サラ☆の物語な毎日とハル文庫

サラ・パレツキーの『クロス・ボーダー』を読んだ

@サラ☆

 

2021年9月。つまり去年の秋に発売になっていたのだけど、

このゴールデンウィーク中に手に取る。

千葉の外房の、サーファーがいっぱいいる海辺でページをめくる。

パレツキーの最新刊、やっと読むことができた。

古巣に戻ったような、昔からの親友に再会したような懐かしさと温もりがある。

女性の探偵V・I・ウォーショースキーがまたまた孤軍奮闘して事件を解決。

もう、むちゃだよと思えるその行動。

相変わらず読後に胸がスカッとする痛快なミステリーだ。

 

友人の医師、ロティ・ハーシェルの又甥(弟の孫)の事件と、

離婚した元夫で弁護士、ディック・ヤーボローの姪の失踪事件を

同時期に引き受けるV・I・ウォーショースキー。

 

一つ一つの事象の謎が、トランプのカードをめくるように解き明かされていく面白さ。

それらのカードが、やがて繋がっていき、事件の全体像を結びはじめる。

「華やかなシカゴの街の裏に潜む巨悪の姿が見え始め……」とは

文庫のカバーのあらすじに書いてある言葉。

 

もう50歳一歩手前ぐらいだと思うけれど、身長190センチもある

ロシアの傭兵のような大男2人を相手に立ち廻りをやったり、

建物の窓の外に逆さづりになったり、

たくましくてタフで、不屈に頑張りぬくそのメンタル、いいなー。

 

旧知の友人といるような居心地の良さと、信頼感に満ちて、ストーリーは

展開していく。

そして、よっしゃ!!と満足のいく結末。

念願のグルメな料理を心ゆくまで味わったような満足感が残る上下巻2冊。

隣人の老人、ミスタ・コントレーラスと2匹の犬も健在で、

親しい人を見つけた喜びもありました!!

 

なお、物語なは、執筆当時2018年の時代が反映されていて、

大統領だったトランプの移民政策批判や

ロシアのプーチンの名前も垣間見られる。

時を経て、この小説を読むとき、

「あの時代はそうだったな」と思い返すこともあるかもしれない。

 

次回作は、なんと今年刊行予定だそうだ。

原題は『DEAD LAND』。

さらに次の作品『0VERBOARD』もアメリカでは刊行されている。

お楽しみは、まだまだ続きそう!!

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