近年どこの家でもクーラーがありますが、昭和の時代はクーラーなど
高級品で、仮にあったとしても電気代が高いとの理由でそうそうつけさせては
もらえなかったので、皆、夏はあせもに悩まされていたものです。
ところが伊勢にはこれによく効く薬がありまして、
おはらい町の赤福本店のすぐ近く、山中ハート薬局にそれはありました。
その効き目たるや、ひと塗りでかゆみが治まり、2、3日塗り続けているうちに
必ず治るという薬でした。
副作用など全くなし。
市販品ではなく、そこの先代主人(今は先々代かも)が調合していた薬で、
やわらかい白いボトルに薄赤い液体が入っていました。
その方は商売っ気のない方で、その効き目にもかかわらず細々と作っておいででしたので
伊勢の人間でも知らない人も多いかもしれませんね。
口コミでしか伝わっていなかったので。
残念なことに調合を誰に教えることをしていず、また教える間もなく急にお亡くなりに
なったので、後を継いだお子さんでさえ調合を知らず、幻となってしまいました。
惜しい。
もし市販化していればあせもの特効薬として他の薬を駆逐していたでしょうな。