Kamu Number Theoryと相似象

英文サイト. Kamu Number Theory では言及しない相似象のことなどはこちらで。

(その1)-1 ~ 4 量子コンピューター思想をKamu Number Theoryから見る

2019-12-10 15:24:15 | 日記
量子コンピューターという思想(その1)-1〜4

(その1) -1,事始め

スーパーコンピューターの能力では歯が立たないほど巨大な、モンスター級最適解を計算するには、今のところこれしかない。そんな状況が理論的にはっきりしたのだから、量子コンピューターの周辺がホットになるのも無理はないな。と、醒めた目で見ていた、そんな私が量子コンピューターについて考えをまとめておこうと言うことになった。

量子力学は100年をかけて、ほぼ完成された精密な物理学であり、すでに全ての産業の基盤になっている。ところが、量子論には理論的に説明のつかない、多くの謎が残されたままになっている。

量子論の教科書などは計算式に埋められて、とても素人には手も足も出ないと諦めが先にたってしまう。しかしである、計算式の多くは厳密科学として証明や数値等をはじき出す為のものであるらしい。

極端な言い方をすれば、量子論という「現代思想」の理解に必要な数式はごくわずかなのだ。

量子論の成功は、古典力学から派生した解析力学の数学パワーが陰の功績者なのだと言うことは専門家ならよく知っているらしい。量子論の解り難さ、不可解さ、奇妙さ、謎は素人には理解できないものと写るが、実は専門家である物理学者も同じだというのだ。

著名な物理学者は、「分かったつもりになってもまた分からなくなるのが量子論である」と陳べています.さらに、ファインマンは「量子力学に関しては、未だに誰も理解していないと言って間違いない」と言い切っている。

量子コンピューターを考える上で量子論の謎は大きな障壁になっている。それは素人にも、またプロの物理学者にとっても、少しも変わらない同じ障害なのである。

数式なしでも量子論は思想として語られることが出来る、と私は考えているのです。
Kamu Number Theoryの立場からみた量子コンピューターの未來を思想として先取りしたいのだ。

         † 

(その1)-2,謎をKamu Number Theoryから見る

現代思想としての量子論を、理解するのに必要な項目を抽出して整理したのが次の9項目である。9項目の謎は量子コンピューターを理解する上で障害となっている、これをKamu Number Theoryから眺めることにしたい。

    
   まず量子論の謎

(1)物理量の重ね合わせ状態 → コヒーレンスという解釈(実験済み)
(2)観測抽出による量子ジャンプ → デコヒーレンス(一部解明実験済み)
(3)量子もつれの2つの粒子の非局所性 → エンタングルメント(実験済み)
(4)粒子と波動の重畳性 → 粒子と波動のデュアリティーという解釈(実験済み)
(5)複素数の世界で解析され、答えは実数で表現される → 量子と虚数世界(実験済み)
(6)存在するものは全てスピン回転している → ミクロもマクロも回転している(実験済み)
(7)位置と運動量の同時確定出来ない不可知(不確定)性 → 不確定性原理解釈
(8)微視的可逆性と巨視的不可逆性 → 熱力学第2法則を量子論は説明できるか?
               → 時間の可逆性? → エーレンフェストの壺(一部解決)
(9)量子力学は日常生活の物理を含む → これらの謎を日常生活に持ち込めるのか?
                → シュレーディンガーの猫


これらの謎は量子論の解析手法などでは説明が出来ないものばかり、量子論に独特のものでありながら説明できないのである。私は量子論の謎を「潜象」概念によって基礎部分から組み立て直す作業を、Kamu Number Theoryの中で進めている。そこで、Kamu Number Theoryで示した公理とこれらの謎を照合してみると、次のようなリストになる。

   量子論の謎とKamu&Ama公理系との対応関係

 (1)物理量の重ね合わせ状態 → K5 互換重合トコタチ
 (2)観測抽出による量子ジャンプ・状態の収縮問題 → A5 イマタチ
 (3)量子もつれの2つの粒子の非局所性 → K4 ムカヒ
 (4)粒子と波動の重畳性 → K3 ナギナミ A3 ソコソギ
 (5)複素数の世界で解析され、答えは実数で表現される → A5 イマタチ
 (6)存在するものは全てスピンしている → K2 マワリタチ
 (7)位置と運動量の同時確定出来ない不確定性 → A4 タバネタチ A5 イマタチ
 (8)微視的可逆性と巨視的不可逆性 → A5 イマタチ
 (9)量子力学は日常生活の物理を含む → A1ヤタノカガミ A1-4ナナツヨギ

   ( K5という記号、Kamu公理5の略記、同じくA5は Ama公理5の略記 )

公理系に関しては次の図版及びKamu Number Theoryに現在アップしてある各章を参考にしてください。
https://kamu-number.com/
https://kamu-number.com/pdf/axio/111axiomk.pdf
https://kamu-number.com/pdf/axio/121imagidiamond.pdf
https://kamu-number.com/pdf/axio/131axiom.a.pdf

数式なしで量子論を理解したいと願う私たちには、Kamu Number Theoryは正確な道標を示してくれていると思う。詳しい解説は今後おこなってゆくのだけれど、とりあえずこの一覧を踏まえて先に進みたいと思う。

         †

(その1)-3,量子コンピューターの発見

量子コンピューターは理論的に発見されたもので、発明されたのではない。

1985年、発見当時すでにデジタル・コンピューターは存在していたし、チューリングマシン原理も理論として確立されていた。そうした中で、全く斬新な発想をした1955年から、30年の歳月をかけて独創的な物理学者達によって発見され、存在が証明された。詳しいことは次回の「量子コンピューターという思想(その2)3人のパイオニアの系譜」で説明いたします。

ところが、21世紀に入って更に新たな量子コンピューター発見のニュースが入ってくるようになった。単細胞である粘菌が極めて効率的にモンスター最適解を導き出すことが発見された。

量子コンピューターの理論からみれば、粘菌はモンスター級最適解を量子コンピューターで解いているとしか考えられないのである。つまり、単細胞には量子コンピューターが内蔵されていると考えられるのである。こうした発見は、DNAやウイルスの周辺にも起きている。つまり、常温で動作する量子コンピューターの発見である。

         †

(その1)-4,科学のルネッサンス

私には量子コンピューターは単なる新技術だとはとても思えなくなってきている。ヒョッとすると、科学技術にルネッサンスをもたらすきっかけになるかも知れない、と思うようになってきた。

量子コンピューターをKamu Number Theoryの立場から見るとこれまでとは、かなり違った光景が現れるからです。特に、単細胞は驚くべき未來型量子コンピューターのモデルを見せています。

生命の問題を物理学の問題として扱いたいと願う科学者は古今東西多い。そして、量子論はその手がかりとなる概念を示している、と考える科学者が増えてきました。

しかし、手がかりはあるけど方法が無い、というのが実情だと思います。そこでKamu Number Theoryが提起している「潜象」という概念と方法をこのブログで紹介したいと思います。つまり、「生命を取り込めない物理学は本物じゃない」これがルネッサンスの真髄というわけです。

         †

    (量子コンピューターという思想(その1)-5 から 8,に続く)


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