ネコときどき彼 *No cats No life*

ネコと私とベルギー人の彼の楽しい毎日

王と騎士

2012-10-16 | 日記


お庭掃除をする Eさんのそばで、一方をじっと見つめる茶トラくん・・・キングくんです  
キング、とは、誰でも知ってる 王 (King )という意味ですね
中世の昔から偉大な王に従い、弱きを助け強きをくじき、その名誉を何より重んじるのが

騎士 ( Knight )

このキング(王)くんにも、すばらしいナイト(騎士)がいました
そうです 
今まさに、不治の病と戦っている、あのあのあのあのあのナイトくんです 

5kg以上の堂々たる姿でいながら、キングくんは心優しく争いを好まない、まさに

獅子心王  

中世のイングランドにおいて、十字軍を率いて遠征したリチャード王は
その慈悲深く、強い信仰心から獅子心王と呼ばれていましたね
空想のヒーロー・ロビンフッドの時代に、広く知られた逸話です。

その逸話のように、常にキングくんに寄り添っていたナイトくん
病に倒れた、その騎士をじっと見守っているキングくん
たかがネコ、と言うなかれ 
助け合い、励まし合って生きているのは人間だけではありません  



そのナイトくんは、少し体調が安定したために、いったん、おうちに帰れることになりました
予断は許さない状況なれど、ずっと入院していることが回復の妨げになる・・という主治医さんの診断です
懸命の治療、このブログの読者のみなさんはじめ、多くの人々の祈りが通じたのか
ドライフードを少し口にできるようになりました 

白血病は血液のガン・・いわば不治の病です
エイズキャリアでもあるナイトくんにとって、これからの道のりは決して平坦なものではなく
むしろ、厳しい選択を迫られることの連続かもしれません

しかし、不治の病だからこそ、限られた時間をできるだけ快適に、苦しむことなく過ごさせてあげたい

難病の子を介護した方、不治の病の子を看取った方、いやいや、ただのネコ風邪であっても、
見ている飼い主の心に、どんなに鋭い刺が刺さることか・・・・よくおわかりでしょう

私たちは、今日と言う日が終わるとき、当然のように明日が来るものと思っています
一期一会、と言う言葉は知っていても、真に身にしみることは少ないはず
でも、そうではないんです

明日がある、のは奇跡なのです
今日という一日を、愛する家族とともに過ごせたこと
この幸せな時間がずっと、永遠に続くと信じられること
それこそが『しあわせ』だと私は思う


ナイトくんをじっと見つめるキングくんには、ちゃんとわかっています

もう一度、おなかいっぱい食べさせてあげたい
もう一度、自分の声に応えてほしい

そんな何気ない、ごく普通の願いが叶うことを、切に切に祈ります 




被災地ふたたび ~Dumb Witness (もの言えぬ証人)~

2012-10-07 | 日記
昨年の春、あの未曾有の災害に苛まれた東北地方 
多くの方々が亡くなり、未だに行方のわからない大切な人の帰りを待っている、たくさんの悲しい心が減ることはありません

復興の兆しがあるものの、本当に必要な支援は、市井の人々までなかなか届いていないのが現状です 
震災から一年あまり・・・徐々に人々の心から消えつつあるのが、とても残念でなりません
多くのボランティアが訪れなくなった今こそ、もう一度、被災地の人々・ちいさな命に心を寄せたいと思っています
人命第一、そして、残された家族の悲しみを癒せるペットたちに・・・



福島県福島市、震災後に産声を上げた男の子・ナイトくんです 
傷ついていることに気がつかないほどに、心が折れてしまったご家族の希望の光となった『さんかくお耳のこども(by Bonbon's Mama)』
そのナイトくんが今、大変な病気に魘われました
エイズ・白血病ダブルキャリアでありながら、体重4.5kgにまで成長してくれたのに
9月半ば、白血病を発症してしまいました 

いつもお世話になっている女性から

『ダブルキャリアの子の介護について教えてほしい、と言う人がいるんだけど、どうすればいいの?』

と声をかけていただいたのがきっかけで
彼女と一緒に、できるかぎりのお手伝いをしようと決めました
それはひとえに、必死にナイトくんのためにがんばっている、飼い主さんのEさんに何かしたい
ナイトくんに何かできないか・・という沸き上がる思いだけ

というのも、私も以前、同じ病気の子と暮らしていたからです
日々、絶望感に魘われ、自分の無力感に苛まれ、本当に本当に苦しかった
だれも助けてはくれなかった
なぜうちの子が・・・と、恨んだこともあった

また、かつて、一日中働かなければならない時期に、心臓病の犬と暮らしていて

『エナカルドという薬を買うためには働かないといけない。働いていると、病気の愛犬のそばにいられない』

高い薬を買うために働かなければならないし、働いている間に愛犬に何かあったらどうしよう・・という、どうにもならない迷路に
入り込んで抜け出せないこともありました

あんな思いを、他の誰にもしてほしくない 

保護猫・保護犬活動も20年以上になり、普通より、たくさんの犬やネコを世話して来た分だけ
病気の子に出会うことも多かった
その経験から得た中で、何かできることが必ずある
そう信じているからこそ
私は、私に救いを求めて来る人には、できる限り手伝いたい
そのことに、誰にもじゃまはさせない



今日の診察(検査含む)では、白血球が2000を下回り、アンモニア値も高い上、腫瘍も見つかりました
胸水も抜きました
人間だって苦しい治療に、けなげに耐えるナイトくん・・・
やさしいパパとママ、中学校に通う2人のおねえちゃんと、ずっと一緒にいたいからだよね 
どうかみなさん、気持ちがあれば祈ってください
お利口でかわいいナイトくんが、少しでも長く、苦しみなく、大好きな家族と過ごせるように 

ナイトくんたち、ちいさな『さんかくお耳のこどもたち(by Bonbon's Mama)』は
もの言えぬ証人(Dumb Witness)です
ちいさな命に、どれだけ思いを寄せられるかで、その人間の本質が問われる・・・
東北に限らず、災害に遭われた方々に、改めて心からのお見舞いを申し上げます





ねこのきもち