8月の猛暑の中で、人気ミステリー作家の東野圭吾さんの最新作「クスノキの番人」を数回、読み直した話の続きです。
この単行本「クスノキの番人」は、2020年3月20日に実業之日本社から発行されました。価格は1800円+消費税です。

この単行本「クスノキの番人」は、東京都郊外の農村部らしい地域(たぶん八王子郊外辺りの模様)にある月郷神社(つきさとじんじゃ)で育つ直径5メートル、高さ10数メートルの大木のクスノキを巡るミステリーです。
たぶん1回、読んだだけではなかなか全体像の流れが分からない不思議な霊力の話です。以下は、この最新作「クスノキの番人」のネタばらしを含んでいます。もし、これからお読みになる方はこの点にご留意してください。
この単行本「クスノキの番人」の主人公は、直井玲人(なおいれいと)という青年です。ある犯罪を犯して拘留されている時に、ある日、弁護士が訪ねて来て、「示談に持ち込み、釈放される」という話を持ち掛けます。
この示談話にのり、その結果として東京都郊外にある月郷神社の“クスノキの番人”になります。
直井玲人の祖母の異母姉妹である柳澤千舟が管理していた月郷神社の“クスノキの番人”です。昼間は、境内に立つクスノキにはだれでも近づくことができますが、夜は予約した者しか近ヅくことができません。
このクスノキの中ほどに開いているうろ(空洞)の中で、満月あるいは新月の夜に、特別なロウソクの明かりを灯して、祈念すると、その祈念した者の血筋の者は後で、その祈念した思いを受け取ることができるという不思議な霊力を持っています。
月郷神社がある地域に住んでいる各家系では、このクスノキの木に祈念を預けて、その子孫が先祖の思いを受け取り、その家系を繁栄させるというしきたりがありました。
この満月あるいは新月の夜に祈念するには、特別なクスノキの薫りのロウソクを灯すことが必要です。柳澤家の代々の“クスノキの番人”はローソクの作り方を伝承しています。
現在は、柳澤千舟がローソクの作り方を伝承しています。
“クスノキの番人”になったばかりの直井玲人は、満月あるいは新月の夜に予約している訪問者を月郷神社の境内にあるクスノキの木まで案内し、例のロウソクを手渡します。このロウソク代は気持ち分です。でも多くの方は1万円を置いていきます。
ただし、“クスノキの番人”である直井玲人は、祈念している間は、社務所内で待機し、祈念内容を聞いてはいけないと言明されています。
“クスノキの番人”になりたての直井玲人が案内した佐治寿明(さじとしあき)は、満月の夜に、クスノキのうろの中に入ります。佐治寿明は50歳代後半の年齢のようです。佐治家もこの地域の旧家です。
柳澤千舟から祈念している方が何をしているかは見ても聴いてもいけないと厳命されているために、直井玲人は社務所内で待機しています。
すると、怪しい人影がクスノキの木に近づきます。この怪しい人影は佐治寿明の娘の佐治優美(ゆうみ)でした。
優美は父親が時々、家や経営する会社から姿を消すために、ほかに愛人をつくっているのではないかと疑って後をつけてきました。
クスノキのうろの中の祈念行為を知ってはいけないと厳命されていますが、クスノキのうろの中から鼻歌が聞こえてきます。よく分からない状況です。
以下はネタばらしです。佐治寿明は二人兄弟の次男です。3歳上の長男の佐治喜久夫(きくお)は、小さな子供のうちから音楽に才能を見せたために、母親はピアノを習わせ、音楽大学に入学させます。しかし、音楽大学に入ると、音楽の才能がある同級生に出会い、やや自信を失います。
紆余曲折(うよきょくせう)を経て、さまざまな芸術活動を試みます。母親は過度の期待を与えたことが長男の佐治喜久夫が迷った人生を送ったと感じます。
結果的に、母親の葬式にも出られず、愛にこたえることができす、悶々とします。亡くなった母親に捧げる曲をつくり、ある日、月郷神社の境内にあるクスノキの木の祈念に行き、この母親に捧げる曲を祈念します。そして長男の佐治喜久夫は病死します。
あることから、次男の佐治寿明は兄の思いを知り、クスノキのうろに入って、祈念を受け取ります。しかし、音楽にうといために、兄の作曲した曲をうまく受け取れません。
これが下手な鼻歌の正体でした。その後に、娘の佐治優美はこの曲の受け取り法を工夫します。
地元の名家の一族の思いを伝える祈念を、子孫などがどのように受け取るかというファンタジーになっています。以上のように物語を明らかにすると、陳腐なあらすじに感じますが、これを巧みな流れのファンタジーとして、東野圭吾さんは書き上げていて、とても面白い展開です。
この単行本「クスノキの番人」は、2020年3月20日に実業之日本社から発行されました。価格は1800円+消費税です。

この単行本「クスノキの番人」は、東京都郊外の農村部らしい地域(たぶん八王子郊外辺りの模様)にある月郷神社(つきさとじんじゃ)で育つ直径5メートル、高さ10数メートルの大木のクスノキを巡るミステリーです。
たぶん1回、読んだだけではなかなか全体像の流れが分からない不思議な霊力の話です。以下は、この最新作「クスノキの番人」のネタばらしを含んでいます。もし、これからお読みになる方はこの点にご留意してください。
この単行本「クスノキの番人」の主人公は、直井玲人(なおいれいと)という青年です。ある犯罪を犯して拘留されている時に、ある日、弁護士が訪ねて来て、「示談に持ち込み、釈放される」という話を持ち掛けます。
この示談話にのり、その結果として東京都郊外にある月郷神社の“クスノキの番人”になります。
直井玲人の祖母の異母姉妹である柳澤千舟が管理していた月郷神社の“クスノキの番人”です。昼間は、境内に立つクスノキにはだれでも近づくことができますが、夜は予約した者しか近ヅくことができません。
このクスノキの中ほどに開いているうろ(空洞)の中で、満月あるいは新月の夜に、特別なロウソクの明かりを灯して、祈念すると、その祈念した者の血筋の者は後で、その祈念した思いを受け取ることができるという不思議な霊力を持っています。
月郷神社がある地域に住んでいる各家系では、このクスノキの木に祈念を預けて、その子孫が先祖の思いを受け取り、その家系を繁栄させるというしきたりがありました。
この満月あるいは新月の夜に祈念するには、特別なクスノキの薫りのロウソクを灯すことが必要です。柳澤家の代々の“クスノキの番人”はローソクの作り方を伝承しています。
現在は、柳澤千舟がローソクの作り方を伝承しています。
“クスノキの番人”になったばかりの直井玲人は、満月あるいは新月の夜に予約している訪問者を月郷神社の境内にあるクスノキの木まで案内し、例のロウソクを手渡します。このロウソク代は気持ち分です。でも多くの方は1万円を置いていきます。
ただし、“クスノキの番人”である直井玲人は、祈念している間は、社務所内で待機し、祈念内容を聞いてはいけないと言明されています。
“クスノキの番人”になりたての直井玲人が案内した佐治寿明(さじとしあき)は、満月の夜に、クスノキのうろの中に入ります。佐治寿明は50歳代後半の年齢のようです。佐治家もこの地域の旧家です。
柳澤千舟から祈念している方が何をしているかは見ても聴いてもいけないと厳命されているために、直井玲人は社務所内で待機しています。
すると、怪しい人影がクスノキの木に近づきます。この怪しい人影は佐治寿明の娘の佐治優美(ゆうみ)でした。
優美は父親が時々、家や経営する会社から姿を消すために、ほかに愛人をつくっているのではないかと疑って後をつけてきました。
クスノキのうろの中の祈念行為を知ってはいけないと厳命されていますが、クスノキのうろの中から鼻歌が聞こえてきます。よく分からない状況です。
以下はネタばらしです。佐治寿明は二人兄弟の次男です。3歳上の長男の佐治喜久夫(きくお)は、小さな子供のうちから音楽に才能を見せたために、母親はピアノを習わせ、音楽大学に入学させます。しかし、音楽大学に入ると、音楽の才能がある同級生に出会い、やや自信を失います。
紆余曲折(うよきょくせう)を経て、さまざまな芸術活動を試みます。母親は過度の期待を与えたことが長男の佐治喜久夫が迷った人生を送ったと感じます。
結果的に、母親の葬式にも出られず、愛にこたえることができす、悶々とします。亡くなった母親に捧げる曲をつくり、ある日、月郷神社の境内にあるクスノキの木の祈念に行き、この母親に捧げる曲を祈念します。そして長男の佐治喜久夫は病死します。
あることから、次男の佐治寿明は兄の思いを知り、クスノキのうろに入って、祈念を受け取ります。しかし、音楽にうといために、兄の作曲した曲をうまく受け取れません。
これが下手な鼻歌の正体でした。その後に、娘の佐治優美はこの曲の受け取り法を工夫します。
地元の名家の一族の思いを伝える祈念を、子孫などがどのように受け取るかというファンタジーになっています。以上のように物語を明らかにすると、陳腐なあらすじに感じますが、これを巧みな流れのファンタジーとして、東野圭吾さんは書き上げていて、とても面白い展開です。
何気なく書いてあることが、後で重要な意味を持っています。
ストリーテイラーの名人です。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
人気ミステリー作家の東野圭吾さんの最新作「クスノキの番人」を数回、読み直しました。
月郷神社の境内にある直径5メートル、高さ10数メートルの大木のクスノキを巡る不思議なミステリーです。布石が素晴らしいです。
このため、何かも推敲し、物語の布石を配置することに時間を費やした感じです。
読んでみると、かなり複雑な話です。感心します。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
人気ミステリー作家の東野圭吾さんの最新作「クスノキの番人」を数回、読み直しました。
この最新作「クスノキの番人」は書下ろしなので、何かも推敲さなって、話の流れの中に布石を置かれたことと思います。
「クスノキの番人」の本当の仕事は奥が深いものです。かなり面白い小説のようですね。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
人気ミステリー作家の東野圭吾さんの最新作「クスノキの番人」を数回、読み直して、あれこれ考えました。
話の奥が深いファンタジーです。
クスノキの番人の仕事は不思議な役目です。
台風が近ずく中で、読んでみたい作品です。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
人気ミステリー作家の東野圭吾さんの最新作「クスノキの番人」を数回、読み直して、あれこれと考えました。
この物語は不思議な話で、最後はハッピーエンドになっています。