ネコときどき彼 *No cats No life*

ネコと私とベルギー人の彼の楽しい毎日

被災地ふたたび ~Dumb Witness (もの言えぬ証人)~

2012-10-07 | 日記
昨年の春、あの未曾有の災害に苛まれた東北地方 
多くの方々が亡くなり、未だに行方のわからない大切な人の帰りを待っている、たくさんの悲しい心が減ることはありません

復興の兆しがあるものの、本当に必要な支援は、市井の人々までなかなか届いていないのが現状です 
震災から一年あまり・・・徐々に人々の心から消えつつあるのが、とても残念でなりません
多くのボランティアが訪れなくなった今こそ、もう一度、被災地の人々・ちいさな命に心を寄せたいと思っています
人命第一、そして、残された家族の悲しみを癒せるペットたちに・・・



福島県福島市、震災後に産声を上げた男の子・ナイトくんです 
傷ついていることに気がつかないほどに、心が折れてしまったご家族の希望の光となった『さんかくお耳のこども(by Bonbon's Mama)』
そのナイトくんが今、大変な病気に魘われました
エイズ・白血病ダブルキャリアでありながら、体重4.5kgにまで成長してくれたのに
9月半ば、白血病を発症してしまいました 

いつもお世話になっている女性から

『ダブルキャリアの子の介護について教えてほしい、と言う人がいるんだけど、どうすればいいの?』

と声をかけていただいたのがきっかけで
彼女と一緒に、できるかぎりのお手伝いをしようと決めました
それはひとえに、必死にナイトくんのためにがんばっている、飼い主さんのEさんに何かしたい
ナイトくんに何かできないか・・という沸き上がる思いだけ

というのも、私も以前、同じ病気の子と暮らしていたからです
日々、絶望感に魘われ、自分の無力感に苛まれ、本当に本当に苦しかった
だれも助けてはくれなかった
なぜうちの子が・・・と、恨んだこともあった

また、かつて、一日中働かなければならない時期に、心臓病の犬と暮らしていて

『エナカルドという薬を買うためには働かないといけない。働いていると、病気の愛犬のそばにいられない』

高い薬を買うために働かなければならないし、働いている間に愛犬に何かあったらどうしよう・・という、どうにもならない迷路に
入り込んで抜け出せないこともありました

あんな思いを、他の誰にもしてほしくない 

保護猫・保護犬活動も20年以上になり、普通より、たくさんの犬やネコを世話して来た分だけ
病気の子に出会うことも多かった
その経験から得た中で、何かできることが必ずある
そう信じているからこそ
私は、私に救いを求めて来る人には、できる限り手伝いたい
そのことに、誰にもじゃまはさせない



今日の診察(検査含む)では、白血球が2000を下回り、アンモニア値も高い上、腫瘍も見つかりました
胸水も抜きました
人間だって苦しい治療に、けなげに耐えるナイトくん・・・
やさしいパパとママ、中学校に通う2人のおねえちゃんと、ずっと一緒にいたいからだよね 
どうかみなさん、気持ちがあれば祈ってください
お利口でかわいいナイトくんが、少しでも長く、苦しみなく、大好きな家族と過ごせるように 

ナイトくんたち、ちいさな『さんかくお耳のこどもたち(by Bonbon's Mama)』は
もの言えぬ証人(Dumb Witness)です
ちいさな命に、どれだけ思いを寄せられるかで、その人間の本質が問われる・・・
東北に限らず、災害に遭われた方々に、改めて心からのお見舞いを申し上げます





ねこのきもち