今日は、お奉行さまご多忙で、お調べがありません【K's EYE】

2010-03-11 23:08:52 | K's EYE
 事業仕分けの第2弾がいよいよ動き始めましたね。
 今回の事業仕分けでは公益法人と独立行政法人が対象となりますが、
 すでに対象事業のヒアリング作業は始まっているようです。

 枝野幸男行政刷新相は、独立行政法人の保有している国債約4兆円を、
 国に返還させることを目指すなど、意欲を示しています。

 さらに、原口一博総務相もこれに連携して、
 国の出先機関の仕事についても事業仕分けの対象に含める方針のようで、
 今回も成果が期待できそうですね^^

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

【今日のちょっといい話】

◇今日は、お奉行さまご多忙で、お調べがありません

 江戸時代。
 親を亡くした兄弟が、遺産分配の争いで奉行所に訴えた。

 二人に呼び出しがかかったのは、厳冬の早朝だった。
 一間に入れられているが、お互い物も言わなければ見向きもしない。
 火の気のない部屋の寒さは身を切るようだ。
 ところがどうしたことか、夜になってもなんの沙汰もない。

「寒いのう。どうしたんだ」
「本当になあ。いつまで待たしやがるのか。
 馬鹿にするにもほどがある」
 どちらからともなく話しかける。

「こんなはずではなかった。
 呼び出しがあるまで話そうや」
「うん」

「どうもオレが少し強引だった」
 と兄が言う。
「そうでもないよ。弟の分際で欲深いことを言ったからなぁ」
 と反省の弁がでる。

「いや、できるだけやるまいと、欲張ったオレが悪かったのだ」
「兄さんは親の面倒も看てくれたのだから、多く取るのは当然だ。
 少しでも貰えたら喜ばねばならんオレなのに、
 妻が差し出口をしたばっかりに、オレもその気になって、
 こんなケンカになっちゃって」

「いやオレの方も“やることはいらん”と、
 妻がいらぬ口をたたくもんだから……。
 親が生きていたら、どんなに悲しむだろうなあ」
「本当にいままで仲良く暮らしていたのに、どうしてこんなことになったのか。
 申し訳ない。オレは何もいらないよ」

「いや、親心を思えばおまえに半分やるのが当たり前だ。
 こんなことで争うのは、もうよそう」
「オレも賛成だ。そうしよう」
 話がまとまったとき廊下に足音がして、使いの者がこう伝えた。

「今日はお奉行さまご多忙で、お調べがありません。
 後日、呼び出しのあるまでお待ちください」

 陰から和解を奉行は待っていたのだ。


【編集後記】

 今日、国内で98番目となる、関東第3の空港・茨城空港が開港しました。

 茨城空港はボーディングブリッジ(搭乗橋)を設置しないなど、
 徹底した経費削減路線で成田や羽田に対抗しようとしていますが、

 現状では、定期便は韓国アシアナ航空のソウル便と、
 スカイマークの神戸便各1往復しか予定されておらず、

 赤字必至の空港をこれ以上増やさない、という鳩山政権の方針も考えると、
 国内最後の新設空港になるかも知れませんね…。