漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

「漫画家志望の進路の考え方」にあたり

2012-03-09 20:00:39 | ☆雑談

二つほど記事を追加しています。

ここはかなりきびしい口調で書いてますが、本当に大変なんですよ・・・。

なんでもかんでも「ゆとり」というのは好きじゃないんですが・・・・・、たしか、ゆとり教育が導入されるときに問題視されたんですよね。

公立校の教育がゆるくなるということは、お金持ちの家の子は塾や予備校、高学歴の親からの知識によって、かなり強くフォローされることになり、家が貧しかったり、親に学歴がない子は、放置されてしまい、・・・結果として二極化してしまうと。

そして、今ゆとり世代の子がまさに社会に出る段階になって、本当にそうなってしまったと実感しているのです。

本来、家が裕福でない人間ほど、確実に食べていける道を歩むべきですし、そうでないなら相当の覚悟や努力が必要なはずなんですが、現実をみると、家が裕福でない子ほど、そういった自覚がないんです。

母子家庭だったり、生活保護家庭だったりするのに、奨学金など借金してまで、漫画やイラストの専門学校にすすもうとしていたり・・・。そして、そういう子のほとんどが自分では何も具体的な努力をしていません。ただ「勉強は苦手だけど絵は好きだから」というような理由だけで、そういう仕事に就けると信じて、そんな学校にいこうとしています。

もっとひどい場合には、自分が将来仕事をしなければならないことすら考えないまま、「絵の勉強がしてみたい」という理由だけだったりします。私が「進路の考え方」のところで、最初に「大人になったら自分で稼がないといけない」という当たり前のことをわざわざ書いたのも、18歳にもなってそのことがあまりわかっていない子を目の当たりにしてきたからです。

これはそういう家庭の場合、まず親が低学歴であったり社会で働いた経験がなかったりして、学歴の大切さや社会で働いて生きてゆく厳しさを知らず、子供に適切な教育やアドバイスができないという場合があります。またそうでなくとも、家計が厳しく働いて子供を育てるだけで必死になってしまい、とても親が勉強や進路のフォローまでできなかったりします。まさに格差の連鎖です。

 

昔は家庭環境がそうであっても、学校がそこをフォローしてくれたりしたんですが、昨今は個性を尊重する風潮とやらで、某SM●Pの歌のように「あなたはそのままで特別なオンリーワン」という教育が最近の流行だったらしいので・・・。

この考え方自体は私は好きですし、よい歌詞だと思っていますが、それはあくまで「絶対評価」で問題ない事柄についてです。たとえば恋愛や友人関係、自分の存在意義について悩むときにはその考え方でよいでしょう。

しかし進路は基本的に「相対評価」、競争に勝つ必要があるんです。全員が希望する学校には入れませんし、全員が希望する職業には就けません。

そういう「競争社会」については、昔よりどんどん厳しくなっています。

大人の社会が厳しくなっているのに、学校では「競争に勝たなくても、あなたはそのままで幸せになれるんだよ」とだけ教えていたら、大人の世界に放り出されて困るのは子供です。

競争に勝たなくてもいい、と教えられたのは嘘だったのだと気付いたときには、もう競争に参加することすらできない状況になっていることだってあるのです

たとえば、私が子供のころはまだ学歴信奉がありましたので、「いい大学に入らないと人生終わり」みたいな感じで追い立てられました。でも、今はそこまで学歴信奉ではありません。「学歴じゃなくて能力が大事」などと、個人能力を重要視するようなことを大人はいいます。

でもね、ほとんどの企業はやっぱり学歴で学生を落とすんです。学歴重視してないなんて嘘です。今はそんなことをいうと「差別だ」といわれるから、嘘をつくようになっただけです。

大人が子供にあまい嘘をつくようになっただけで、現実は何も変わってない・・・いえ、さらに厳しくなっています。昔なら学歴だけで入れた会社も、学歴だけではなく、さらに個人能力が求められています。学歴を求められなくなったんじゃなくて、「学歴だけを」求められなくなっただけなんです。

 

また、昔なら家が裕福でなく、勉強もできず、学歴もない場合、「そういう人間がいくべき道」がそれなりにありました。集団就職などもありましたし、肉体労働もありました。家庭環境に恵まれない多くの人は、自分の人生はそういう道しかないのだと割り切って、自分に見合った道で地道に努力をしていったものです。昔は高度成長期でしたから、学歴がなくても心身健康ならそれなりに何かしら仕事はあったのです。

そのころは、進路の自由度は少なかったのですが、その分与えられた道で地道に頑張れば、死ぬかいきるかみたいなことにはなりづらかったとおもいます。そういう中でも夢を追いたい人間は追ったでしょうが、あらかじめ自分が生きていける世界がある程度限られていることを知りながら、一か八かで飛びだしていくことになるのですから、相応の覚悟も自然にできたことでしょう。

でも、今はそうではないです。

勉強しなくてもお金さえ用意すれば(今お金がなくても奨学金という名の借金をすれば)入れる、楽しそうな専門学校などがふえて、勉強できない、貧乏な家の子でも「金で夢を追う」道筋ができてしまいました。一か八かなんて覚悟を持つこともなく、「自分は夢を追うべきなんだ」「自分は、楽しくてやりがいのある仕事に就けるはずなんだ」と、当然の権利のように思い込んで、偽の夢を高額で買わされるハメになってしまったのです。その先に本当に夢があればいいんですけど、ないんです。専門学校のところに書いたとおりです。

そして、日本はもう高度成長期でもバブルでもありません。仕事はどんどんなくなっています。

特に、昔なら低学歴の人がやっていたような仕事の多くは、機械やIT、外国人などにとってかわられてしまいました。昔ならなんとかなった人も、今はなんともならなくなってしまうのです。今の子供たちの親世代とは違うのです。お父さんやお母さんが大丈夫だったから自分も大丈夫だと思っていると大変なことになります。

 

夢や希望を持つのがもちろん悪いはずありません。でも、そのためには相応の努力も必要だし、才能や運だって必要なのです。

某錬金術師の漫画ではありませんが、等価交換です。

そして、こういう子たちの多くが自分がそういった「楽しくやりがいがある仕事」を手に入れるのに等価となるほどの努力をしておらず、資質もないことに気付きませんし、気付こうとしません。

運や才能は正直、結果からしかわからないので仕方ないですが、努力すらしていないというケースがとても多いです。

 

家庭環境にも恵まれず、努力もできないような子が、まともに生きていける道は多くないんです。

偽の夢を追ってる場合じゃないんです。

でも、専門学校は絶対そんな「ほんとのこと」は教えてくれません。夢は信じればかなうとか、好きなことを仕事にしようとか、楽しそうなことしかいいません。

そんなことができるような生徒は、本当にごく一部でしかないことや、そういう能力ある生徒は専門学校に頼ったりしないことなんて絶対にいいません。

だって、専門学校は学費さえ払ってくれたらいいんですから。

 

でも、そうやって偽の夢にお金と時間をとられた子供がどうなるのか・・・専門学校は考えてくれません。高卒で真面目に就職していたらまっとうな道を歩めたかもしれないのに、中途半端な夢を追った結果、とりかえしがつかなくなることだってあるんです。

日本はごく若いうちしか、未経験での正社員就業はできないのですから。

実際に、安易にゲームやらイラストやらの専門学校に通い、覚悟も実力も努力もともなわないまま中途半端に夢を追った結果、30代でほとんど職歴なしの無職で、今さらもうどうしようもないようなことになってしまった人も知っています。そうなると今の社会では本当に人生詰みますからね。

特に男性は注意してください。女性は最悪、結婚に逃げることが今でもまだ一応できます。(ただ女性も離婚したり結婚できなかったりということはもちろんあるので、あまりそこに期待しないように。結婚する予定で就職ナメていた結果、アラフォー以上のフリーター独身女なんてごろごろいます)

 

夢のないことばっかりですみませんが、 会社員をしていますと、世の中がいっそう厳しくなっていくのをつくづく感じます。

高度成長期のように、ただ真面目に頑張ればまともな人生を送れる社会ではなくなってきています。

グローバル化やIT化が原因ですので、もう昔の日本に戻ることはないでしょう。そんなものとめようとしてとめられるものではありません。

子供たちの親にあたる方がここを見ていましたら、自分の時代とは違うということをよくよく考えて、子供さんにアドバイスしてあげてください。

 

 

私は夢を追うなとはいいません。自分だって納得がいくまで追ったんですから。

でも、夢を追い続けることにはリスクがあるんです。

日本は途中からのやりなおしがとてもむずかしい社会です。敗者復活ができない社会だと言われています。

だからくにリスクの存在を知ってほしいですし、努力が間に合う段階で、必要な努力をしておいてほしいです。

特に「無知」はとてもコワイです。今はネットがあります。とにかく調べてほしいです。


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