漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

役立つ?小手先TIPS

2012-03-18 07:52:07 | ■漫画を描いてみる⑤その他

その名のとおり、小手先的?なTIPSです。
漫画全体で、気をつけるといいかもしれないあれこれ。

●「わかりやすい」「印象に残る」

漫画で大切なのは何でしょうか。ストーリーでしょうか、キャラでしょうか。もちろん全部大事ですが・・・。

特に、新人の漫画に限っていえば、とにかく「わかりやすい」ことと、「印象に残る」こと、この二つです。

読者は、作者が思うほどに作品のことをわかってくれません。
読者が丁寧に一つ一つの台詞まで全部作品を読み込んで、きっちり理解してくれるなんて思ったら大間違いです。(自分が純粋な読者として、雑誌の読みきりを読むときを思い出したらわかると思います)

一部の漫画オタクを除き、新人の漫画なんてほとんどの読者にとってどうでもいい存在です。彼らの目当ては大好きな連載漫画です。聞いたこともない新人の、まったく知らない作品ではありません。

そういう読者は、ぱっと見て面白そうでなければ読み飛ばすし、ぱっと見てわからなければ読み飛ばすし、ぱらぱらめくって、眼をひくシーンがなければ手をとめすらしません。

そして読んでくれても、印象に残るシーンや表情、台詞などがなければ、読んだことすらすぐに忘れられてしまいます。忘れられたらアンケートに作品名を書いてもらえませんよ!

「わかりやすい」「印象に残る」
この二つがとても重要なのです。

そのためには、少々わざとらしい、おおげさ、やりすぎ、あざとい…、それくらいやっても全然OKですというか、それくらいやらないとまったく印象に残らなかったりします。

なお、「キャラが大事」というのも関連しています。やっぱりキャラが印象に残らないと、何にも残らないんですよねぇ。


●印象に残るシーンを必ず作る。

読み終わったあとで、その漫画について思い出したとき、一番に思い浮かべるようなシーン。
あるいは、雑誌をパラ見している人が、ふと手を止めたくなるようなシーンです。
読者をひっかけ、読者の記憶に残るようなシーンを必ず作りましょう。
主にクライマックスで。見開きとかつかっちゃっていいくらい、どどんと描きましょう。


●印象に残る表情を必ず作る。

オチでもクライマックスでもいいですが後半にここぞというところで。
ページ半分くらいつかっちゃっていいくらい。


●主人公や重要キャラの初登場シーンは目立たせる。

三段ブチヌキとか。とにかく「こいつ重要!」というアピール大事です。
少女漫画だと背景に花しょったり模様しょったり華やかだといいでしょう。
少年漫画だと集中線しょってるのが多いですね。
とにかく、重要なキャラやシーンは、これでもかというくらい目立たせておきましょう。
それくらいやって、ようやく普通に読者が気がつくという感じですから。


●絵でかけるものは字でかくな。

ストーリーのところでも書きましたが、新人の漫画だとありがちですが、私の漫画にもありがちですが、とかく文字で説明してしまう。せっかく漫画なのに。説明しないと不安なのでしょうか。
これは極力避けましょう。

設定の説明などもそうです。絵で描けるところは絵で描いて説明しましょう。絵で描いたものをわざわざ二重にモノローグなどの字で説明する必要はありません。

人物の感情もそうです。「悲しい」「嬉しい」、言葉やモノローグでなくて、表情やエピソードで見せなければなりません。

主人公が何をしたか、何を思ってるか、かなりのことが絵で説明できるはずです。
字の説明は最小限にしましょう。

読者が読みたいのは漫画です。字の説明ではありません。


●全体的にメリハリを意識しよう。

コマ割のところで、コマの大きさにメリハリをつけましょうと書きましたが、これは漫画全体においても同じです。

たとえば、キャラにもメリハリが必要です。キャラ1人とっても、多少のギャップがあったほうがよいですし、キャラ同士も、似たようなキャラばかりでなく、全然違うキャラがいた方がいいです。
ストーリーもクライマックスは他とは比べ物にならないくらい、ガンと目立たたせ、盛り上げた方がいいです。

ジェットコースターを思い浮かべてみましょう。まず最初にドーンと大きな落差をつけたり、もしくは少しずつ少しずつ小さな山場を作り上げて、クライマックスでガーンとすごい落差があったりします。
あれが、最初から最後まで、微妙に平坦だったら全然面白くありません。

落差をつけるところは思い切ってつけましょう。
自分では大げさすぎる?というくらいでちょうどいいです。


●誤字、誤用チェックをしよう。

たまに編集部側の写植ミスもありますけども。(少女漫画で「おちこんでる」を「おちんこでる」ってやつありましたよね。あそこまでいくと笑うしかないですが)

私が一番気になる誤用は「いう」「言う」を「ゆう」と書く人です。
子供のころ好きだった漫画家さんがコレでして、どんなシリアスシーンも全部「こうゆうことは・・・」「彼はそうゆった・・・」シリアス台無しです・・・。編集部は修正しないんですかね・・・。
「ゆう」はあくまで口語表現なので、わざとくだけた感じ、ゆるい感じを出したいとき以外は「いう」「言う」と書きましょうね・・・。

あと「役不足・役者不足」の混同や、「名誉挽回・汚名返上」をごっちゃにして使うなどもありますよね・・・。

私も注意するようにしていますが、普段使わない言葉や、なんとなく使ってるけどよく考えたら意味を詳しく知らない言葉などは、一応調べてから使うといいと思います。

作者が恥ずかしいだけではなくて、読者がしらけてしまったり、ひどいときには台詞の意味を違えて伝えてしまうかもしれません。