ちょっとした絵(?)日記

思うところをつらつら書き並べているだけです。深い意味のない場合が多いですかね?

経営状態が安定してきた時こそコスト削減の努力のできる時・・・。

2015-11-24 10:33:17 | 体感ビジネス論

昨今。企業業績の改善を報じるメディアの情報を多々見かける。売上高の上昇、利益の拡大・・・これだけを見ると企業は儲かっていると思うのであるが、売上高の上昇に比べて利益幅の狭い企業が散見される。また、逆にさほどは売上高が伸びてはいないのに利益が大幅に増加している企業もある。

企業会計の知識のある方はわかるかと思うのだが、利益は売上高から費用を差し引くと生じが、その利益が必ずしも現金残高とは一致はしない。
企業の規模、売上規模が大きくなればなるほど”現金取引”ではなく、掛取引や手形取引となって売上額の回収は後日となる。
当然、売上を計上するためには、現品の移動が必要となるので、製品の製造や商品の仕入れは先に行わねばならない。

ここに企業の苦しむ部分・・・”資金繰り”が関わってくる。

仮に販売価格1億円、仕入価格6千万円、それに付随する費用が2千万円の商品があったとしよう。
販売の決済が2ヵ月後、仕入れの決済が1ヵ月後であると・・・販売をするために6千万円の決済資金が先に必要となる。
このような案件を二つ抱えると・・・2億円の現金を得るために1億2千万円の資金が先に必要となる。これとは別に販売に関わる費用の2千万円・・・案件が二つであれば4千万円が必要となるので、4千万円の利益を生み出すためには先に1億6千万円が必要となるわけである。

経済が右肩上がりで上昇する場合には未回収というリスクは少ないが、現状のように経済が不安定な時には未回収というリスクは常に付きまとう。

売上は"需要"と"供給"のバランスの中から生まれるものである。当然だが需要のない所に売上は生じない。そこで需要を喚起するために様々な技法があるわけだが、それも”不確実”な要素が常に付きまとう。経営学の序章を紐解くと”売上-費用=利益”ではなく、”利益=売上-費用”とされているのは利益は結果として生み出されるものであると言いたいのであると考える。

企業業績を見ていると面白い傾向があるのだが、景気後退期に最高益を生み出していた企業の業績が昨今振るわない。
景気後退期に最高益を生み出していた企業の特徴は一言でまとめるならば”低価格”である。単純に考えれば費用を押さえて低価格を実現したのだから販売価格を上昇させれば”大儲け”できると考えてしまうのだが、ここに”需要”の存在が大きく関わってくる。

低価格の実現の為の手法と言うのはそう多くはない。大量仕入れ、加工、運搬などの効率化、人件費の削減や本社機能のスリム化・・・。このうち、前者部分の大量仕入れや加工、運搬などは需要があることを想定しての供給体制であり、一旦、需要が減少すると供給とのバランスが崩れ、供給過多・・・つまり、在庫過多ンい陥ってしまう。元々の価格設定が”需要の存在”を前提としており、急速な状況の変化を加味したものではないことから問題が生じる。

このバランスの狂いが最も影響を及ぼすのが先に述べた”資金繰り”である。過去、大量仕入れ、低価格販売を売りにした企業の殆どが生き残っていないのはこの部分が原因と言える。

では、生き残るための方策は何か?タイトルの通りの”コスト削減”。つまり、費用の低減なのか?ということなのだが、私の示したいコスト削減というのは必要な費用を使わないということではない。

”コストの削減”というのは”現金の支払いを抑える”ことと理解している人が少なくはないのは事実である。馬鹿げた話だが、今でも請求書を受け取ってから値引き交渉を求める企業も少なからず存在する。(かなりの問題ではあるが、それはそれとして置いておく)

結論を言うならば、”コスト削減”とは”無駄金を使わない”ということに他ならない。

昔からの商家での戒めにこのような言葉がある。

「死に金を使うな。」

役に立たない金の使い道をするなということである。一見すると”ケチになれ”とも聞こえなくもないが、この真意は「資金繰りを詰まらせるような資金の使途をするな。」ということと「需要の創造に使え。」という二つの意味が込められている。

今では考えられないことなのだが、地方の生鮮食料品を扱う店などが年末になるとおせち料理を自らの顧客(大抵は村一つだが・・・)に配って歩くのである。来年もよろしくという需要の確保の意味合いもあるのだが・・・今では廃れてしまっているが、信用売り・・・平たく言えばツケですが、ツケの回収に個宅を訪問する口実だったのである。(現代のデパ地下なんかの豪華なものではなく、お惣菜の延長線上のもので市場で仕入れたものを家族で作るのでやっていることほど派手ではなかった。)

節税対策などと言って高級外車を乗り回す経営者と・・・大違い。(苦笑)

このような手法が現代にも通じるかどうかと問われると難しいとは考えるのだが、先人のアイディアを現代風にすることというのは難しくはないだろうと考える。

>次回は会計的、マーケティング的なアプローチから追記してみたいと思う。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿