神園良輔の『マンション展望』

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「煩わしい」から「息苦しい」へ

2009年12月05日 | 騒音トラブル
犬の鳴き声、子どもの嬌声……といった音に関する苦情の数が増えています。都市というより、地方で顕著とか。橋本典久氏(音響工学:八戸工業大学教授)は、連帯感が失われ息苦しさが残った結果と分析してします。

古来、日本人は集団からメリットを受けて暮らしてきました。だから他人に寛容だった。しかし、個人で便利な生活を享受できるようになり、他人に寛容である必要がなくなったから、クレーマーが増えたのでしょう。

転機は、自家用車とクーラー(エアコン)の普及だと思います。それらのお陰で、
遠くても品数が多くて安い量販店に赴くことが可能になり、また、アサガオ、打ち水……と外回りに気を配ることなく、スイッチを入れるだけで、わが家に快適な空間が出現する――

このように地域集団と個人生活が切り離されたことが騒音トラブルの増加に結びついているといえるのではないでしょうか。

参考;
『2階で子どもを走らせるなっ!-近隣トラブルは「感情公害」-』橋本典久(光文社新書)
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