Kamu Number Theoryと相似象

英文サイト. Kamu Number Theory では言及しない相似象のことなどはこちらで。

3-1、万物は回転する─ペンローズと宇宙大航海時代の羅針盤─

2020-04-05 09:51:12 | 量子コンピューター


量子コンピューターという思想(その3)
─万物は回転する・ペンローズと宇宙大航海時代の羅針盤─


(その3)- 1,万物は回転する・互換重合時空ツイスター

◇数学観光ボランティア
わずか数ページの論文のもつ重大な価値を、専門外の人々と共有したいという気持ちから300ページの本を書いて素人向けに解説するペンローズ。さらに、数式が生み出すイメージを、誰にでも伝わるように多くの図版やイラストで共有しようと彼は務める。

ペンローズのこうした多くの労力は、最先端の科学が獲得した成果は人類の共有財産であるという信念に裏付けられているのだと私は思う。

相対性理論の専門家ですら通読に困難を感じるというペンローズの「宇宙の特異点」発見の原論文。

私がペンローズの仕事を理解できるのは、彼の努力、多くの科学者による論説、そして優れた科学ライターの情熱などからである。

トレーニングに時間のかかる最先端の数学を縦横に駆使した論文は、その高い価値が専門外の世界に伝わらないのも事実だ。

私は彼の論文を素人として観光していると、数式のチンプンカンプンな世界に迷い込んで、ウツラウツラとしてくる、気がつくと夢の中だ、そこにペンローズが微笑んでいる。

まず、彼が取り組んでいる問題をザックリとKamu Number Theoryの立場から切り取っておきたい。

一つは、「生命とデコヒーレンス」との深い関係、次は「ビッグバンと始元量」の問題の二つである。

実は、この二つとも量子脳理論及び量子コンピューターと根源のところで物性的な関係が出てくる。

また、この二つは共に「虚数世界の正反回転」か生成されたことをKamu Number Theoryは示している。

◇複素虚回転概念
虚数世界の回転といえば、スピンあるいはスピノールという量子力学の複素虚回転概念がある。

ボール状のような原子の回転を即座にイメージしてしまうが、虚数世界の回転は一筋縄では行かない。

ペンローズは量子スピンを「虚数世界の多重回転 → ツイスター」とみなし、ここからスピンネットワーク時空の生成を考察した。

◇虚数回転が時空を形成するTama
回転が時空を形成するという発想は独創的なものだが、Kamu Number Theoryでは互換重合時空は回転から生成されることを示している。

これまで、回転から時空が生まれたとは聞いたことのない理論だ、しかし、決して思いつきで生まれたものではない。

Kamu Number Theoryでは、時空は始元の状態では統合された時空互換重合多重回転体だ、これを一言で「Tama → Twister」と名付けるのだ。

Tamaについては(その2)万物は粒子である─ファインマンの青春の夢─1.万物は球体である

まさに、ペンローズと同じ発想、つまり「時間と空間はTamaから生まれたものである」という斬新な思想がここにもあったのだ!

スピンからツイスター理論へと発展させたペンローズの構想は先端数学的で、そのまま論文を素人が理解することは出来ない。

例えば、「4 次元時空上の質量を持たない粒子を記述する場の方程式の解がツイスター空間上の関数の 『周回積分』で表されるというものがあり,層コホモロジー的解釈ものちに与えられた」

など、私にはチンプンカンプンな理解不能世界なのである。

ペンローズが導いた、回転が時空を誕生させるという成果は、誰でも使うことの出来る人類の共有資産なのだ。

ところが、ここに止まらないのがペンローズの本領というものなのだ。

◇始元と生命
驚くべき構想は生命にまでこの始元の回転を繋げてゆく事になる。

それが、「生命とデコヒーレンス」だ。これは「デコヒーレンスと重力」へ、更に「重力とビッグバンへ」、ついに「ビッグバン → 始元」へと展開される。

この一連のつながりがあるからこそ「複素コヒーレンスから量子コンピューター」という流れが立体的に現れるのを、これから目の当たりにするのだ。

この関連の中にペンローズは、「生命の起源」を「重力と始元」の虚数回転世界に求めたのである。

この発想「Tama ⇔ Twister」と「ビッグバン ⇔ 始元」はKamu Number Theoryと軌を一にするものと言える。

時空量子ツイスターと生命との間の深いつながりは、始元に於いて始まり、そこから素粒子が生成されるまでの永い遷移過程が続くというのがKamu Number Theoryの理論である。

私は、ペンローズの一連の概念構成法は現代物理学に生命の要素を取り込む最初の本格的な業績として評価したいと思う。


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次回は(その3) - 2、万物のエントロピー、故に始元が存在する、です

(その3)目次
量子コンピューターという思想(その3) ─万物は回転する・ペンローズと宇宙大航海時代の羅針盤─
3-1、万物は回転する・互換重合時空ツイスター
3-2、万物のエントロピー、故に始元が存在する
3-3、ペンローズの迷いとマイナスエントロピー
3-4、生命のロバストネスと情報熱力学
3-5、宇宙羅針盤・テータ関数・共形幾何・保型形式
3-6、ペンローズの微小管非チューリングマシン
3-7、ペンローズの非計算物理とKamu Number Theory
3-8、準直感と準粒子型量子コンピューター


Kamu Number Theory
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