1976年4月にハヤカワミステリ文庫誕生☆
さて、ミステリマガジンでは今年の3月に、クラシックから現代の作品まで日本で翻訳された全作品について、作家、評論家、翻訳家を対象に「ミステリのオールタイム・ベスト」のアンケートをとったそうです。
その結果、ミステリ文庫刊行作品が、数多く選出されたとのこと。
それで、大手書店で開催されているハヤカワ文庫創刊30周年記念フェアでは、それら上位にくい込んだ作品が展示されています。
(ちなみに、わたしがチェックしたのは、博多のジュンク堂です。)
アンケート結果の1位から10位は次のとおり。
第1位 『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー
第2位 『火刑法廷』ジョン・ディクスン・カー
第3位 『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー
第4位 『さむけ』ロス・マクドナルド
第5位 『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ
第6位 『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ
第7位 『利腕』ディック・フランシス
第8位 『八百万の死にざま』ローレンス・ブロック
第9位 『Yの悲劇』エラリイ・クイーン
第10位 『死の接吻』アイラ・レヴィン
第10位 『赤い収穫』ダシール・ハメット
第10位 『時の娘』ジョセフィン・テイ
ほほほっ、ディック・フランシスがちゃんと顔を出しているではありませぬかっ。
何も、わたしが得意がることもないのだけど、わが敬愛するフランシス様が、こうして、そうそうたる顔ぶれの中に堂々と交じっておられるのを見ると、ブラボーと拍手喝さいするとともに、「わが意を得たり」とニンマリ。
それにしても『利腕』ですか。
シリーズ化しない主義なのか、毎回主人公も職種も違うフランシス作品にあって、『利腕』の主人公シッド・ハレーは『大穴』『敵手』と3作品に登場する人気者。知性といい、不屈の精神といい、「一見○○に見えるけれどじつは」というパターンのキャラクターといい、いかにもフランシスらしい人物造形。
確かに、フランシス作品の中でも代表作の一つなのはわかっているけれど。
「あれも」「これも」「あの作品も」と推したい作品はいくつもある。
たとえば『興奮』。たとえば『本命』。
でもまあ、『利腕』もまた読ませる小説。ランキングに名前があがって、何の不満がありましょうか。
ローレンス・ブロックやエラリイ・クイーンを抑えての7位は、大いに納得です。
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