イル・ヴォーロの歌「Delilah(ディライラ)」

2018-11-05 16:11:04 | 音楽(音楽動画・コンサート・オペラ) 

 

  こんにちは

  今季から新ルールに変わったフィギュアースケートの、グランプリシリーズが始まっています。

  11月3日と4日に第3戦のフィンランド大会に出場した羽生結弦選手が、今季世界最高得点で

  優勝しました。新ルールでも高い評価を受けたようです。

  羽生選手もコメントしているように、完成された演技とは言えませんでしたけど、それでも最高

  得点ですので、まだまだそれ以上の伸びしろが残っており、今後が楽しみ。

 

  特にショートプログラムの「秋によせて」が美しく完成されるのを是非見たいと思います。

  中盤の足かえシットスピンのあたりの演技は不思議な透明感が出ていて、凍てつくような冷気さえ

  感じられ。同時にウォー!という歓声が観客席から湧き起こりました。

  ここから一気に山場へ。

 

  第1戦のアメリカ大会から見ていますけど、今回、録画を何度も繰り返し観ているのは、羽生

  選手と坂本香織選手の演技です。

  坂本香織選手は、前季の「アメリ」も良かったですし、今季の「ピアノレッスン」も海辺の孤独な

  少女になった演技が素敵。 

  高橋大輔さんも現役選手に復帰して、いい演技を始めましたし、いよいよフィギュアースケート

  から目が離せなくなりました。

 

  というところで、ブログの本題に入るのですけど、今回「Deliah(ディライラ)」という曲を取り上げて

  しまったことを少々後悔しています。

  先程まで観ていた爽やかなフィギュアースケートの世界に較べて、何という悲惨な暗い世界。

  イル・ヴォーロの歌自体は、元気が貰える力強い歌になっており、メロディもいいので気に入って

  いたのですけど、今回、歌詞を調べてみますと、実はとんでもない歌でした。

 

  イル・ヴォーロと言いますのは、このブログでもお馴染みになったイタリアの男性歌手のトリオ。

  羽生結弦選手がスワンになって演じた「ノッテ・ステラータ」を歌っていたことで日本でも知られる

  ようになりました。

  「Delilah(ディライラ)」という曲は、昔、イギリスのトム・ジョーンズが歌って大ヒットし、イル・

  ヴォーロはその曲をカバーしています。

  最後に、その歌動画を載せますので、是非お聴きになってみてください。

 

  さて、Delila(ディライラ・英語読み)というのは、女性の名前。

  辞書を引きますと、1.[聖書] Samsonを裏切った愛人 2.裏切り女 妖婦 と出ていました。

  旧約聖書に出てくる裏切り女の名前なのですけど、それが定着してディライラ(デリラ)=裏切り女

  の代名詞になったようです。それくらい悪質な女なのです。

 

  旧約聖書に出てくる「サムソンとデリラ」のお話はご存知のかたもいらっしゃることでしょう。

  この二人は結構有名で、絵画にも多く描かれていますし、サン・サーンス作曲のオペラもあり、

  フィギュアースケートでも何度も演じられています。

 

  デリラはサムソンを誘惑し、サムソンは誘惑に乗らないように警戒し抵抗しながらもデリラの魅力

  に負けて彼女の手中に落ち、デリラは予定通り彼を裏切って敵に密告して売り渡してしまいます。

  捕らえられたサムソンは両眼をえぐり取られ、悲劇的な最期を遂げます。

  良くない女と見抜いていて、誘惑されまいとしながらも誘惑に負けてしまった男の悲劇。

  そこがまさにドラマティックなのですけど。

  この「Delilah」という歌もオペラも、聖書のサムソンとデリラを下敷きにして書かれたそうです。

 

  最後に歌詞の和訳も載せますので、よろしければご覧になってください。

  ほんとうに気の毒な主人公。こんな目にあったら二度と女性不信から立ち直れないでしょうに。

  その前に、主人公はDelilahを殺害してしまいます。

 

  わたしはトム・ジョーンズのこの歌は知っていたのですけど、まさかこんな素性の歌とは知らず。

  メロディが綺麗なので、熱愛の歌なのだろうと、なんとなく聴いていたのです。

  歌詞が解って聴きますと、イル・ヴォーロは修羅場をよく表現していると思いました。

 

                

        
                                        https://youtu.be/HdpRRfrcedU

 

                    Delilah (ディライラ)          

           俺が彼女の家の前を通った夜に窓に明かりが灯っていた

           その窓のブラインド越しに揺れる影を見た

           彼女は俺の女だが

           彼女が俺を騙していたことを知った俺は正気を失ってしまった

 

           俺のデライラ

           何故なんだデライラ

           あの娘と付き合うのは良くないと分かってはいたけど

           俺は自由のない奴隷のようになってしまったのだ

 

           俺は夜が明ける頃まで待ち、あの男は車で走り去っていった

           俺は彼女の家に行こうと道路を横切りドアを開けた

           彼女は笑顔でそこに立っていた

           俺は手にナイフを握りしめていた

           彼女はもはや笑っていなかった

 

           俺のデライラ

           何故なんだデライラ

           やがて奴ら(警察)はドアを壊して入ってくるだろう

           ごめんよ デライラ

           俺にはもうどうにもできないんだ     

           彼女は笑顔でそこに立っていた

           俺は手にナイフを握りしめていた

           彼女はもはや笑っていなかった

 

           俺のデライラ

           何故なんだデライラ

           やがて奴ら(警察)がドアを壊して入ってくるだろう

           ごめんよ デライラ

           俺にはもうどうにもできないんだ

           ごめんよ デライラ

           俺にはもうどうにもできないんだ

 

  この和訳は、↓下のサイトから大部分を引用させて頂きました。

  ネットに出ている和訳は皆、有志が個人的に辞書を引いて訳したものばかりで、それぞれが

  少しずつ意味が違っていました。

  ですので引用させて頂いたこの和訳も、もう少し解かりやすくしたほうがいいと思ったところは

  申し訳なかったのですけど、誤解が生じないよう、一部言葉を変えさせて頂きました。  

    https://blog.goo.ne.jp/tama-4649/e/edfa7d8a539ee993e43de09c4a7eb6c4 

 

 

                    
                            ミュシャ作

               

 

 

                              

 

 

 

  

 


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