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EV資源安定調達の課題(下)家庭に眠るレアメタル「発掘」―電池リサイクル網挑む、メーカー回収、欧州先行。

2021年04月02日 06時08分28秒 | リーフ
ENEOSホールディングス傘下のJX金属日立事業所(茨城県日立市)。使用済み電気自動車(EV)の電池からニッケルの分離作業が進む。同社は電池のレアメタル(希少金属)のリサイクル実証に取り組んでいる。
 使用済み電池を熱処理後、粉砕、選別して電池粉を回収する。硫酸で浸出した後、独自の溶媒抽出技術でコバルト、ニッケルを取り出す。その後、炭酸化処理してリチウムを回収する。
 同社の安田豊金属・リサイクル事業部長は「回収したニッケルなどは再び電池材料に使える」と強調する。採掘した鉱石から電池材料を作るより二酸化炭素(CO2)の排出を減らせるという。
 住友金属鉱山も愛媛県の2工場で、使用済みの電池から銅とコバルトを回収して再資源化する仕組みを整えた。19年に始めた実証実験では、乾式製錬により電池の中の不純物とニッケル、コバルト、銅を分離して合金として回収する。その後、湿式製錬で溶融、精製してニッケル、コバルトを取り出す。再び電池として利用できる。
 丸紅は北米で最大規模の電池リサイクル量を誇る米リトリブ・テクノロジー(オハイオ州)と提携した。EVやスマートフォンなどの電池を回収し、化学メーカーと協力して再び電池材料にする。丸紅はノウハウを確立する。
 EVリサイクルが事業として成立するには(1)安定的に大量回収できる(2)取り出す費用が安い(3)資源価格がリサイクル費用より高く安定している――などの条件が必要だ。
 パソコンなどを対象に13年に始まった小型家電リサイクル法をみると課題が浮かび上がる。18年度に9万トン強の家電を処理したが、目標の年14万トンには及ばない。個人情報の漏洩を懸念し、家庭に滞留しているようだ。資源価格が下がると回収業者の意欲も低下する。
 EV用電池は住宅向け蓄電池などに再利用された後に回収されるなど複雑な経路をたどる。「リサイクルを軌道に乗せるには、家庭用などで再利用された電池を含めて回収率を高めることが重要」(みずほ銀行産業調査部の河瀬太一調査役)
 先行する欧州では欧州委員会が20年12月、EV電池について27年1月から再利用した原材料の使用量を開示し、30年1月から再利用した原材料の使用割合に最低値を導入することなどを決めた。最終消費者が電池を新たに購入しない場合でも、無償回収するようメーカーに求めている。
 EV急拡大で資源確保の動きは強まる。電池に必要なレアメタルはアフリカやアジアなどに偏在し、日本が抱えるリスクは石油の中東一辺倒から一段と複雑さを増す。リサイクルを供給網にしっかり組み込むことが安定調達の一歩となる。

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