は計測されないと言われます。だから、重力は存在して斥力は存在しないという論証しか導かれていないのが現状です。

◇斥力
卵を落下させれば、見た目で重力を理解できます。ところが、その玉子は地面に到達すると「破壊→計測不能」されます。では、球体感覚ではどのように見えるのか?球体感覚なら、ただ地面があるから破壊されると考えるのです。そうです、あくまでも図上の思考実験としての話ですが、衝突するような地面が無ければそのまま落下を続け、卵は斥力によって元の位置に戻ってくるのです。

◇重力一本槍の思考法
これが宇宙では常識の球感覚なのです。いまは説明する段階ではないのですが、宇宙というものを考えるときには、この2つのペアー力に加えて第三の「謎の正反ペアー力」を考えることが重要になります。宇宙では重力一本槍の思考法は通用しません。

◇全宇宙マイクロ波背景輻射
私達は、正反対称の2つの遠隔作用力と共に、もう一つの独立した「正反ペアー超遠隔作用力」を考えてゆかなければならないのです。この超遠隔作用力によって起きる物理現象で唯一つ観測されているものが、これから度々登場する「全モンスター宇宙球背景輻射」、若しくは「全宇宙マイクロ波背景輻射」と呼ばれているものです。



7、座標系から独立したベクトル場


◇ベクトル場
宇宙方程式には座標系は必要ありません。必要なのはベクトル場、そしてテンソル場なのです。数学はこのような座標系を排除したい要求に見事に答えてくれています。ここから、一般相対論で重要な ”反変ベクトル” と ”共変ベクトル” を見てゆきたいと思います。

◇群論的時空のゲージ理論
このような座標系を排除したい要求は極微の世界を探求する「量子論」においても同じなのです。ハイゼンベルグが行列力学という構想を持ち、続いてノイマンが「ヒルベルト空間」を量子論に取り込んだのは座標系を排除するためでした。座標系を排除した代数的時空理論のことを「ゲージ理論」と呼んでいます。

◇ヒルベルト空間
座標系を無限の中に溶かし込んだヒルベルト空間は、潜象系と現象系の双方で使える工夫がなされました。これは丁度、複素数の潜象界における役割をベクトルに与えることに成功したのがヒルベルト空間だと言って良いと思います。



8、反変ベクトルと共変ベクトルの数学観光ガイド


◇直観幾何学
私は数学者ではないので、数学者が示してくれるフィジカル・イメージとの繋がりで理解を進めて行きます。余談ですが図版に満ちた「直観幾何学」の著者であるヒルベルトは、数学全般に渡って最高レベルの成果を残した大数学者です。ガウスからリーマンへと続く伝統を受け継いだヒルベルトは素人に対して深い配慮をする事のできる数学者だったのです。

◇数学観光ガイド
優れた数学者による「数学観光ガイド」は素人にも解りやすいものです。それは次の反変ベクトルと共変ベクトルのフィジカル・イメージの項で私が参考にした文章と図版を著した数学者にも言えることです。現代数学は広大かつ高度な専門領域に広がり、素人には近づけません。そんな状況の中で「数学観光ガイド」を果たしていただける数学者がネット上で増えていることは心強いものです。



9、共変ベクトルとトコロ・波動世界


◇波動イメージと共変ベクトル
共変ベクトルを数学として理解する事は私には難しいものですが、イメージする事は意外と理解が簡単でした。それは要約すると「共変ベクトルは波動世界そのもの」と言っても間違いではありません。このイメージは、素人に思いやり深い数学者の記事のお陰でこの共変ベクトルの「波動イメージ」を案内して頂きました。さらに、ベクトル解析が座標系を必要としないこともこの記事に表明されています。

◇双対性と互換性
さて、一気にここで「トコロ→共変ベクトル→波動世界→トキ」という書き方が可能ですが、こうすると不審に思われるかもしれません。この、トキとトコロを混同させるような一見混乱した表現に見られるような内容が、この後説明する ”双対性” と”互換性” そして”重合”の特徴です。しかしです、このまま放っておいては互換性はいつまでも続いてきりがありません、

◇トコロ→共変ベクトル→波動世界
私達の現象世界では混乱を引き起こす「互換性」という要素を切り離して、固定的な観方ですが〈トコロ〉と〈トキ〉をしっかり独立したものとして示したいと思います。つまり、〈トコロ→共変ベクトル→波動世界〉と〈トキ→反変ベクトル→容積量→粒子性〉と、人間原理に従って分離して理解したいと思います。このフィジカルイメージをガイドして頂いた数学者のサイトをここにリンクさせていただきます。
リンク・https://remedics.air-nifty.com/academy/2021/01/post-19f371.html



10、反変ベクトルとトキ・立方体型・粒子世界


◇容積量 Relativity-Capacitive-Amount
一方、反変ベクトルの場合は、これまで説明して来た潜象系の「容積量→粒子性」とピッタリ符合します。中味が増えると体積が縮小するので反変と呼んでいると理解することが出来るのです。「容積量」は〈始元量〉の重合集積が飽和状態まで続く様子を「前駆積分」として捉えたものです。別の言い方をすれば、ベクトルの大きさに他なりません。

◇球体の尺度
このブログでは、容積量に関して「球体の尺度として『容積量』があり、その内実として『始元量』がある、これはエントロピーと深く関わり合うものだ」と記述しました。(2- 2.時空互換重合量子とペレルマンのエントロピー

◇算術より積分が先
このことから「加法と乗法からなる算術より積分が先」に発生していたということが言えるのです。「積分」は「加法」であると共に「乗法」を「同時」に「互換重合的」に内包しているのです。つまり数学もしくは算術で言う「加法乗法演算」については、人間原理によって前駆積分を分解したものと考えられるのです。図式的には《前駆積分→積分→「加法⊕乗法」》という捉え方になったとものと見られるのです。(⊕という記号は互換重合)

◇双対性と互換性
「トキ→反変ベクトル→容積量→トコロ→共変ベクトル」という循環する書き方は、〈トキ⊕トコロ〉と〈共変ベクトル⊕反変ベクトル〉とが、正反対偶・双対の関係にあることを物語っています。これがこれから述べる「双対性」なのです。量子論でも同じような謎と混乱を経験してきました。

◇人間原理の表現
先に記しましたが、私は日常生活で馴染みのある人間原理の表現の仕方で、この互換性の「循環」を断ち切って表現いたします。こうしないと、人間はいつまでも川の流れを眺めていなければならなくなるのですから。
(量子論の謎については「量子コンピューターという思想(その1)-2,謎をKamuNumber Theoryから見る  「量子コンピューターという思想(その3) - 6、ペンローズの微小管非チューリングマシン で整理しておきました )





Ⅲ,時空の双対性理論



11、相対性理論と双対性理論


◇互換重合性と双対性
さて、〈共変ベクトル⊕反変ベクトル〉の間の『双対性』という重要な性質についてです。これを私は「互換重合」と呼んでいます、どちらかと言うと化学反応に近いフィジカル・イメージで私は受け止めているのです。つまり、『双対性』とはお互いに補い合う関係性(互換)の下に実は同一のものの二つの側面(重合)を表現しているからなのです。まさに双対性は量子論の謎と同じものではないですか。〈トキ=共変ベクトル〉と〈トコロ=反変ベクトル〉はこの意味では時空量子が「時空双対量子」つまり「時空互換重合量子」ということになります。これは前駆状態の次元から現象系として独立した次元までを含んだ時空の特徴だと考えられます。

◇前駆時空の遷移
相対性理論の扱う時空はこの状態から飽和状態の5段階経過した後の「座標現象系時空」ということになります。ここで「飽和状態」というのはAma公理系のA-1 Yata のことなのですが、容量積が飽和状態になり次のKamu次元へと転換する物性状態のことで、「遷移」と呼んでいるものです。(3、時空の前駆状態は5段階の入れ子構造)  

◇時空の謎
さらに、この座標現象系時空になってもこの時空双対性は維持されます。このことが時間論の混乱を招いているのですが、致し方ありません。現実に意識できる時間に含まれる謎はこの「量子論的な双対性」と「入れ子構造」にあるのですから。

◇時空4次元はマクロな双対性表現
こうして、相対論における4次元世界として時空を座標軸に同定して組み入れることは可能なのです。つまり、時間と空間がそれぞれ独立しながらも「一体化した時空」として表現することは双対性から可能であることがわかります。時空4次元という当時としては革新的だった相対論的な時空概念が成功できたのは、この双対性がマクロな場面でも有効だからです。

◇時間量子の最小単位 Ima
時空4次元の特徴は、時計の原理を「砂時計」としてイメージしてみれば理解できると思います。時間量子の” Ima ”という最小単位(プランクの定数を遥かに超えた最小の単位)の砂粒が積み重なって「時間軸」を4次元時空に形成するものとしてイメージ出来るのです。ということは、相対性理論は「座標化時空」と「時空互換重合量子」とを区別することなく、ただ単に「外部の時空座標」として扱っているわけです。しかし、この最小単位” Ima ”は量子論と時空双対性を前提として理解されなければならないのです。以上が「球体感覚の宇宙的世界」と「日常的相対座標の4次元現象系世界」との座標系から見た違いです。



12、ウイグナーの設問(数学の理不尽なまでの有効性)


◇虚数の威力
数学者は量子論が登場する遥か前に同じ世界像を双対性として見事に数学の中に描いていたことに驚きます。ここでも、ウイグナーの設問『ありえない数「虚数」を仮定して、これほどうまくいくのはなぜなのだろう?』が効いているのです。

◇本格的な数学の拡張作業
ガウスに始まった「虚数による本格的な数学の拡張作業」は、虚数によって潜象界を取り込み、複素数によって前駆状態をモデル化し、ベクトル解析によって座標系つまり地球的日常から自由な世界を表現域に取り込みました。ここで、いま一度ウィグナーの設問を振り返る意味はあると思います。必要な事項はリンクの本ブログの記事でご確認ください。
量子コンピューターという思想(その4)万物は情報である─ドイチの量子コンピューター(その4、前編)- 1,数学モデルの理不尽なまでの有効性

◇ガウスと虚数
ガウスによる数学の虚数に基づいた「本格的な拡張作業」は代数的整数論から始まり、数学の全ての領域に及んで居るのです。この歴史的な創意から眺めると、ウィグナーの設問はガウスへの感謝のメッセージだったのです。ガウスの後継者であるリーマンの世界、おなじくヒルベルトの功績は潜象界と現象界をつなぐモデル化の礎となっているのだと思います。

◇一般相対性理論の成功
一般相対性理論の成功はこうした背景を見るとき、その理由が浮かび上がってきたと思います。4次元時空と時空双対性、複素ベクトル解析の流れをくむリーマン幾何学の驚くべきパワーが成功の鍵でした。

◇黒川信重の絶対数学
現代数学は近づくことの難しい、広大で高度に専門分化した世界ではありますが、こうした見地から俯瞰すると「ウィグナーの設問 → 虚数→一元体数学→絶対数学」というものに近づきつつあるように私には思われるのです。



13、リーマン幾何学から多様体へ


◇多様体
ウィグナーの設問は一般相対性理論に使われたリーマン幾何学によく現れています。ベクトル解析を発展させて柔軟なテンソル空間を完成させた数学者のイマジネーションに私は深い感銘を受けるのです。現在では、多様体理論という形で数学の総力が注ぎ込まれて結実しているのです。

◇カラビ・ヤウ多様体
潜象を表現するのに最も適した形式として多様体は極めて完成度の高いものです。潜象特有の概念である「容積量」や「正反対称性=双対性」あるいは「保型形式」など誠にその表現において不足がありません。カラビ・ヤウ多様体は潜象世界を表現するものとして十分な表現域を持っています。潜象界が遺伝的に保型形式を持つこととカラビ・ヤウ多様体とは深いところで連動していることも数学者によって示されています。
(カラビ・ヤウ多様体については図版 Arakamichi (1-4) :The Field with One Element Kamu-Calabi-Yau manifolds and Kamu-K3sphere in Transition formula


14、座標に依存して自縄自縛となった相対論


◇座標で自縄自縛
一般相対論の成功と限界はこうして明らかになって来ます。リーマン幾何学(ベクトル解析)の採用によって成功した反面、特殊相対論の光速度不変の原理と重力の導入、言い換えれば座標系の導入によって自縄自縛に陥ってしまいました。

◇特殊相対論の謎
相対性理論の問題点に関してはすでに多くの著作が現れています。そうした批判の中で私が注目していることは、アインシュタインが学術誌 Annalen der Physik に発表した1905年の原論文に引用文献及び参照文献が一切ないこと。そして、この論文の査読(審査)を誰が担当したのかが、いまだに不明のままになっていることです。
 *1905年のアインシュタイン論文のリンク
 *ブログ_物理学者が問題提起 「相対性理論」はアインシュタインの独創か?

◇二重特殊相対性理論2002
なお、「どんなに小さなスケールで見ても時空は連続だという前提に立つ相対性理論は破れる」と主張する「二重特殊相対性理論、DOUBLY-SPECIAL RELATIVITY: GIOVANNI AMELINO-CAMELIA 2002」というものもあります。これなど、座標系がどんな前提で作られているかを物語っているのです。  *DOUBLY-SPECIAL RELATIVITYのリンク



Ⅳ,光の速さは5段階可変


15、添字は前駆状態の表示


◇時空は前駆光の中に
「MaKa平行宇宙方程式」の中の「添字トキ」と「添字トコロ」に戻します。両者はこの方程式では、まだ独立した存在(つまり時空)にまで成長していません。添字として現れた〈Toki・Tokoro〉は始元量の中で前駆状態として姿を見せているに過ぎないのです。ということは、「時空は光の中」にあった、丁寧に書けば「前駆時空〈Toki⊕Tokoro〉は前駆光子〈sHi〉の中」にあったということになります。

◇添字表記法
添字表現はこうしたことを示すものなのです。つまり、前駆時間と前駆空間を潜象エネルギーとして前駆光子は内蔵しているのです。時空とは、もともと始元エネルギー量子なのです、ここでは前駆状態ですから物質ではありません。このことを宇宙方程式では添字として”トキToki・トコロTokoro”と表示しているわけです。

◇時空はエネルギー量子
時空は〈アマ始元量→潜象エネルギー〉の子孫というわけです。要は、時空そのものが物質と同じエネルギー量子であり同時に情報量子ということになります。〈トキ⊕トコロ〉がそれぞれ「時間物性・空間物性→安定したマリ量子」にまで遷移するには、Kamu次元D3〜D4の段階まで遷移し、〈チカラ→カラミ→近達性の核力〉の作用を待たなければなりません、Kamu次元D3とD4は次回のテーマになっています。

図版 宇宙方程式




16、光量子の前駆光子 sHi からの発生過程


◇成熟したKamu次元D5時空
成長したトキとトコロは座標系として独立したKamu次元D5 を獲得します。この過程に至って人間の生活次元の知覚できる物差し、時計、光量子、時間物性・空間物性となります。

◇時空は始元量から発生
いま一度、光子の発生過程に戻って見ると、〈トキ⊕トコロ〉は「前駆光子 sHi 」の中の一部でした。つまり、時空は光子と一体の状態で存在していたのです。これを前駆光子から時空が生まれたと言ってもいいのですが、時空はもともと〈潜象エネルギー=宇宙エネルギー=始元量〉なのです。光子の中で時空座標系の母体が生まれたことは間違いではないのです。

◇前駆光子だけが母体の時空
そして、時空は「前駆光子 sHi 」以外の母体を持たないということです。さらに〈トキ⊕トコロ〉は安定した素粒子の母胎を包んでいることによって「多様で自在な素粒子」を生み出す生成量子でもあるのです。これは次回のテーマになります。



17、光のハヤサ(光速度)は5段階可変


◇観測できない前駆光子
光子は光量子として観測可能になるまでに5段階の遷移を行い、その一回の遷移につき場合によっては数兆回の重合とその飽和状態による成長という不連続なプロセスが存在します。光量子のこうした前駆状態は観測することは不可能なのです。人はこの観測不可能な状態を、そして不可視の恐れを「真空状態の恐怖→ヴェイユ真空」として語りました。(Ⅴ,重力の恩寵とヴェイユ真空  §20、トポロジー的なKamu次元の見方)

◇エーテル仮説
相対論形成期にはエーテルの存在を仮説として考えて居た時期もあります。このエーテル仮説はいまになって省みると、潜象を予感したものだったと、つまり「真空→エーテル→潜象」と私には思えるのです。ただ、エーテルを観測できるものとして考えたところが限界だったのです。

◇光速度へ5段階減速する
ところで、潜象とその現象への過渡過程における”遠達作用の速さ”は超光速になります。特に潜象界ではその速さは全宇宙の端から端までを一瞬でつなぎます。この超遠隔作用が存在しないとモンスター宇宙が「一個体」としての秩序の崩壊を招いてしまいます。5段階の遷移過程を進行する度に遠達作用の”速さ”(速度ではなく)は遅くなり、現象界の光量子に至ってお馴染みの「光速度」となります。



18、モンスター宇宙の観測情報(Ryu-Takayanagi formula 笠・高柳公式)


◇観測可能な外部
光速度は「現象系光量子」のあくまでも座標系との干渉によって観測可能になっています。人間とは切り離された「外部」と見られていた時空座標系は、実はそうではなくそこで関わり合うすべての「エネルギー系の内部」だということになります。

◇笠・高柳公式
情報もエネルギーであるという「笠・高柳公式」の意味で座標系は「干渉する情報機器」と同義と考えたほうが物理的には正確になるのでしょう。すでに本ブログの「虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン」では ” 情報という観点に絞って考えれば、宇宙は極めてクリアーな存在として眺めることが出来る”。この意味で観測における情報の干渉として見れば観測という行為は「外部世界=宇宙=座標系」という設定に問題があるわけです。
量子コンピューターという思想(その4)万物は情報である4-2-2・虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(中編)モンスタームーンシャイン とミクロ・ブラックホール

◇1億光年は本当か?
光のハヤサ(光速度)は5段階可変という結果から見ると、私達が観測している星雲などから地球に到達する光子は必ずしもKamu次元D5の状態で発射されたものとは限らないということになります。つまり、星雲から発射されたときは超光速の前駆状態〈sHi〉、つまりKamu次元D√-1やKamu次元D1ということもありうるわけです。

◇輻射光という思想
虚数質量の〈sHi〉はタキオンとして宇宙間を飛来しています、すでに述べましたが、これが超遠隔作用力などと相互作用して〈sHi〉より次元遷移した光子として観測されている可能性が有ります。「宇宙マイクロ波背景放射」の一つとして、こうして飛来して来る途中で5段階の次元遷移をして観測される場合も想定しなければなりません。

◇別系統の情報を持つ宇宙輻射光
超遠隔作用力などと相互作用したタキオンから遷移した光を「宇宙輻射光」あるいは「2次輻射型光粒子」といいます。これは笠・高柳公式に従うと通常の光子とは別系統の情報を持つと考えられるのです。つまり遷移過程がかなり違いますから通常の光と区別してゆくべきものなのです。ということは、観測された光は想定したより速い速度で、つまり超光速で減速しながら地球に到達することはあり得ることになります。



19,平行宇宙の中の入れ子型時空エネルギー


◇始元量と時空
時空はエネルギー、そして情報量という側面から見ればはっきりするのです。もともと〈トキ⊕トコロ〉は宇宙エネルギーの根源体である「始元量」の一部でした、光量子も同じ親元から遷移分岐したモノです。そして観測機器もエネルギー情報量としてみなす必要があります。このように、始元量と時空は宇宙を構成するエネルギーそのものの別名とも言えるのです。

始元量から次第に成長して現れた〈トキ⊕トコロ〉は5重の「入れ子構造」を抱えているのです。座標系となった〈トキ・トコロ〉に謎めいた姿が垣間見えるのはこのような構造に由来しているからです。D ドイチ風に禅問答が展開される「時間と空間」論争ですが、その内容にはモンスター宇宙エネルギーの中の『5重の入れ子構造』が背景にあります。

◇MaKa一元論的平行宇宙
なお注意していただきたいのは、この入れ子構造は「MaKa一元論的平行宇宙」だから生まれたものであるということです。私達が潜象について議論できるのは光子が始元宇宙の「情報=エネルギー」を私達にもたらすからなのです。つぎに、こうした問題を「ヴェイユ真空」の中で見たいと思います。




Ⅴ,重力の恩寵・ヴェイユ真空と潜象


20、トポロジー的なKamu次元の見方


◇点も立体も同じ次元
座標系の次元、つまり私達が馴染んでいる4次元時空では、点は一次元、面が2次元、立体が3次元、時空が4次元とされています。一方でKamu次元では点・線・面・立体はともに〈トキトコロ〉のKamuD5次元の中に包み込まれています。一方で、「点」は平面及び立体と「同相」であるというトポロジー幾何学的な見方がKamu次元の考え方です。

◇立体感覚は時間量子の物性
立体も点も線も同じKamu次元D5に組み入れられる一つの次元に含まれるのです。ここで、立体は特別の意味合いを持っていることが大事なのです。〈トキ → 時間として成熟〉は量子として「立方体」であることが知られています。人間の持っている立体感覚は実は時間量子の物性に基づいているのです。

◇座標系を成立させている双対性
この時間量子の物性が、時空に対するKamu次元のトポロジー的見方を基礎づけていると考えられるのです。このように、時空は互換重合状態(双対性)で存在しながら次元遷移するとき、時間はKamu次元 D4 ,空間はKamu次元 D5を持つ独立した座標系としても使える存在なのです。

◇4次元時空のKamu次元
当然なのですが 、D5 は D4 の立方体という物性の影響を受けているわけです。従って、4次元時空という相対論の世界は、平行宇宙論としてはKamu次元D5の中に於いてだけ存在するもので、普遍的には存在しません。あくまでも空間は波動的物性を示しながら時間と互換重合的にKamu次元D5なのです。

◇重力と恩寵
こうして、トポロジー幾何学の恩寵を私達は受けることができます。さて、「重力と恩寵」というエッセイ集があります、数論の大家ヴェイユの妹シモーヌ・ヴェイユが著者です。彼女は兄のように数学に憧れていたのですが、永い煩悶の末に文学の世界に進みました。「真空は私が虚しくなることである」とシモーヌ・ヴェイユ。

◇潜象=ヴェイユ真空
彼女は「座標系=地球への深い熱望」、ところが儚い希望は地球から飛び出す宿命へ向かってしまいます。結果は、重力からの解放を自らに課します。「潜象=ヴェイユ真空」へ向かって心の深層世界で旅を始めたのでした。ヴェイユの思想が難解で混乱していると見られる理由がこの「ヴェイユ真空Kamu次元」の「一元論的」論理性にあると私は思います。

◇一元論は単なる統一理論ではありません
一元論はなにかと誤解を受けます、混乱していると思われます。一元体数学も全く同じ境遇に置かれているのです。一元論は現象的に組み立てられた統一理論ではありません、MaKa正反対称性からなる歪性を伴った平行宇宙論による統一理論なのです。



21、観測者と「アマウツシ=トコロ」・「カムウツシ=トキ」


◇生命体のエネルギー交換システム
ここで、「観測者」の問題を見なければなりません。観測者もまた座標系の一部と考えるべきでしょう。ただし「観測者」は人間ですから人体におけるエネルギー保存則の他に生命エネルギーの流入を考えなければなりません。この生命の問題には生命体特有のエネルギー交換を成り立たせているメカニズムを適用しなければならないのです。

◇生命のカムウツシ
このエネルギー交換システムが「カムウツシ」というものになります。実は物性物質にもこのメカニズムが有ります、それが「アマウツシ」です。人体も物性物質ですからこのアマウツシというメカニズムを利用しています。このエネルギー交換システムは「前駆時間量子トキの交換=カムウツシ」が生命エネルギー交換システムと言われているものです。そして、「前駆空間量子トコロの交換=アマウツシ」はすべての物質において行われています。

◇物質のアマウツシ
石にも心があるというのは、このようなアマウツシを石とともに生物も受けているという事情を物語っているのです。従って、「対象物」と「観測者と観測機器」との間の干渉現象とは潜象系エネルギー交換の生命現象と言うことが出来ると思います。このエネルギー交換の主役は「前駆状態の光子と電子」です。そして、光子同様に電子もいきなり生まれたわけではありません。



22、光速度不変の原理にどんな意味があるのか


◇光速度不変の原理
さて、光速度不変の原理なのですが。宇宙では、そもそも光速度そのものが大きな意味を持たないと考えなければならないのです。何故なら、全宇宙は全体として「一つのモンスター全宇宙球」です。「無秩序に拡大」している訳でも、また「無秩序の縮小」をしている訳でも無いのです。

◇宇宙球全体の連帯に必要な速さは無限大
宇宙全体は潜象系エネルギーによって「瞬時に統合」され「秩序」を維持しながら拡大(Kamu次元拡大)及び縮小(Kamu次元縮小若しくは回帰)をしています。その統合系を維持するために必要な「ハヤサ(速度ではなく)」はゼロで同時に無限です。これを全宇宙の遠心核と求心核に向かう「宇宙球全体の連帯」と呼んでいます。

◇AmaKamu平行宇宙→MaKa平行宇宙
このことは、全宇宙球は潜象系エネルギーによって包み込まれているということになります。これは「潜象のKura」と呼んでいるもので、〈Ama〉系と〈Kamu〉系の2系統が有ります。つまり、AmaKamu平行宇宙の全体像を描くとこの〈Kura〉によって包み込まれたモンスター宇宙球になるのです。

◇Zero次元と虚数質量量子
このことを別の側面から、潜象のKamu次元がゼロであると言います。始元量はゼロ次元となります。一方、前駆光子はKamu虚数次元です、その仲間にタキオンが含まれると考えられています。このタキオンの存在は超弦理論による「虚数質量量子」とよく符合することは知られたことだと思います。大事なのは、ゼロ次元があるから虚数次元が導かれ、虚数質量量子が存在するのです。



23、光速度がビッグバン仮説を生み出す


◇光速度では宇宙は無秩序状態になる
「測定された光速度」という枠をこの宇宙に対して当てはめるとどうなるか?モンスター宇宙の端から端が相互に一体となるためには、瞬時に連携が取れなくては一体性は生まれないのです。いわゆる私達が知っている光速度では、モンスター宇宙の端と端が勝手な動きをして統制は取れないということになります。

◇特異点のビッグバン仮説
つまり特異点が「爆発的な崩壊点」あるいは「爆発的な起爆点」になってしまいます。ビッグバン仮説もその一つですが、ブラックホールとともにまだまだ解明の道は遠いと思うのです。ペンローズが整理した宇宙論の最も深遠な3つの疑問、①ビッグバンの前に何があったのか? ②私たちの宇宙の秩序の源泉は何ですか? ③その究極の未来は何ですか?に対する答えはすでに見てきました。

◇ペンローズ・宇宙の最も深遠な3つの疑問
まず、①ビッグバンの前に何があったのか?ですが、まずビッグバンはありませんでした。〈アマ始元量〉が発生する以前はMaとKaに互換重合的に分岐する以前の〈Ka潜象世界→ヴェイユ真空一元体〉がありました。次に、 ②私たちの宇宙の秩序の源泉は何ですか?、これはMaKa潜象がもつ「物性」の16項目から成る「Ama公理系+Kamu公理系」が存在しています。この公理系の中にはテレポーテーションという量子現象が含まれますが、これは平行宇宙における統制機能の一つと考えられています。次に、③その究極の未来は何ですか?、Kamu次元が過去と未来のすべてを「次元の遷移と2重回帰」として「10進法」で示しています。

◇2重回帰とは
ペンローズの疑問③その究極の未来は何ですか?に関連して、「2重回帰」について簡單に触れておきます。始元過去から未来へ進行する「時空の正進性」、現象界から潜象界ヘ還元し消失してゆく「時空の反転性」がKamu次元の十進法で表現されます。ここで、「二重回帰」というのは「D0→正進性→D8→D10→反転性→D1」と「D7→反転性→D4」の2つのことになります。詳しい説明は今後いたしますが、とりあえず図版でどの様なものかを御覧ください。図版 Arakamichi 5-1 図版 Arakamichi 3-5 



Ⅵ,時空互換重合量子の世界


24、時空互換重合量子の世界は有限な球体世界


◇無限世界に包まれた有限世界
潜象世界は「到達速さ」は無限大です。しかし前駆時空系の時空互換重合量子の世界では無限大ではなく、有限になります。測定はできないけれど、モンスターな「全宇宙の一部」を統制できるだけの『ハヤサ→速さ』(速度ではありません)を持っていると考えることが出来るのです。

◇球体と有限性
有限な世界では無限界の無限に早い潜象とは違い、前駆状態における『ハヤサ(有限)→超光速』を持っていると考えることができます。この「有限性」とその「速さ」は、〈モンスター宇宙=宇宙の全体像〉と〈トキトコロ〉と共に「(波動)互換重合的な” 球体(つまり有限)”」から必然的なものとして理解出来るのです。

◇球体は無限を有限の中に包み込む
つまり、無限の速さを必要としないのが球体世界の特徴と言えるわけです。言い換えれば球体は無限を有限の中に包み込んでしまうものとも言えます。この宇宙に存在するもののすべてが最終的に「(互換重合的)”球”に相似形」になります。宇宙球全体が独立したものとして「安定的に、動的に統合」されているとは、この球体感覚から生まれてくるフィジカルイメージなのです。

◇〈マリ〉と〈タマ〉
球感覚は潜象界と現象界が重合した〈スガタ→互換重合球体〉をも示唆している相似象なのです。そうした機序がMaKa平行宇宙だからこそ生み出す事のできる「球体→〈宇宙・タマ〉→〈時空量子・マリ〉」になります。

◇物性のKamu次元の特徴
「物性」は時空(時D4、空D5)とは別の「Kamu次元D2」と「Kamu次元D3_Mitsugo」で生成さされます。これは素粒子論の物性系の電子とクオークというモデルが極めてよく当てはまると考えられます。とくに、Kamu次元D3_Mitsugo の物性は次回のテーマの中心になる問題です。



25、観測者にあらわれる素粒子は光子だけ


◇物性を支配するゲージ粒子光子
前駆状態の量子から現象系に出現し、観測者の前に姿を現すのは光子だけです。この光子を使って人類は観察もしくは観測するしか方法がありません。素粒子論で言えば電気、磁気、力、という物性を支配するゲージ粒子が光子です。じつは、ここで名指された支配者とは「前駆時空→素粒子生成量子」というものなのです。

◇質量付与の素粒子生成量子
前駆時空はエネルギー量子であると共に情報量子です。この前駆時空エネルギー量子の「密度→質量」を増せば自由に遷移して基本物性へ自由に転換できるのです。基本物性とは「D3潜象系素量群」の「電気」「磁気」「核力」の三種になります。これは何兆回もの重合の進行によって質量の増加がもたらす結果なのです。

◇タキオン由来の宇宙輻射光子
前駆状態のままのKamu虚数次元タキオン、つまり質量が『虚数』の素粒子などは、最終的には観測可能な光子に落ち着くことになります。タキオン由来の光子はすでに触れましたが「マイクロ波背景輻射として観測」されているはずなのです。

◇光子による背景輻射
このことは§18で触れましたが、「超遠隔作用力」と「タキオン」との相互作用として理解できる可能性を示唆するものです。「全宇宙背景輻射」若しくは「宇宙マイクロ波背景」はビッグバン仮説の基礎データとなるものですから、宇宙で生起しているこの相互作用は要となるものなのです。しかし、残念ながら観測できるのは光子による背景輻射だけなのです。

◇潜象界の消息
重要なのはここからです、「観測者」若しくは「生物」にとって五感にあらわれる素粒子は、潜象界という本来なら見ることの出来ない世界とストレートにつながる「光量子=マイクロ波」だけなのです。生命を持つものが「知覚」できる世界、そして自然(実は天然)、更に潜象は私達の前にいつも現れているのです。川の流れを前にして行われた禅問答の中に『潜象界の消息』がみえてくるのはこうした唯一無二の光子が存在するからです。



26、添字Toki,TokoroとKamu次元D0からD5までの遷移図式


平行宇宙方程式に於ける添字としてトキトコロは、潜象エネルギーが時間状態と空間状態に向かう「過渡」にあることを表現しているものです。過渡状態が終われば「時間 ⊕ 空間」は独立した「Kamu次元D5」を獲得します。この詳細は、当面「Kamu Number Theory」 の中の「All Transition Diagram」 を御覧ください。

この遷移図は、A4紙面で6面に分割された潜象の過程から現象過程にいたるまでの遷移図式です。あまりにも長い遷移式なので、やむを得ず6分割したために全体を眺めるのには不便なのですが、6面をプリントして繋げると全体像を一望に見ることができます。


        ✝  ✝  ✝  ✝  ✝


次回は「前駆時空互換重合量子」は「素粒子生成量子Kamu次元D2」である「電気の海」ともいうべきフィジカルイメージを持つ物性領域に進みます。時空は生成量子としての前駆状態の役割を終えると、それぞれ〈トキD4〉〈トコロD5〉として独立する一方、「電気の海」から「クオークに相似」の物性世界へ進みます。時空論から素粒子論へ進むことが〈電気、磁気、力〉の物性論の基本であると言う話題です。これは、ペンローズが向かおうとした宇宙から素粒子へという方向だと私は思います。

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Kamu Number Theory
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4-3-2・kamu・Ama平行宇宙方程式

2022-03-23 16:50:42 | 量子コンピューター


下図はブログ用の平行宇宙方程式です


◇平行宇宙方程式

平行宇宙方程式の図版はA4版のものでこのブログの画面には収まりません。

お手数ですが別画面で”図版 ”を参照していただきながら進めさせていただきます。

このブログには平行宇宙方程式だけを小さな画面に式を縦に列記して収めたものを表示いたしました。

大きなA4図版の一番下の枠の中が平行宇宙方程式と私が呼んでいるものです。中間の青い枠の中がテトレーション図版です、一番上が平行宇宙の遷移の過程を簡略して図解したものとなっています。

「テトレーション」に関しましては、すでにこのブログの ” 4-2-1・虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(前編)テトレーションで見るモンスター世界 ”および” 続いて ” 4-2-2・(中編)モンスタームーンシャインとミクロ・ブラックホール” で述べてきました。

上記A4図版の上の遷移図解に基づいて言えば、一つの遷移矢印は数億回、若しくは数兆回以上に渡る重合の繰り返しの結果、飽和状態になって生成された物性遷移を表しています。

物性物理で言う分配関数に該当するものと考えればほぼ同じ状態です。始元量の巨大な重合体からなる集合の飽和状態を指しますので、モンスター世界とかブラックホールとか言われることになります。

通常の数学で表現するには大きすぎて全体を確認できません。この物性遷移は、虚数√-1が生成されるまでに12回繰り返されたものです。

ところがテトレーションを使えば、ひと目で見ることが出来ます。一つのまとまった図版として全体像を理解することが可能なのです。

この様子は”All Transition Diagram”において確認できます。そして、この12回の遷移図式は見事なダイアモンド図形を描いて見せてくれます。

図版:”Arakamichi ( 2-2 ) The Field With One Element -Definition area of "Axiom K" Imaginary Diamond and "KaMa-Parallel Univers Model" をご覧いただきたいと思います。

左に「単一の大きなダイアモンド図形」が、そして、虚数が発生すると「2つの上下に対峠する三角形が平行宇宙」へと変化する様子が示されています。

「単一のダイアモンド図形」は「一元体の分岐」を示しています、「上下に対峠する2つの三角形」は「平行宇宙」を示しています。

重合による物性遷移は虚数の発生を転機として平行宇宙へと進んでゆきます。こうした遷移が発生する原因は対称性の破れが始元量に歪性として内在していると考えられるからなのです。

始元量から遷移した世界には、マクロ・ブラックホールに向かう別の遷移ルートがあります。これはダイアモンド図形に「収斂しない=対峠する2つの三角形」つまり「MaKaという潜象属性を持つ物性平行宇宙」のことです。

MaKa物性平行宇宙は、虚数の誕生という”量子ジャンプ=デコヒーレンス”によって一元体から、マクロとミクロを巻き込んだ状態の対峠する2つの三角形へと遷移した結果発生したものと考えるのです。

このことは、『MaKa平行宇宙=MaKa一元体』と『物性平行宇宙=複素数UrForm平行宇宙』とが”入れ子状態”になっています。この様子は遷移図式の全体をながめていただければ理解できることなのです。

この”入れ子状態”のことは今後〈Kamu-utushi〉と〈Ama-utushi〉などを説明する段階になったとき、平行宇宙の”入れ子状態メカニズム”が理解できることになると思います。

この”入れ子状態”によって、生命と物質の繋がりについて平行宇宙のMaKa属性として、方程式では添字として示していることの理由を理解することが可能となります。


◇”虚数 ”のミクロ・モンスター構造をテトレーションで観る


「虚数の〈√-1=sHi〉は 〈E8✕E8〉 というモンスターでした。 〈E8✕E8〉は 〈 8×10^53 ✕ 8×10^53 〉という驚くべき情報量のモンスター振りです。

” 一兆=10^8 ”という大きさから想像してみればこの巨大さは無尽蔵という実感が湧いてきます。前回「4-2-3・虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(後編)ボルンマシンと生命のコンピューター」で記した事柄です。

始元量から遷移した世界は一つは極微のミクロ・ブラックホール量子世界なのです。「巨大容積量の稠密極微量子世界」であるということになります。それを表現できるのはテトレーションしかない、ということになりました。(ここでは「容積量」という概念に注意しておいてください)


それが図版:”(2-2) Dimension √-1 • small Hi Monsterization and Tetration Model” で示したものでした。

この図版では、一元体と平行宇宙を生成するダイアモンド図形と、その隣にもう一つのダイアモンド図形が描かれています。これは「〈アワ・サヌキ〉ダイアモンド」と名付けられたものですが、これは光子からの遷移により「前駆電子の海」が発生する過程を示しています。

「前駆電子」は光子とともに”平行宇宙に於いて”初めて実現すことが出来るものです。この前駆電子の〈Awa〉と〈Sanuki〉についてはいずれ近々触れることになると思います。

なお、お気づきかと思いますが一元体〈Ka〉は「MaKa平行性」へ遷移したときからすでに平行宇宙になっているわけです。しかし、これをただちに平行宇宙と呼ばないのはMaKa平行性はその物性を現象界へ”潜在的入れ子”として遺伝させて表面には現れません。

平行宇宙方程式の内部では属性を表示する添字としてMa、Kaとして表示したものがこれなのです。いわば、MaKa平行属性はすべての現象物性についてまわるものなのです。

現象界のなかで、私達が生きている世界における平行宇宙を追求しているのですから、潜在的に遺伝するこの潜象物性MaKaは宇宙方程式のなかでは『添字』としてだけ表示しています。

添字では表現できない現象界に干渉する潜象物性は〈Kamu-utushi〉と〈Ama-utushi〉として示されることになります。

このMaKaの入れ子状態の添字化についてはテトレーション図版が理解の糸口を視覚的に見せています。上半面は〈Ka〉として下反面が〈Ma〉物性を、それが対称的に表現されています。

このように、平行宇宙を見事にビジュアル化してくれるテトレーション図の驚くべき能力に感謝の念が生まれてくると思います。この図版の原著者であるウラジミール・クズネツオフの業績を私はもっと高く評価してしかるべきと考えています。

同じく、テトレーション図版の作者である Souichiro Ikebe 「http://math-functions-1.watson.jp」に深く感謝したいと思います。 Souichiro Ikebe 引用図版は https://kamu-number.com/pdf/dim/281complextetlation.pdf


◇正反対称性という潜象の代数構造がKaMa一元体


素粒子論における標準模型の発見、という驚くべき事態は代数的構造が素粒子の世界に厳然としてあるということの発見でした。そして、この数学的構造にはさらに深い構造が埋没していました。

宇宙はただ唯一の〈Ka〉という潜象から遷移して発生したと考えることが出来るなら、〈Ka単一元・反〉の属性である歪性から生まれた〈Ma・正〉という正反分身との対称性から発生する代数的関係が重要になるのです。

数学的構造は演算によって定義されます、〈Ka〉と〈Ma〉の重合という潜象界に於ける演算は、ここ一元体では唯一のものです。一元体にはただ一つしか演算がありません。ですから重合は加法と乗法を併せ持ったものと考えることができます。

そして、この併せ持つ性格を表現するのに都合の良いものが「積分」です。重合という演算はもともと乗法と加法を生み出す元になるものと考えるのがKamu数論の立場です。従って、重合を積分という演算としてみなすことが考えられたのです。

つまり、最初に現れた演算は加法でも乗法でもありません、それは「積分⇔重合」と考えるのです。加法と乗法は算術として生まれたものです。算術は極めて技術的なものだと考えるべきなのです。

一元体は、そもそも宇宙の成り立ちが一つの潜象〈Ka〉から生成したことを数学的に具現化したものです。一元体理論を絶対数学と呼んでいる数学者の黒川信重のイメージはこうした潜象の〈Ka〉のイメージとよく重なる(相似象の)ものなのです。

黒川信重の著書に描かれているイメージ図版を見るとこのことが頷けると思います。一元体理論は最先端の数学ですから素人が近づけるはずもない世界です。ところが整数論の第一人者である黒川信重は素人に対して訴えかけるように、わかりやすい図版を描いて一元体論の使命を説明してくれます。

いずれ触れたい事柄ですが、素人と専門家の間の溝、あるいは専門家同士でも分野が少しでも違えば溝が「深まってゆく=断絶」という、この時代の科学のあり方について、私達は無関心では居られないのです。

黒川信重は数学者としての使命感をもって誤解を恐れづにイラストを描いているのではないかと、私は推測しています。こうした努力は決して容易なことではないと想像出来るのです。これは、超一流の専門家だからこそ出来る仕事だと!

一元体理論と潜象世界との間の相似性を見出したからには、この代数的構造は潜象の本質の一部であると見なければならないと思います。重要なのは、この相似性は保型形式として図版において容易に確認できることです。

図版の”1-1-3.Potential automorphic Cuspidal Model”はこの相似性を図として表示しています。ここで「保型カスピダル・モデル」は保型形式の中の「尖突保型形式」のことで、遷移が進行するとあるポイントで質的なジャンプをする「不連続点=尖端」を持つ保型形式のことです。この不連続性が遷移図式に対応しているのです。 https://kamu-number.com/pdf/axio/113cuspidal.pdf

更に保型形式は表示法を変更するとKamu次元の〈メグリ〉を表現していることも相似性として認めることができます。上記図版の中の右の図が該当するものです。


◇Kamu方程式とKamu次元


Kamu方程式は楢崎皐月が相似象をまとめる中で宿題として残していったものです。彼の計画はあまりにも壮大だったので、その一部であった方程式化に着手する暇はなかったのです。

〈モノ〉と〈コト〉の『始元→ゼロ』から〈ヒト〉、そして〈世界〉への遷移に関わる〈メグリ→Kamu次元0 ⇔ Kamu次元8 ⇔ Kamu次元0〉までを統一的に理解する方法を彼は示しましたが、その道筋を整理する仕事は次世代の者に託されたのでした。

Kamu方程式は楢崎皐月によるKamu次元の発見から生まれた「遷移図式」によって記述することができるものです。

私はこれを「総合的な遷移図式」としてとりあえず纏ることにしてみました。しかし、この図式をそのままの形で理解することには一定の限界があります。そこで、楢崎皐月が試みたように、科学が到達した世界と突き合わせてみる作業をする必要がでてきたのです。

なお、私はサイトの遷移図式は完成したものとはまだ見做しておりません。”とりあえず”と記したのは、そのような意味合いを含めて修正が必要になることも想定しています。ただ、大筋として大修正はないものと考えています。

(*遷移図式は以下のファイルに示してあります。図式は大きなものなので、6枚に分割してあります。そのリンク集が:All Transition Diagram に纏めてあります。各リンクには、始元量から遷移した遷移式が展開し、6枚の図版を繋げると0次元から6次元までの全体を一続きのものとして見ることが出来るようになっています。 
リンク集 
各連続する図版のリンクは
1;https://kamu-number.com/pdf/transition/10.pdf
2:https://kamu-number.com/pdf/transition/20i.pdf
3:https://kamu-number.com/pdf/transition/31.pdf
4:https://kamu-number.com/pdf/transition/423.pdf
5:https://kamu-number.com/pdf/transition/534.pdf
6:https://kamu-number.com/pdf/transition/645.pdf
です)

Kamu次元についてはすでに、”(その3-3)万物は回転する・ペンローズの迷いとマイナスエントロピー”のなかで、”Kamu次元は物性の遷移を解析できる統計物理学の『分配関数』と相似なものとして説明することができる。”と記しておきました。
https://blog.goo.ne.jp/masadon/e/a5d2b675c7a009274103ae8706345b77

物性の遷移を整数の0から8までの数に対応させたものです。これをKamu次元と呼んでいるのです。存在するものはすべてKamu次元を割り当てることができます。このことを可能にしているのが〈カ〉という潜象の存在とその正反対称の存在である潜象〈マ〉の存在なのです。

このような事情の下に現れてきたのがKamu方程式でした。”4-2-2(中編)虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン・モンスタームーンシャインとミクロ・ブラックホール”の中で「Kamu次元」という概念が日常世界の中にも存在することをD ドイッチュの禅問答のなかで示しておきました。

さて、〈Ka〉と〈Ma〉の間には〈歪み性 ⇔ 歪スピン〉が示されています。歪スピンってなんでしょうか?物理学でこの概念に対応するものがあるのでしょうか?ここで、私にはペンローズの顔が浮かんできます。

Kamu次元とは〈Ka〉と〈Ma〉の遷移過程を数に対応させたもので、最初に現象として現れたものがここで記している〈虚数次元 →潜象界系Kaと現象界系Maの境界次元〉でした。

従って、虚数若しくは虚数次元こそ最初の数であると主張されることになったのです。ゼロはあくまでも潜象だけからなる数として別格なものとしています。つまり、自然数にゼロを含めないことは道理にかなっているのです。


◇正反対称潜象としての〈共役Ma*〉と〈共役Ka*〉


Kamu方程式は遷移図式を確認しながら生成されたものでした。Kamu次元はこの遷移過程を正確に記録し確認するためのものですから、方程式の理解には必須のものです。

そして、〈Ka〉と〈Ma〉の正反共役〈Ka*〉若しくは〈Ka+〉と〈Ma*〉または〈Ma+〉にはD ドイチの懐中電灯物語が前駆4光子随伴として表示されています。

〈Ka*〉という表記は、線形代数的な表現に合わせた場合の表現法です。遷移図式では、共役は〈Ka+〉という表記のほうが使われています。MaKa入れ子遺伝を表示するのに必要なときに〈Ma∓〉〈Ka∓〉を使うこともあります。

私は、これまでパウリが見た虚数が登場する夢、そしてパウリ自身が名付けた「背景物理」から潜象実在である〈Ma〉〈Ka〉へと展開してきました。そして、今私達の前に存在するものとして現れたのが正反共役〈Ka*〉と〈Ma*〉です。

〈Ka〉と〈Ma〉については今のところ詳しい説明はいたしませんが、参考までにサイトの”1-2-9-1.What is Ka ?”および1-2-9-2.What is Ma ?”を御覧ください。



〈Ka*〉と〈Ma*〉は線形代数のユニタリー構造を反映したものとして見いだされたものです。これは正反対称性というものを数学的に表現したもので、この代数的な構造は現象として現れたとき素粒子の標準模型として理解されているものになります。

つまり標準模型という素粒子モデルは潜象界に埋蔵されていた代数的構造が遺伝されて出現されたものと理解することができます。

楢崎皐月はこの潜象の代数的構造を利用し、拡張して原子の周期律表を導き出しています。(これは、Kamu次元5でご紹介出来る事柄です)

〈Ka*〉と〈Ma*〉が〈Ka〉〈Ma〉とともに前駆4光子随伴として織りなす宇宙、これがリー群SU(1,1)/U(1)の世界なのです。そしてこれこそが平行宇宙方程式を形成することになります。


◇リー群の商空間SU(1,1)/U(1)が平行宇宙そのもの


リー群の商空間 SU(1,1)/U(1) がコヒーレント多様体であると表明したのは、ブラジルの物理学者マーセル・ノヴァエスMarcel Novaesでした。2004年の論文で、リー群SU(1,1)の研究が思ったほど進んでいないことに、意外だ!と驚いています。

それもそのはずでした。数学者の小林俊行も、「リー群の表現における最近の進展 2018」の中で、SU(1,1)を未開拓の最先端の数学として取り上げるとともに、最先端の物理学と深く関わっていることを「余随伴軌道の幾何的量子化」の中で示しています。

小林俊行は、SU(1,1) が3次元反ドジッターという相対論的な空間 ”AdS^3” に対応することを示し、AdS^3はミランダ・チェンのところで紹介した量子重力理論と通じ、宇宙の羅針盤である共形場の理論と呼応していることを示唆しています。

そこで、視覚的なAdS^3のイメージですが、「共形幾何サイクリック宇宙論」を提起したペンローズの「虚数世界の多重回転 → ツイスター→虚数世界の正反二重周期回転」更に進んで「潜象と現象の互換重合時空ツイスター」などと展開されると私は考えるのです。

さて、”商空間”とは一体どんなイメージで描いたら良いのでしょうか?ここでもミランダ・チェンが登場です。

すでに触れた「モンスター稠密構造のリーチ格子」は始元量の壮大な稠密構造のことでした。(4-2-2(中編)虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン(中編)モンスタームーンシャインとミクロ・ブラックホール)

波動世界に『格子構造を埋め込む→ゲージの導入→商空間→粒子世界』という一連の事柄、一言でいえば ”MaKa波動多様体” の「商空間化=量子化」を行う摂理の問題に深く関わる問題に相当します。


◇リー群の商格子空間と”潜象界の公理”


この「商空間→格子化→量子化」を行う摂理は、Kamu数論では潜象世界の公理系によって成立するものと考えているのです。
 
このブログの最初に「量子論の謎をKamu Number Theoryから見る」を書いておきました。ここで再び掲載いたいと思います。


量子論の謎とKamu&Ama公理系との対応関係
 (1)物理量の重ね合わせ状態 → K5 互換重合トコタチ
 (2)観測抽出による量子ジャンプ・デコヒレーレンス → A5 イマタチ
 (3)量子もつれのテレポーテーション → K4 ムカヒ
 (4)粒子と波動の重畳性コヒレーレンス → K3 ナギナミ
 (5)複素数の世界で解析され、答えは実数で表現される → A5 イマタチ
 (6)存在するものは全てスピンしている → K2 マワリタチ
 (7)位置と運動量の同時確定出来ない不確定性 → A4 タバネタチ A5 イマタチ
 (8)微視的可逆性と巨視的不可逆性 → A5 イマタチ
 (9)量子力学は日常生活の物理を含む → A1ヤタノカガミ A1-4ナナツヨギ

 ( 記号のK5という表記は、Kamu公理5の略記、同じくA5はAma公理5の略記、公理はKamu公理系が8公理、Ama公理系が8公理の”合計16公理”からなります )

Kamu公理系については、図版のArakamichi(1-1)及び図版のArakamichi(2-1)を御覧ください・

Ama公理系については、Arakamichi(3-1)https://kamu-number.com/pdf/axio/131axiom.a.pdfを参照いただきたいと思います。とりあえず、公理系に関しての事柄はこれが基本的なところなので、詳しい事は必要に応じて適宜説明を加えさせていただきます。



◇平行宇宙方程式の前駆4光子随伴を図版で見る

ブログでは、方程式だけを図版にしてあります。ここで、SU(1,1)/U(1)がコヒーレント多様体であるというマーセル・ノヴァエスの発見が重要なのです。これによって量子論とKamu数論とがスムーズにつながってきました。

ノヴァエスの発見によってKamu数論の公理系と量子論の公理系がつながりました。そしてもっと重要なことは、〈KaMa平行宇宙〉がコヒーレント多様体という明確な形になって表現出来ることがわかったことなのです。

つまり、SU(1,1)は「MaKa平行潜象宇宙」そのものであり、U(1)は潜象宇宙(波動世界)に幾何格子(粒子世界)を持ち込む ”操作⇔商空間化” であるということがわかったのです。こうして現象世界の前駆状態が一つの式として表現出来ているのです。

SU(1,1)/U(1)は、基本的に現象前駆を示すものですから、コヒーレント多様体のKamu次元は虚数次元となります。このことは、実次元のつまり現象界に属する標準模型 U(1) が「物性→スピン世界→素粒子」として生成される必然性を示しています。

スピン世界は潜象界と現象界に共通する、存在するものの基本的な姿です。平行宇宙方程式ではブログの図版の真ん中の式が該当する表現です。

ここから導かれる「潜象と現象の互換重合時空ツイスター」というペンローズ風味の幾何学的なイメージはブログの図版では上から三番目の式の中に表現されています。

この三番目の式からわかることは、U(1) は単なるユニタリー構造ではなく、潜象系のユニタリー構造の表現を遺伝として持っていることがわかります。虚数次元のユニタリー構造をこうして視覚的な図として見ることができました。

ユニタリー構造は実次元だけのものではないことは、すでにご覧の図版の(2-4)Dimension √-1  において見ることが出来ると思います。これはユニタリー構造が「原型=Ur-Form」とKamu数論で呼んでいるものに対応するからです。

図版Arakamichi (1-3)
では「Ur-Form → 保型形式」という遷移の状態を図版で見ようとしました。〈正=現象系Ma〉と〈反=潜象系Ka〉の重合が遷移すると、原型を残しながら保型形式へと進行してゆく状態を図版で確かめようとしました。

複素数の〈実部=正=現象系Ma〉と〈虚部=反=潜象系Ka〉が「潜象一元体」の中に最初から存在しているという、入れ子状態がこの図版から読み取れるのです。

つまり潜象の中に現象系と潜象系の2つが〈正反・対称性・歪性〉として存在することをUr-Formと呼び、その結果として保型形式が形成されると見るのです。

”虚数(潜象)世界”は遷移して現象界の「前駆原型 → 原型 → Ur-Form → cuspidal保型形式 → 複素数」を形成すると考えることができます。複素数が解析に重要なツールであることの意味は複素数が現象界の『原型=Ur-Form』であるということの中で理解されるのです。

(Ur-Formはゲーテの原型を意味する言葉を借用しています)”と、”4-2-1.(前編)テトレーションで見るモンスター世界 ” で記したもののことです。

”数学の理不尽なまでの有効性(ウィグナー)”という問いかけを”4-1-1,(前編)”で見てきました。検討の中心になった複素数は存在の形式として基本となるもの、つまり原型だったということの深い意味が明らかとなりました。

複素数とは、MaKa遺伝平行宇宙を表現する合理的な形だったことがこうして理解できるようになりました。その淵源は潜象界のリー群構造にありました。そこにはリー群E8という驚くべきモデルがありました。

数学の理不尽なまでの有効性を体現しているものが〈MaKa潜象多様体→コヒーレント多様体→複素数〉という関係の中に見出すことが出來たのです。


         †


次回は平行宇宙方程式のU(1)部分の (sHi) の「添字」として表示されている「toki」&「tokoro」について説明したいと思います。これは ”時空の互換重合属性”というKamu方程式の表現、およびKamu数論または相似象における独特の概念として ”時空互換重合量子” について、平行宇宙方程式の重要なファクターとして説明したいと思います。

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Kamu Number Theory
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4-2-1(前編)虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン

2020-09-26 10:34:44 | 量子コンピューター
量子コンピューターという思想(4)万物は情報である─ドイチの量子コンピューター

4-2-1(前編)虚数コンピューターとモンスタームーンシャイン
テトレーションで見るモンスター世界

前回で虚数が”最初”の数として”現れたと”いう、Kamu Number Theoryの考え方を紹介しました。このことにより、ウイグナーが仕掛けた謎はおおかた解決しました。補足的にゲーデルの不完全性定理で数学モデルの健全性を示すことが出来ました。


◇虚数の母体である〈ゼロ〉という存在

では、〈ゼロ〉は数じゃないのか?、と思われることでしょう。これには少し説明が必要になります。

虚数の母体である〈ゼロ〉を数として定義することを、しばらくはお預けさせて頂く理由を簡単に示しておきたいと思います。

そもそも、〈ゼロ〉が虚数の母体であるということは、全ての整数の母胎ということでもあります。特に正反虚数と代数的整数の全てを含むという面も重要なことです。

〈ゼロ〉を数として発見したのは古代インドの数学者である事は数学史に記されています。インドで発見された数〈ゼロ〉がアラビアに渡って、現代につながる代数学を作り上げたことも明らかにされています。

直観型数学者ラマヌジャンを生んインドの数学者が〈ゼロ〉を発見したというのは、単なる偶然ではないと私は考えて居ます。楢崎皐月は〈ゼロ〉を発見した数学者はKamuを直感的に感受した人物であろうと述べています。つまり〈ゼロ〉は特別な数なのです。

〈ゼロ〉は正反虚数を生み出すことによって「一元体論=Field with one Element theory」を形成することになります。しかし、一元体という名前なのに、なぜ正反2つの元があるのか、2元体論じゃないか?という疑問が生まれることと思います。

それは〈ゼロ〉という(まだ数ではない)一元体から、虚数の正反2つが生成されるからなのです。すべてはこの正反虚数から物性遷移が始まります。ということは、いきなり〈ゼロ〉から物性遷移は始まりません、数(数学)と物性は結びついていると繰り返し述べてきましたから、この意味で〈ゼロ〉は数の仲間に今のところ入りません。

ピタゴラスが自然数の仲間に〈ゼロ〉を入れなかったのは、この意味では間違いではなかったのです。しかし数の母胎としての〈ゼロ〉を認識していたかというと、そうではありませんでした。ピタゴラスやプラトンにおいては数が実在で物性は影の存在だったのです。

すでに、帰納法のところで記しましたが。帰納法と同様に、〈ゼロ〉を便利な道具として使うことには特別の制約はありません。算術数、そして演算数として使うことになんの制限もありません。

しかし、〈ゼロ〉は特別な数である事を理解した上で扱うことが適切であると私は考えて居ます。それは正反2つの虚数を生み出す母体であると言うだけでもその重要さは理解されることなのです。

D ドイチも述べていますが、物性(物理法則)と数は強く結びついています。この結びつきを理解するには〈ゼロ〉を深く知る必要があるとも言えます。


◇現象の前駆状態(潜象)としての ”ゼロ” と始元量

虚数を最初の数とする理由を受け入れるには、Kamu Number Theoryで行っている ” 現象という概念を拡張する過程” を理解する必要があります。

現象の「前駆状態」というのがそれなのです。これは現象が存在するためには背後に壮大で見えない物性が「現象の前駆状態」として存在するという考え方です。

ペンローズのところで記した「始元量」の考え方を思い出して頂きたいのです。ツイスターと彼が名付けた虚数世界の回転体というアイデアを推進しているペンローズですが、彼は時空そのものの前駆状態を虚数回転体というスピン構造の中に求めたもののようです。これは「虚数世界の多重回転 → ツイスター → 時空互換重合多重回転量子」でした。

実はこのツイスターというアイデアはゲージ理論に相似象なのです。回転角度というものを物差しとして使おういう点で共通の立場にあると私は考えて居ます。ペンローズは相対性理論の専門家なのでゲージ理論ではイメージを持てなかったのかも知れません。

つまり、もともと時空というものは「前駆状態」では時間と空間は不分離のものであって、時間量と空間量へ分離するのは ” 前駆光 → 光量子 → 電気・磁気・力 ”などの物性 が発生したときからだという考え方です。これは、マクロの相対性理論ですでに重力(引力)として実現されている考え方です。ところが、これをミクロの世界でも同じように考えようとするのです。ペンローズは相対性理論の専門家ですから自然な成り行きとしてツイスターに至ったといえます。

時空互換性という物性および、時空重合という2つの物性状態が、これから発生するであろう現象の前駆状態がどのようなものであるかを示しているのです。

虚数の実体である ” Small Hi ” はまさにこの前駆状態から現象発生へ遷移する物性を支配している主体なのです。そして現象が生成されてもなおその支配力は続くのです。これを複素数と私たちは名付け、それは自然数の世界とは異質な数の世界なのです。この虚数(潜象)世界は現象界の「前駆原型 → Ur-Form → 複素数」を形成すると考えます。(Ur-Formはゲーテの原型を意味する言葉を借用しています)

この複素数の世界から自然数を見るといかに不可思議な世界が展開されているかが解ります。プラトンの影の世界がこれです。恐らくプラトンは直感的に感じ取った前駆的な虚数を影の世界と誤認したのかも知れません。

ペンローズの凄いところは、生命の起源を重力と始元の「虚数回転世界 → ツイスター」に求めたのでした。ここから、虚数と生命発生とは裏腹の関係にあることが次第に見えてくることでしょう。この結びつきこそ物理学の脱皮を要求しているペンローズが求めたものです。

始元量の問題では「ホーキングの始元定理」を紹介しました。そこで決定的なのがペンローズの「特異点定理」でした。〈ゼロ〉は” 潜象 ”における特異点である虚数を生み出す母胎と言うことになります。つまり、後ほど詳しく説明しますが、虚数は「始元量の壮大な重合体 → モンスター特異点」という物性を表現した「数」だったのです。

ペンローズのツイスターにはKamu Number Theoryと共通した考え方が見出されたのでした。そして、この前駆物性という発想は、ダークマター、ブラックホールなどの現代物理学と近い考え方です。ただし、前駆物性は数学モデルによって導かれ得るものではありません、現象の相似性の中から相似象を感受し直観によって生まれたものです。ラマヌジャンがそうだったように、そこには数学モデル以前の直観世界が「前駆物性=潜象」という物理世界として見えてくるのだと言えます。

(その3)- 1,万物は回転する・ペンローズと宇宙大航海時代の羅針盤
(その3)- 2 万物のエントロピー増大、故に万物には始元が存在する


虚数が最初の数であるという理由は、以上のように前駆物性と現象との境界領域で発生しているからなのです。数というものはあくまでも物性と結びついたものであり、現象と関わるものについて数は現れると考えるからです。現象と最初に関わった数が虚数なのですから、虚数を最初の数と考えることになったのです。

虚数の母体である〈ゼロ〉の理解には、虚数生成過程の壮大な8段階の物性遷移を解明してからのことになります、それまではしばらく虚数に焦点を合わせて見てゆきたいと思います。



◇虚数とミクロ・モンスター

モンスターって?、、それは想像を超越した巨大な存在を数学モデル化したもののことです。モデルとしては幾何学的な構造を抽象化した有限群に現れ、数学的には単純な構造だが内部の複雑さはまさにモンスターというものです。

どのくらい大きいかですが、桁数で10の53乗です。一兆が10の12乗なのですから気の遠くなるほどの大きさです。そして仲間がいくつかあります、モンスターとベビーモンスターが最初に発見されました。ただし、ここで ”ミクロ・モンスター” と呼んでいるものはこれらのモンスターから分岐遷移した ” E 8 → 虚数 ” のことです、

ここでいよいよ虚数とモンスターの問題に移ります。Kamu Number Theoryでは虚数が生成される過程を遷移図式によって精細に示しています。その物性遷移過程にはKamu公理系が関与します。

図版を見ると、前駆現象(潜象)系公理のK8," Yata " Phenomenon generation Field が示されています。実はこの公理は現象が発現すると現象系公理のA1,Dynamic Saturation Stability " Yata " へと引き継がれることになるのですが、いずれも「重合による飽和状態から過飽和遷移物性」を示すものです。

図版で " sHi " は ” small Hi ” の略称であり虚数を示すものです。また " D√± 1 " はKamu次元の虚数次元 D を示すものです。

図版:Arakamichi ( 2-1 ) :The Field With One Element -Axiom K-8 Yata " Static Octet Rule" as a condition necessary for Transition

物性の遷移には始元量の壮大な重合によるモンスター化が行われます、一回の遷移に数兆回から数十兆回の重合が必要になる場合もあります。虚数という物性が生成されるまでに8回の遷移が必要であるとKamu Number Theoryでは示しています。

こうして、〈Yata〉は一回一回の壮大な重合の仕上げの段階で機能する特異点の存在を示すものです。したがって、ペンローズの特異点定理と〈Yata〉公理との間には深い関係性があるのです。

始元量から重合(一元体の演算)で虚数が生成遷移するまでを追跡すると壮大なダイアモンド図形が現れます、これを " Imaginary Daiamond " と呼んでいます。図版でみるとそれは「正反(Ka〉〈Ma)カラビ・ヤウ多様体」の作り出す超対称性と相似象になっているのです。

なお、一元体では演算は1つしかありません。重合を加法と言ってもよし、乗法と言ってもいいのですがとにかく1つの演算しかありません。これをモノイドというのだそうですがKamu Number Theoryでは「重合( 積分 )」と言っています。

図版:Arakamichi ( 2-2 ) The Field With One Element -Definition area of "Axiom K" imaginary Diamond and its "genetic inverted i-Daiamond"

このダイアモンド図形は現象と潜象の間の双対性と相似性を示すものです。そして、この遷移図式を遷移の方向に従って左から右へ巨大化する姿を示します。これはそれぞれの物性の相似象による数学モデルを使って表示したのが、次の図版です。

図版:Arakamichi ( 2-3 ) The Field With One Element -From Hypersphere by Axiom K8(Yata) to generation of E8 via Calabi Yau Manifold

さらに、虚数ダイアモンドの謎の部分を示したものが次の図版です。" ? " のマークで示したものです、これは Calabi Yau Manifold" with a Global structure will be the creator of Monstrous world and Maximal Universe と説明したものです。わかりやすい表現ではダークマターと言うことになるでしょうか?、しかし、現代物理学ではまだ謎の部分です。

図版:Arakamichi ( 2-4 ) The Field With One Element Regular-Opposite Calabi Yau Manifold's Misode-Similarity and Mirror-Symmetry

詳しい説明は後ほどいたしますが、全体を統率している原理は「保型形式 → モジュラー構造」です。トーラス構造から遷移してK3曲面へ遷移し、カラビ・ヤウ多様体で分岐してマクロ・モンスター群とミクロ・モンスターE8 へと遷移してゆく様子を図版にしています。


◇テトレーションで見るモンスター世界 1

入れ子構造を維持しながら数兆回にも渡る重合を繰り返す遷移は、モンスターへの道程にあるわけです。これは巨大すぎて、通常のべき乗の指数では表現不可能です。そこで、” べき乗の繰り返し → べき乗の入れ子 ” であるテトレーションで表現するしかありません。

テトレーションは21世紀に入って研究が軌道に乗ってきた分野、といわれるほどですから馴染みがあまりありません。では、実際にどのような数学なのでしょうか?

テトレーションに関係のありそうなものを、巨大数という枠で列記するとこうなります。巨大基数、ベート数、到達不能基数、グロタンディーク宇宙、遺伝的有限集合、順序数定義可能集合、推移的集合、フォン・ノイマン宇宙、自己相似集合、フラクタル。

ここで注目しなければならないことは、モンスターと言っても「有限集合」ということなのです。Kamu Number Theoryでは〈ゼロ〉以外は ” 無限 ” とは切り離された存在なのです。つまりここでも〈ゼロ〉は特別な数なのです。ただし、〈ゼロ〉の分身である〈Kura〉は例外になりますがここでは説明を略します。

テトレーションが優れているところは、上記に列記した集合より〈ゼロ〉をしっかりと除外できることです。正確には〈ゼロ〉を背景の中に埋めみ込んで表現出来るということです。従って、Kamu Number Theoryではモンスターを考えるに当たってテトレーションを使うことにしたのです。

テトレーションのもう一つの特徴は、《 入れ子 → a^b^c 》 は 《 a^(b^c) ≠ (a^b)^c 》 という、交換法則が成り立たない演算子であるところにあります。ここからフラクタルと同様にカオスが発生することとなるのです。


◇アーベルから始まるテトレーションの歴史

今回、私はテトレーションの歴史に興味を持ってしまいました、理由は次のようなものだったのです。或る論文にファトゥ多様体若しくはファトゥ座標という言葉が出てきました、これは『アーベル”の”方程式』の解の集合のことだという。

あの数学者アーベルがテトレーションの研究をしていたことが解ってしまったのだ。アーベルとガロアの二人は現代の抽象数学、複素数学のスタイルを生み出した直観型数学者だ。まさか?!というのがこのときの私の気持ちだった。(ガウスも若者の近くまで到達していたが現代数学へジャンプするイメージが無かった、飛躍は直観していないと出来ないもののようだ)

『アーベル”の”方程式』とわざわざ ”の” と断ってあるところがミソだ。そうアーベルといえばアーベル関数や代数方程式の研究があまりにも有名だから、マイナーなテトレーションはほとんど知られていなかったというわけだ。

テトレーションの歴史=アーベルから始まる
  アーベルの方程式1826 → シュレーダーの方程式1870 →
   → マウラーの巨大数表記法1901 → 高木貞治のTakagi関数1903 →
   → ボッチャーの方程式1904 → ジュリアの方程式 1918 →
   → アッカーマン関数1928 → ファトゥ多様体1929 →
   → R.L.Goodsteinがテトレーションと命名1947 →
   → Mathematics of Computationの現在の名前は1960 から →
   → フィシャーのモンスター群1973 →
   → マンデルブロのフラクタル1975 →
   → クヌースの矢印テトレーション表記1976 →
   → マンデルブロのコンピュータグラフィック1979 →
   → コンウェイとノートンのモンスター・ムーンシャイン予想1979 →
   → ウィルソンはコンピュータの助けを借りてモンスター群を生成1985 →
   → S ウォルフラムの数式アプリMathematica 公開 1988 →
   → コンウェイのテトレーション表記法1995

アーベルが切り開いたテトレーション、、おいおい、、オイラーを忘れるな!と言われそうだが「ファトゥ多様体1929」がテトレーションを再興したことを思えばアーベルしか居ない。 アーベル ”の” 方程式はシュレーダーの自己相似性方程式に書き換えることが出来る、と言う点からも、歴史の正統な流れの起点にアーベルはあるのだ。

シュレーダーの自己相似性方程式こそカオス研究の端緒となって、テトレーションをカタストロフィー理論の本流へと一気に現代数学の最先端にしたのだ。

テトレーションの歴史を見て気づくことは、数式アプリMathematicaの登場だろう。これによって、研究者がコンピューターをテトレーションの研究に使うことが容易になったことだ。私たちが目にする数多くのテトレーションのグラフィックはこのアプリから生まれている。

Mathematicaの開発者である天才 S.ウォルフラムは「1986年に、テトレーションを複素数に拡張する問題は、実際には、物理学におけるカオスシステムの連続表現と数学におけるカオスシステムの離散表現を統合し、マップを統合するという、はるかに大きく重要な問題の一部である、と指摘した」のだそうです。  http://math-functions-1.watson.jp/sub1_spec_390.html

数学的なオブジェクトのコンピューター生成画像は、新しい結果を確立する上で重要な役割を果たす。つまり、コンピューターとテトレーションは相性がいいと言うことだ。テトレーションが21世紀の数学だ、と言うことはコンピューターとの連携がスムーズに行くようになったことが大きいのだ。こうした状況から計算数学(Mathematics of Computationを数学として見る新領域)という言葉も生まれている。



◇テトレーションで見るモンスター世界 2

数あるテトレーション画像から私が選んだのは、 Souichiro-Ikebe のものと、Dmitrii Kouznetsov の2枚だった。

図版:(2-2) Dimension √-1 • small Hi Monsterization and Tetration Model

まず、 Kouznetsov の2008年の論文に掲載されている画像はウイキペディアから知りました。私は見た瞬間あまりにも遷移図式と深い相似象がある事にビックリした記憶があります。早速 small Hi Monsterization and Tetration Model を制作することになりました。small Hi は虚数のことです。

Monster Macro Amahi は 図版:Arakamichi ( 2-4 ) において ” ? ” と、謎の存在と示したものはKamu Number Theoryでは Monster Macro Amahi と言います、この正反も Futohi としてありますが図版には余白の問題で書き切れなかったので省略してあります。

一方、Monster Micro sHi - E8 は Small Hi つまり虚数がモンスターである事を示しています。ミクロ・モンスターは更に巨大化してプランクの常数のサイズへ成長し、更に重合と遷移を重ねるとアトムつまり原子のレベルへと物性を変えてゆきます。図版にはアトムの図版の中の位相が注記されています。

誤解があるといけませんので、測定サイズの問題を記しておきます。つまり、潜象系である Small Hi のサイズは容積量(Relativity-Capacitive-Quantity)で見ることになっているので ”プランク長さ” より小さいとは言えないのです。むしろ巨大化すると容積量は縮小すると考えられているので、虚数をモンスターとして見ても ”プランク長さ” より小さいという議論は成り立たないのです。つまり、虚数はプランク長さより巨大であると考えるほうが自然です。

これが潜象を議論するときの特徴です、測定の問題はブラックホールの内部で考えると相似象として理解できると思います。Kamu Number Theoryでは原子核はミクロのモンスターつまり”ミクロの潜象系ブラックホール” に相似象であると考えて居ます。

なお、 Kouznetsov の図版で白抜きになっている部分ですが、例えばアトムの部分の内部が白く何も描かれていないのは、この内部はあまりにも複雑すぎて描けないという理由からなのです。当然ですよね!



◇テトレーションで見るモンスター世界 3

次に、 Souichiro-Ikebe 作成の画像を見たいと思います。基本的な遷移図式との相似性はKouznetsov 画像とほぼ同じです。違うのは白抜きだったところが黒塗りになっています。Souichiro-Ikebe 画像は全体像を見るのに適当だったことから、Kamu次元をべき乗則に置換してみることが出来ます。ちょうど乗法を加法に変換しているのと同じ効果を使うことになりました。

図版:(8-1) Dimension All : Power law structure of Dimension and Nested structure by Complex Tetlation

入れ子構造をテトレーションを使ってべき乗則へ変換して見ると、円環図として示した内部図版の"Nested structure" is similar to "Power law" "Power series" and "Tetlation"ということになっています。つまり、円環が重なって多元的な表現をKamu次元として表現出来ると考えたのです。これを観光していると、ポアンカレ円盤の問題を連想させてくれます。

こうして、遷移図式を視覚で確認できる手法が存在する事に感謝しかありませんが、そのパワーが直観型数学者アーベルから伝わって来ているとは嬉しい限りです。

図版の詳しい説明はKamu次元のことなど長くなりますので改めて行います、今回は省略いたします。

 

◇ リー群 E8 とモンスタームーンシャイン

テトレーションでたっぷりとモンスターの世界を観光できました。で、ここに来て再びラマヌジャンのテータ関数が登場するのです。直観力は、やはり恐るべし、でしょう。すでにテータ関数は宇宙羅針盤のところで活躍してくれました。

モンスタームーンシャインの中にラマヌジャンが現れるのは実はしばらく後になります。どういうことかというと、モンスタームーンシャインが超弦理論と深い関係にあることが見いだされてからラマヌジャンが再発見されるからです。

そもそもモンスタームーンシャインって何?、ですよね、早い話、数学が大統一してゆく過程で解析学(保型形式)と幾何学(有限群)との間に信じられないような相似性が発見されたもののことです。あまりにも驚きが大きかったので ” ふざけるなムーンシャイン ” くらいの気分を表現したもののようです。

何しろその巨大さに圧倒されます。壮大な相似性が発見されたのは1978年のことです。これを年表で見ると、
1970年代 → 〈保型形式 ⇔ モンスター有限群〉 → 〈McKay`observation・マッカイのモンスター群〉
1978年 → 〈ムー ンシャイン予想 〉 → 〈McKay`observation・マッカイの相似象〉
1979年 → 〈モンスタームーンシャイン〉 → コンウェイJohn ConwayとノートンSimon Nortonにより命名
1979年 → 〈 E8 ⇔ モンスター有限群〉 → 〈McKay's E8 observation・マッカイの E8 相似象〉
1980年 → 〈 E8 ⇔ モンスタームーンシャイン〉 → 〈 Kac の証明・カッツの E8 相似象〉

虚数と「モンスターE8」との関係をこれまでより明確にした図版が次のものです。

図版:(2-3) Dimension √-1 • " sHi " is Lie group " E8 " and Imagenary Number

図はかなり模式的で遷移図式を省略し短絡的に " E8 "と " sHi " とを結びつけています。こんなに簡単に「 モンスター リー群 E8 」を虚数と結びつけていいのか?と思われることでしょが、モンスタームーンシャインを発見した本人が1979年に、つまり発見の翌年には リー群 E8 との関連性を予想しています。

そして、翌年の1980年にはカッツが短い論文でそれが正しいと証明しています。カッツは”カッツ・ムーディ・リー代数”の創始者として知られたリー群の専門家です。


         †

(前編)終わり

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