『赤毛のアン』の中に、アンとダイアナが、ダイアナの大叔母さんであるミス・バーリーに招かれて、ホワイトサンドに行くシーンがあります。
街での四日間。
それは、共進会を見たり、音楽会を鑑賞したり、客用寝室で寝るという、とても楽しい四日間でした。
さて、ここからは作家の松本侑子さんの受けおり。
お正月に放送されたNHKの番組で、松本さんが話していたことです。
ホワイトサンドからグリン・ゲイブルスに帰ってきたアンを待ち受けていたのは、マリラが腕をふるった特別なご馳走。とっておきの客にしか出さないローストチキンでした。
アンが初めてグリン・ゲイブルスにやってきた晩の夕食は、野生りんごの砂糖煮。それを見てリンド夫人が「たいした客じゃない」と推測したものでした。
それが、たった4日間いないだけで、鶏を一羽絞めて、ローストチキンをこしらえる変わりよう。
というけで、「ローストチキン」は、“マリラにとってアンがいかに大切な存在になったか”を読み解く大事なキーワードなのです。
ローストチキンが、なぜいちばんのご馳走なのか?
当時、豚は保存のために、濃い塩漬けにしたり、燻製にしたりするので、新しいお肉ではない。
家で雛から育てて大きくした鶏だけが、いちばんの新鮮なお肉だった。
それで、ローストチキンがご馳走の王様になったというわけ。
『赤毛のアン』につづく“Anne Of Avonlea”では、何回もご馳走としてローストチキンが登場します。
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