お元気でしょうか。
ちょっとしたご縁ができて、六月に入って三度も築地へ出かけました。
帰りに下町の築地界隈を散歩してみることに。
住所は中央区築地ですけど何のことはない、銀座四丁目交差点から歩いても来れるほど
の距離でした。これならもっと早く来ればよかった!
ビル街を少し入りますと、築地場外市場という、有名な魚河岸の中央卸売市場の外側に
小市場のエリアが広がり、海産物を中心とした小さなお店(問屋の一種)がひしめき合って
いました。↓
ちょっと昭和な街並を、ひとり気ままにぶらぶらと。
海の匂いもしてくるような・・
おすし屋さんの先、木が繁っている所に、神社の鳥居?↓
波除神社(なみよけじんじゃ)。なんと、わたしの好きな街なか神社ではありませんか↓
災難を除き、波を乗り切る波除稲荷さまです。入ってみることに。↓
他の神社でも見るこの茅の輪(ちのわ)は、三度くぐることでお正月から六月までの半年間の
罪や穢れのお祓(おはらい)ができるそうです。何故か若い男性がくぐっていました。
手狭な境内には、正面に↑上の本殿。入ってすぐの右手と左手に雌雄の獅子が祀られて
いました。 いい感じ~
右手に厄除け天井獅子(雄の黒獅子) 見えにくいので右の画像は神社HPより引用。
左手に弁財天社 雌のお歯黒獅子
不思議なんですけど、神社って子供がよく似合うんですよね。
築地は江戸時代に海を埋め立てて(350年前)造成された土地なのですが、その際に何度
堤防を築いても荒波にさらわれて、造るまでに特に苦労した場所だったそうです。
そんな事情があって、ここに波除神社が建立されたようです。
下の画像、とても興味深い塚が並んでいました。↓
いかにも築地らしいユニークな塚ですのでちょっとご紹介しますね。
↑ すし塚。東京都鮨商環境衛生同業組合により建立された。
すしを調えるために包丁にしてきた魚の霊に感謝をし、慰め、供養をし、すしの発展を願う。
揮毫は総理の故三木武夫氏の筆。お鮨がお好きだったのでしょうか。
↑ 海老塚。東天会てんぷら料理協同組合と海老の大丸により建立。
海老の供養のための塚。
↑ 鮟鱇塚。鮟鱇(あんこう)の御霊を慰め、供養し、鮟鱇の美味なることを世に知らしめ
たい。仲買の尾邦、三浦両氏によって建立される。
↑ 活魚塚。魚河岸で活魚を扱う仲買の団体、東京築地魚市場活物組合により建立。
活魚を扱う仲買のかたがたにとっては、直接魚を活けじめにして血抜きをする日々であり、
それが自分の生活の糧であり、その魚を食することにより人間が生かされているということ
に感謝をし、建立された。
玉子塚。厚焼き玉子を作る寿司屋、料理屋などで建立。
日々使用した大量の玉子への慰めと供養。(詳しくは神社HPを参照しました。)
思えばわたしたちは、ほんとうに多くのいのちを頂いていますね。感謝することさえも
忘れていた自分をちょっぴり反省・・
食料を提供している人たちの陰ながらの祈りを、思いがけず知らされました。
↑ あんなところに龍が前足を掛けて。お清めの水を守っているのでしょうか。水の傍には
よく龍がいます。箱根の九頭龍神社(くずりゅう)も芦ノ湖の前でした。
この神社は魚河岸の人たちの心のより所なのでしょうか、わたしがいる間にも、ちょっと立ち
寄ったという感じの参拝者が入れ替わり出入りしていました。
夕日の道を帰ります。↑
波除神社のお祭りはこの六月だったそうですが、今年は大震災の環境ですので、本祭は
来年に延期され、お神輿の渡御は中止だったそうです。
東北の漁師さんたちの被害が大きい震災でした。
お祭りのときには、この波除通りもこんなふうになるそうです。↓
雄の天井獅子は男性軍が。
雌のお歯黒獅子(700kg)は女性の細腕?で担いでいます。(画像は神社HPより引用)
震災地が早く復興しますように願ってやみません。
また来週も築地です。今度はどこを散策しようかしら・・