秋になって、美輪明宏恒例(だそうです)のコンサートツアーが始まりました。
コンサート二日目にあたる昨日(8日)、友人がチケットを取ってくれたので、行ってきました。
美輪さんの歌はCDやテレビなどて聞いたことはあっても、生のコンサートは初めてといってもいいくらい。
渋谷のパルコ劇場は、500人ほどのこぢんまりしたスペース。ぎっしり詰まった観客が待ち構える中、静かに幕は上がりまし。
第一部.黒髪のショートへアに、黒と白のモダンな衣装をつけた美輪さんが登場。『ヨイトマケの唄』や『メケメケ』、従軍慰安婦を歌った哀しい反戦の唄『祖国と女達』となど、自身で作詞作曲を手がけた思い出の唄を、年代順にならべたプログラムでした。
説得力のある歌詞と、声量豊かな歌声に、否応なしに引き込まれていきます。
美輪さんの歌は、一つ一つがオムニバス形式のドラマのようで、歌の心がビシビシ伝わってくるのがスゴイ。
『ヨイトマケの唄』は、学校でいじめられ、逃げ帰ってきた子どもが、土方の仕事をするお母さんの姿を見て、「ぼく、勉強するよ」とつぶやき、学校にとって返すという情景を歌った歌。母親の子どもを思う気持ちと、子どもが母親を思う気持ちに感動してしまった。
そして、第二部。幕が再び上がって「うわーっ」とため息。花々が大きな螺旋を描くようにして、天上から降りてくる舞台美術は、それはもう美しいのです。
美輪さんも打って変わって、貴婦人のような、お姫様のような、あるいは妖かしの館の女主人のような、裾を引くドレス姿。
愛を歌うシャンソンの数々。
夢のようなステージに、ついつい思い出したのは、小学校二年生のときに見た「シンドバッドの冒険」というアニメ映画です。アラビアナイトのシンドバッドと海賊とお姫様の物語に心を奪われ、恍こつとした体験。その映画を見たときと同じような気持ちを味わっていました。
「シンドバッドの冒険」なんてアニメを思い出したりして、この二つにどんな共通項があるのだろうと、一瞬不思議に思ったのだけど、多分、現実から遊離した完結した世界。心を奪われる陶酔感、というところが、いっしょなのだろうと…。
小学校二年生のシンドバッドと、大人になったいま体験している美輪さんのコンサートと、感じる心の部分が、サラの中ではいっしょなんでしょ☆
最後は『愛の賛歌』に圧倒され、なんだか、観音様を拝むような気持ちに。
さらに、アンコールで歌われた『老女優は去り行く』で、ドラマの幕は下りました。拍手×拍手!
美輪明宏は神々しいの一語につきたのでした。すごいや~
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サラ
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