漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

高校を卒業するまでに漫画を完成させたことがない人の進路

2012-03-06 03:38:13 | ■漫画家志望の進路の考え方

さて、進路を考えるにあたって、高校まではあまり考えることはないです。

美術系の高校を考える人もいるでしょうが、個人的には普通高校で十分だと思います。むしろ、漫画家になるためなら、いろいろな経験を積んだほうがいいので、あまり早い段階で美術に方向を絞るより、普通高校でいろんな人といろんな勉強をした方が有益だと思います。私の行った美術系の大学には美術高校出身者もいましたけど、別に普通高校出身者に比べて絵が上手ということはありませんでした。ただ勉強ができないだけでした・・・。

なお、勉強はできる限りきちんとしておきましょう。漫画家が食べていくのが大変な仕事というのはもうさんざん書いたとおりです。「勉強」は将来の選択肢を広げるのです。もちろん漫画にも役に立ちます。

ちなみに、美大や芸大など、絵に関係した大学に行く場合にも、勉強ができると大変有利になります。というか、勉強ができないと合格できない大学もかなりあります。上位の美大・芸大はほとんどそうです。

また、部活動や恋愛、友達関係などでの経験は、失敗も成功も、漫画に活かせることは多いと思います。怖がらずにいろいろな経験を積んでおいてください。


 

…で、高校まではそれでいいとして、問題は高校を卒業するときの進路選びです。

以前にも書きましたが、ここでとる進路は将来にダイレクトにかかわってきます。

そういう大事な進路選びにおいて、高校を卒業する時点で、一度も漫画を描きあげたことがない、あるいはちょっと描いたことはあるけど、投稿や持込はやったことがない人。

そういう人は、とりあえず「漫画家になれなくても生きていける進路」をとってください。
はっきり言いますと、以下のような進路はとらないでください。

1.フリーター・ニート・家事手伝い
2.漫画・イラスト関連の専門学校

上記の選択肢は、漫画家になれなかったとき、かなりの確率でまともに就職できない進路です。人生詰みかねません。

進路(全般)で書いたとおり、漫画一本に絞るような進路は、少なくともデビューくらいはしていないとかなり危険です。
デビューどころか、18歳にもなって漫画を描いたこともない「論外」レベルの人は、少なくともその時点では、漫画家になれる可能性はかなり低いので、ちゃんと就職できる進路を選んでください。

なぜ漫画家になれる可能性が低いというかと、まあ・・・ここまで読んできてくださっているなら、今さらですが。

1.「漫画の投稿」だけなら、独学の範囲でできることです。実際小学生でもやっています。
これを18歳までできなかった・やらなかったということは、「漫画家のなり方」のところに書いた、漫画家に必要最低限なエネルギー、つまり精神的資質がない可能性が高いということです。

2.漫画を描いたこともなければ、漫画家として才能があるない以前に、そもそも本当に「漫画を描く」ことができるのか?という最低限の能力的資質の判断すら現時点ではできません。ちなみに自称漫画家志望の多くが一作の漫画も仕上げることができないまま漫画家の道を諦めます。

精神的資質はない可能性が高く、能力的資質はまったく未知数。

こんな状況で、18歳という年齢から何の保険もかけずに目指すには、漫画家はあまりに困難な職業です。

そこそこの能力がある人だって、ほとんどが漫画家として生きてはいけないんですから。

就職しなくても一生遊んで生きていけるような身分なら別ですが、そうでない人は、漫画家になれない可能性も十分に考えて就職できるような進路をとりましょう。
ちゃんと受験してそこそこ学歴になるような大学なり、専門でももう少し現実的な就職ができる専門学校など。
漫画以外の理由で進学できない人の場合は、ちゃんと就職しましょう。

漫画家をあきらめる必要はありません。両立して努力してください。
そして、デビューなり連載がとれるなり、それなりの実績をつくってから、漫画一本に絞ってください。
その程度の努力ができないというなら、やっぱり漫画家は無理です。おとなしく諦めて堅実に生きてください。

 

なお、フリーターはともかく、漫画の専門学校ならいいんじゃないの?と思っている人がもしいたら、すぐに考えを改めてください。
くわしくは、漫画専門学校のところを読んでください。個人的にはフリーターの方が学費がかからないだけマシだと思います。

なぜ厳しめに書くかというと、今まで何も自分でやってこなかったような、努力できない人に限って、こういうリスクの高い道を選ぼうとするからです。
その理由も簡単でして・・・・こういう、リスクの高い道は「とりあえず、その場は楽」だからです。
フリーターも漫画専門学校も、難しい勉強も、デッサンの練習も、受験も、就職活動もいらない「楽」な道です。(漫画専門学校とか漫画コースの受験なんて受験と呼べるレベルのものではありません・・・・)
努力しない人が、努力しなくていい「楽」な道を選ぶ。当然といえば当然の選択です。

また、何もしたことがないからこそ、「やれば自分はできるはず」なんて痛々しい思い込みをしてしまっている可能性も高いです。
やればできる人は、こんな年齢になる前にとっくにやっています。ここまで何もできなかったなら、その時点で「やってもできない」「そもそもやろうとすることすらできない」人である可能性の方がずっと高いのに、そんな風には考えないんですね。この手の人は。

専門学校のところにも書きましたが、ちゃんと努力する人は、日々自分で勉強し、経験をつみ、情報を集めていますから、目先の楽さに釣られてリスクの高い道を選ぶことはありません。

しかし努力しない人はそういったこともしないので、自分の選ぼうとしている楽な道が高リスクなことにすら気づかないのです。
あるいはうすうす気づいていても、気づかないフリをして目先の楽さを選ぶのです。

そしてそのまま楽に生きられたらいいですが、残念ながらそうではありません。
今の日本は努力が必ず報われるような社会ではありませんが、かといって努力を避けて生きる人にはそれなりの末路しかありません。
生活保護やホームレスにまで堕ちる可能性だって十分にあるのです。

漫画を嫌なことから逃げる口実に使わないでください。


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