ネコときどき彼 *No cats No life*

ネコと私とベルギー人の彼の楽しい毎日

たろうちゃん

2013-04-12 | 日記
これは何でしょう❓


ご存知、アトラスキャリーです
中には当然、保護したネコがいます
その名は たろう  

たろうちゃんは 一年ほど前から、本当に時々、顔を見せる男の子でした
私の自宅敷地内にある 餌場に来る子はみな、顔と名前がわかりますが、たろうちゃんは あまりにも姿を見せないために、その名を呼んでも無反応だった

それでも毎日毎日、姿は見えなくても
名前を呼び続けた結果、1mくらいの距離までは近寄るようになってきました
ただ、それ以上近寄ろうとすると、逃げてしまいます
私が餌場にいる間は、ごはんを食べようともしませんでした

餌場に来たての子はみな、周りを気にしながら食べています
何度も後ろを振り返りながら、敵が来ないか確認しながら、今しかないようにガツガツと

そんな時、やさしく名前を呼んであげると、安心して食べることに集中するようになることをご存知ですか

『大丈夫よ、ママが見ていてあげるから、安心してお食べ』

そう呼びかけるだけで、私への信頼度は驚くほど上がるのです 
保護活動を始めてから、ずっとそうしてきました

三週間ほど前、たろうちゃんは
私の車の下でうずくまっていました
近寄ろうとすると、いつものごとく さっと逃げ……ようとした その、右前脚がブラブラに 

脚を地面に着けない怪我をしていました

保護したい、保護できない、悩んだ私はその日から、アトラスキャリーを餌場に置きました
しかし…それ以来、たろうちゃんは
来なくなってしまったのです

それから少し経ったある朝、いつものように洗ったトイレを 庭の物干しに干した時、突然

しゃらん

と、不思議な音がしました
かつて大型犬を飼っていた私には、耳慣れた懐かしい音……鎖が動く音です

音のする方に目をやると、槇の木の根元に チシャがいました



困った顔で、にゃあ と鳴いたチシャ
チシャの右前脚は 不自然な方向に曲がっているじゃありませんか



チシャの右前脚は、このトラばさみに挟まれていました



運良く? ハサミ部分はギザギザではなく、外傷はないように見えました
すぐに外して、触りましたが、さして痛がる様子もありませんでした



血がついていないのは不幸中の幸い
可愛いチシャの毛だけ 残っていますね
チシャは災難に遭ってすぐに逃げて来たらしく、外してすぐに歩いたり、高い所にジャンプできています

ところで、チシャの怪我を確かめながら、ふと
あることを思い出しました
それは、以前に 同じ場所を怪我していた たろうちゃんのこと
さらに遡り、同じ場所のひどいキズが元で亡くなった トラちゃんのこと

三頭とも、全く同じ場所を怪我していました
その確証を得るには、たろうちゃんを保護して、病院に連れて行くしかありません

姿を見せないたろうちゃんを、どうやって保護すればいいのか
答はひとつ

まちぶせ

これしかありません
会えないと言うことは、私が餌場に行く時間以外でなければダメだということ
ふだん、やらない時間にやれば可能性はあるんじゃないか 

そして、たろうちゃんに会えました
朝7時、餌場に行くと、たろうちゃんが脚をブラブラさせていました
驚くことに、私を見るや、可愛い声で鳴いたのです

保護する時のお助け、フライドチキンをレンジでチンして、置きっ放しにしておいたキャリーの前に置いて見ました
キャリーの中、入口、その前、そのまた中間、そしてそして、たろうちゃんの前と ヘンゼル & グレーテルの逸話のように、ちょんちょんと
一心にフライドチキンを食べている、頭に手をやっても怒りません
頭を撫でても逃げません

私は素手で、たろうちゃんをキャリーに押し込めることができました 
すぐに、シーツでキャリーをくるみ
ネコの来ない場所に……獣医に連れて行くまでの2時間、たろうちゃんは とても静かに座っていました
(無理矢理に保護(捕獲)した場合、ネコは恐怖からキャリーの中で暴れるものです)



たろうちゃんのレントゲンです
右前脚の少し上、傷ついているのが はっきりわかりますね
思った通り、トラちゃん、チシャと
全く同じ場所が傷ついていました 

幸いなことに骨折はしていませんでしたが、腱の損傷がありました
そして、怪我をしてから時間が経っているために 化膿した膿が患部に溜まり、それが激痛の原因だそうです

そこで、患部を大きめに切開し、化膿した部分を切除して縫合、固定しました
手術に伴い、実施した血液検査はエイズ 白血病ともにマイナス
手術に耐えられる体調だったからこそ、実現できたのです
同時に去勢も行いましたが、術後の経過も悪くありません
およそ2週間、入院して経過をみることになりました

かつて、怪我をしていることを知りながら、保護できずに 死なせてしまったトラちゃん
あのとき、二度と同じ轍を踏まないという誓いを守れたこと、とてもうれしい 

今回、トラばさみの恐怖と苦痛に耐えながら、必死に私のところに逃げてきたチシャ
全く触らせてくれなかったのに、信じられない変化で 保護させてくれた たろうちゃん

笑う人は笑えばいい
私は、天国にいるトラちゃんが そう仕向けてくれたと信じています

このトラばさみ、持ち主を確定するために写真を撮り、町内の回覧板に載せました
持ち主からは未だ、連絡がありません



私の住むあたりの地図です
ピンクでマークした地域は、私が片っ端から保護してきたところ
そして、ここ2~3年、93番あたり中心に、地域猫活動が始まっています
以前、記事にもしましたが、住民全員が地域猫に賛同しているわけではない状況を考えると、心よく思わない人の仕業かもしれない

保護活動と地域猫については、今までもこれからも 議論が続くことでしょう
そこには地域住民の利害とともに、行政の在り方も関わってくるだけに
ことは複雑です

ネコの嫌いな人の心情を慮りながら、一頭でも多く 助けられたらいいなと思います 










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