杏と長谷川博己が、それぞれ人の心の機微がわからないリケジョと、大学卒業とともに実家に引きこもったニートを演じている。
この恋愛不適合者の2人の、いかにも不器用な恋愛を描いた、傑作なドラマ。
1月19日から10回にわたり放送され、昨日が最終回。
2人がそれぞれ結婚相談所に登録し、その紹介で始めて顔合わせのデートをするところから、ドラマは始まる。
展開の速さと、激笑してしまうコミカルさ、杏が演じる藪下依子の超合理主義の理論と、長谷川博己演じる谷口巧の高等遊民の理論が毎回激突して、ほんとに面白かった。
この優れたノリは『リーガルハイ』以来だな、と思っていたら、なんと脚本が『リーガルハイ』を担当した古沢良太だった。
古沢良太は、『相棒』や映画『三丁目の夕日』の脚本も手がけている。
そりゃ、面白いはずだ。
最終回はすさまじい迫力の怪女優白石加代子が、バスに乗り合わせた熟年の女性の役で出演し、まるで白雪姫に毒リンゴを渡した魔女の雰囲気で、藪下依子に真っ赤なリンゴをプレゼントする。
そのリンゴは恋の魔法の象徴?
恋とは逃れられないもの。誰と恋するかは、すでにきまっている。自分でどうこう変えることはできない。変えるためには「数の謎を解く」ことが必要。でもそれは不可能。
ということで、自分たちの恋を受け入れる2人だが、それでも「結婚は契約である。結婚に恋などという不確定な感情は必要ない」というスタート地点の合意に戻り、デートをする2人なのである。
ドラマの構成が凝っていて、毎回、デートシーンを軸に、デートの3日前、とか「13年前」といった回想シーンで、ストーリーを展開している。
1回目の放送は1回目のデート。2回めの放送は2回目のデート…といった具合で、デートが舞台。
ドラマの冒頭のタイトルバックで2人が踊るシーンに流れる「ふりむかないで」は、ザ・ピーナッツの歌だそうだ。
銀河鉄道999のコスプレもでてくるし、サンタの衣装も登場し、10回のデートはなんとも盛りだくさんで愉快。
保存版にしたくて、生まれて初めて番組プレゼントのブルーレイに応募したけど、当たるだろうか!?