こんにちは
9月22日土曜日、長野県の軽井沢に行ってきました。
到着しますと改札口の前は、出迎えや待ち合わせの人々で意外にも賑やかに混雑しています。
今日は三連休の初日なのでした。明日は秋分の日。お彼岸のお墓参りの人もいるのでしょう。
↓人混みを抜けて駅舎を出れば、テラスのように広がった駅舎続きの歩道橋から軽井沢の町と青空
のパノラマが広がり、空の色が深く、秋に入っているのを感じました。
コンサートを聴くために来たのですけど、会場の大賀ホールの近くに「軽井沢草花館」という
絵画の小さな美術館があるそうなので、少し早めに着いて散歩かたがた行ってみることに。
日差しが強いものの、夏は避暑地になる高原の町。
都会の蒸し暑さはなくて、時折吹く風を楽しみながら一人ぶらぶら歩きました。
↓写真は、駅の北口からまっすぐに伸びている本通り。旧軽井沢銀座のほうへ向かう道です。
建物が低いので空が広い。こんなに広い空に向かって歩くのは久しぶりのような気がします。
↓途中に「軽井沢チーズ熟成所」という建物が。
「Aterier de Fromage」とも書いてあります。チーズ工房。ここで作っているんですね。軽井沢
の牛乳は美味しいから。ちょっと入ってみようかしら・・ダメダメ、美術館が先。笑
↓本通りから脇に入った道は、眠ったように閑静な住宅地。
ここは別荘地なのでしょうか、どのお庭も洗濯物が干していなくて、雨戸が締まっている家も。
↓ここです。こじんまりとした民家のような美術館。
↓石川功一(1937~2007)という洋画家の作品だけを展示している、常設の個人美術館です。
野菊や秋の七草の女郎花(オミナエシ)などの草花が飾られていて、ほっとするような懐かしさ
が湧いてきます。子供の頃によく見た草花ばかり。今は見ることもなくて。
玄関ホールには絵葉書などのミニショップもあり、壁には天皇、皇后両陛下が来館された時の
普段着姿の写真が飾られています。最近のお姿のようでした。
↓一階にも作品は少し掛かってはいましたけど、実質の展示室は二階の20畳くらいのこの一間だけ。
お客はわたし一人でした。
石川功一が生前ライフワークとして描き続けた、軽井沢の野山に自生する草花の絵が並んでいます。
パンフレットを見ますと、この美術館は石川功一の作品のほとんどすべてを所有しているようです。
油彩画を百数十点、水彩スケッチが三千枚以上、その他にも人物・風景画等々を所有。
2007年にお亡くなりになったそうです。
石川氏のご遺族や親族がこの美術館を開いているのではなさそうで、それはちょっとした驚きでした。
友人か知人がここまでおやりになっているのでしょう。
↓下は、水彩画です。
↓油彩画は一見すると日本画のように見えました。「日光黄菅と柳蘭」。(キスゲ ヤナギラン)
受付の横からテラスに出ますと、緑蔭涼しげな空間が。
ノブドウやウチワドコロ、ヤマノイモなど数種のツルをネットに絡ませて緑のカーテンを育てて
いるそうです。手前のほうにも緑のカーテンがあるのですけど。
↓玄関先に咲いているのは、入口のテーブルに飾ってあった野菊や女郎花(オミナエシ)。
石川功一という画家はわたしはまったく知りませんでしたけど、三重県に生まれ、東京に出て、
軽井沢に居を移し、2007年に70歳で逝去。
誰かの意志で軽井沢に個人美術館ができて作品が展示され、生前の画業が守られている。
たまたまお彼岸の中日だったからかもしれませんけど、住宅地にひっそりと佇むこの「草花館」は
画家を供養しているように思えてなりませんでした。
コンサートのある大賀ホールまで徒歩五分。
↓住宅地の道路に嵌め込まれたキツネのタイル。いろんな動物のタイルが点在していました。
一足早い軽井沢の紅葉を楽しみながら歩きます。
↓軽井沢大賀ホールです。公園の中に建っている五角形のホールでした。
どの席へも音が均一に届くように形状が五角形になっているのだそうです。
ソニー名誉会長の大賀典雄氏によって寄贈されたホールでした。
↓ホールの前には大きな池があり、水面も、ススキなどさまざまな秋草も午後の陽を受けてキラキラ
と輝いて見えました。
コンサートが終わり、軽井沢駅へ向かう道すがら、高原の雲の美しさに見とれてしまいました。
危険な暑さとまで言われたあの酷暑も終わって、ようやく秋になりましたね。